この記事は traP Advent Calendar2016 8日目の記事です。
(すいません、挿絵が途中までしか描けていないです)
(16/12/10: 2.6 から追記。挿絵追加)
(16/12/18: 2.1.3, 2.5.1 追記。挿絵追加)
自分、thorium129 は落書きが好き。
他の人が描いた絵の細かいところなんていちいち見ないし、自分で描くのも面倒くさい。
というわけで、最低限の労力でそれっぽいかなー程度の絵を描く (落書きする) 自分なりの方法を書いてみようと思います (^^;
1.目的
落書きすらできない人が落書きをできるようになるのを目的としています。
既に落書き以上のお絵かきができる人にはこの記事は役に立たないでしょう。
2.キャラを落書き (デフォルメ)
落書きなので「デフォルメ」します。
「デフォルメ」とは「美化」でもあり、「手抜き」でもあります。まさに落書きの理想形です!
ここでは落書きできるようにするのが目的なので、どこまでも手抜きしていきます。
2.1.顔を落書き
デフォルメキャラと言ったらまずは顔です。
とりあえず顔で識別できればなんのキャラか分かります。
顔さえ描ければ体なんてどうでもいいんです。
2.1.1.模写
突然ですが…模写をしまくりましょう!
元々デフォルメされているものでも顔だけでもいいので、とにかく模写してください。
落書きとは言えど、何も見ずにやみくもに描いていても上達しないので、何かしら参考資料を見ましょう。
どう描いたらいいのか分からないのに線を引かないでください。
始めは、どんなにカンタンな作画のものであっても、それを模写するのにかなりの時間をかけてください。絵が上手い人がスグ描けるものであっても、慣れていない人には同じ速度で同じ作画はできません。
慣れて来たら、ゆっくり正確に描く練習と、早くなるべく安定して描く練習を適度に両方やるといいです。
「模写ができれば苦労しないんじゃボケ?」という人のために、模写のヒントを紹介します!
2.1.2.曲線を正確に描く
線を正確に描くだけでは上手に絵を描く十分条件にはなりませんが、必要条件ではあるので、まずは二次元的に正確に曲線を描くことを目指します。立体的なものを描くときでも実際に描くものは二次元です。
そのためには、以下の事に気を付けると良いです。
- 線の角度
- 線の長さ
- 線の曲がり具合
2.1.3.顔の輪郭を描く
では、実際に上記の事に気を付けて輪郭を描いてみます。
そのために、以下のように線を分割し、調整していきます。
- 顔に対して水平・垂直な接線が引けそうな (微分係数が 0 か±∞そうな) 点および、その他主要な点に注目する。
- 縦横の比率を元の絵になるべく合わせる (縦すぎ・横すぎにならないように)。
- 縦横の比率をそのまま、水平・垂直 (以下略) な点の位置を合わせる。
- 上記の点を固定したうえで、その他主要な点の位置を合わせる。
- 各線を合わせる (線の合わせ方は後述) 。
- 線が長すぎ・短すぎ→注目した点の位置を変える
- 角度が (顔の水平方向に対して) 急すぎ・緩すぎ→点の位置か線のカタチを変える
- 線がとがりすぎ・丸すぎ・まっすぐすぎ→カタチを修正
曲線であっても、その途中の接線や、端点を結ぶ直線の傾きを意識すると良いです (^^
あと、線の分割は、多すぎると全体のバランスが取れなくなりますし、少なすぎると形が安定しなくなるので、適度に分割します。
角度を把握するのに慣れて来たら、線同士の相対的な角度も捉えられるようになると良いです (※最初から相対的な角度を見ようとすると、一か所ズレると全体がズレるので、慣れないうちは水平・垂直に対する絶対的な角度でとらえてください)。
2.1.4.正しい位置・大きさの把握
とはいえ、やっぱり目も口も描きたい!表情を付けてキャラを生き生きとさせたい!
というわけで、次は目と口を描くだけですが、その前に、目や口を描くのに必要な、「正しい位置・大きさの把握」について少し書きます。
正しい位置を把握するには、距離と角度の認識力が必要になります。
(本来はそのためにアタリを描くのでしょうが、落書きすらできないときに「アタリ描け」と言われてもどう描けばよいのか分からないと思いますし (というか自分が分からなかったです 汗) 、落書きのためにわざわざアタリ描いて消すのはアレな気がするので、ここではアタリを描かないでいきます。)
細かい形状なんかより、距離、角度がズレている方がよっぽど変に見えるはずなのですが、全く形が整った絵が描けない人というのはなぜかそこを気にしない…。ので、全力で距離・角度を見ていきます。
慣れないうちは、距離はなるべく簡単な整数比、角度は水平・垂直・45度 (π/4 rad) を基準にし、そこから少しだけズラして正確な距離に近づける、とした方がよいです。
何か位置が変だと思ったら、イメージで色々な二点を直線で結んでみて、距離と角度を確認してみてください。これは顔以外でも言えることです。
最初から角度を完璧に真似た模写をしても (それはそれで地力付くので良いのですが) 、安定して描けるようになりにくいので、まずはとても簡単なことを確実にできるようにします。
正しい大きさを把握するにもやはり距離の感覚が必要です。
特に、目などは、顔の輪郭がそこそこ描けるようになっても、輪郭との上下の間隔、左右の間隔、目同士の距離、瞳と白目の割合なども気にしつつ大きさを合わせなければならなし、顔より小さいので、顔の輪郭よりずっと大きさを合わせるのがムズかしいです。
今後、常にこれらのことを意識しつつ描きます。
2.1.5.目を描く
では実際に目を描いてみます。
前の項目でも述べたように、目はいきなり大きさと位置の両方の正確な認識を求められるので慣れないとムズかしいです。
作画によって理想的な目の大きさ・位置はそれぞれ異なると思いますが、描けないうちはまぶたの輪郭は横方向に顔を三等分した大きさ、横対縦は 2:3 ぐらい、位置はアタマ全体に対して下 (アゴに張り付く) の方が個人的にはかわいく描けると思います。
ちなみに、目は大きい方がムズかしいです。
まぶたの輪郭は先程の比率にするにしても、瞳は小さめの方が良いです。
その場合、目同士を近づけ過ぎるとかわいくなくなるので注意した方が良いです。
あと、左右の瞳の大きさのバランスを整えるのも慣れないとムズかしいです。
目の形は作画によると思いますが円に近いより縦長の方が安定しやすいです。
目の描き方も色々あるので色々参考資料を見ながら描いてみましょう。
2.1.6.口を描く
口は目との距離で見え方が全然変わります。
自分的には、目のしたまぶたと口の上の高さが揃うか、少し離れてるぐらいが安定してかわいく描けます。
口は基本的に幅を小さめにした方が安定してかわいく描ける気がしますが、口の中の面積は大きい方がかわいいみたいな雰囲気もありますので、「かわいい」が崩れないようにどうやって大きくするか、と考えると良いと思います。
ちょくちょく見かけるキャラクター絵で、アゴをリアルに意識して、口が開いてるときにアゴのラインを下げて描いてるものがありますが、自分的にはあれは好きじゃないので、口が開いているかどうかにかかわらずアゴのラインの位置は固定して描いてます…。
まぁ、口の描き方も無限にあるので、いろいろ資料を見ながら描いてみましょう。
2.1.7.髪の毛 (描けない)
すいません、自分は髪の毛の書き方全然分からないです (^^;
とりあえず、なんとなくカタマリにして、なんとなくバラバラな感じにして、ここでもやはり角度を気にしながらサラサラと描くと良い感じになると思います。
もしくは曲線美を意識したシンプルな形にする。
曲線美がないシンプルな髪の毛の描き方は個人的にはダサく感じます。
2.1.8.仮定と省略
ラクガキすらできない人は、ちゃんと見ずにテキトーに描いている節があるのですが、テキトーに描くぐらいならまず形などを勝手に仮定してから描きます。
例えば、頭のラインが良く分からないのにテキトーに線を引いて正解を見つけるのではなく、とりあえず半円、もしくは角が丸い四角を意識して描き、そこから実際のラインに近づけるために線を増やして補正します。
ちなみに、アゴやアタマラインを直す時、顔の内側の方に意識が行くので。線を包み込む感じに直すと良いです。
あと、ここでは落書きなので、ヘタに何かを描くぐらいなら省略してしまいます。鼻・まゆげ・歯・舌などがその対象になるでしょう。
2.1.9.記号化
デフォルメは記号化でもあるわけですが、どこまで記号化をするかが問題になってきます。顔、目、手足、体など。
ここらへんの話は作画や好みに大きく依存するので、各自研究してみましょう。
ほっぺたの模様なども描くかどうか好みが分かれるところですね。
2.1.10.補足
お絵かきしてる人々の間ではよく言われていることですが、左右反転すると作画の崩れが顕著に分かります。
そのまま書いているときはちゃんと描けているつもりでも、左右反転すると歪んでいたりします。たまに左右反転してみましょう。
ちゃんとしたお絵かき用のソフトウェアは左右反転表示機能があります。
あと、一回描いた後に時間をおいてみたりすると、見え方が変わってきます。絵を描いてお風呂入ってもう一回見たりしましょう。
もう一度見ることがないような絵はそもそも描いちゃダメです。
それから、表情もいろいろ付けると良いです。
2.2.腕を落書き
ここまで顔の描き方と、お絵かき全般にかかわるような内容をそれにからめて説明してきましたが、やっぱり体も描きたいですね (^^;
と言っても、服を着ていれば体の大部分は見えないので、いくらでもごまかせます。
なので、まずは腕脚を描けるようにしましょう。
デフォルメキャラはまず顔に意識が行くので、その近くにある腕にも意識が生きやすいでしょう。
なので、まずは腕から描きます。
ここではラクガキなので、腕は平行な細長いものでいいでしょう。
それに納得がいかなければ、少しだけ曲線をかけたりしましょう。
ただし、その太さと長さを把握することも、慣れないうちはムズかしいでしょう。
形よりまずは大きさを正確に描けるようにします。
顔や体に対して相対的に合わせます。
もちろん、顔と同じく水平垂直や角度も気にしながら描くのですよ。
肩の位置は、顔の大きさ・位置を見て、相対的に気合いで合わせます。
ひじを曲げるときは、肩からひじの距離、ひじから手の先までの距離に注意が必要です。
手首から先は、ここではラクガキなので、輪郭一本でそれっぽく描きます。
実際に描くときは、顔の輪郭の時と同じく線を分割しますが、手首から先は顔より小さいですし、最低限の線の分割で済ませます。
多少細かく描くなら、親指だけ分離して、手のひらから他の指をひとつの塊で見た方が簡単に描けます。
ここではラクガキが目的なので、手や腕の細かい構造などは説明しないことにします。
2.3.脚を落書き
次は脚を描いてみましょう。
脚も腕と同じ発想で描きます。(とりあえず平行。太さと長さを注意。先はそれっぽく)
自分にはよく分からないのですが、太ももがすごく太かったり細かったりする作画の絵を割とよく見かける気がします。
やはり太さや長さを正確に (理想的に) しようとする意識が必要だと思います。
あと、これはもはや自分の好みですが、太ももからふくらはぎにかけて太さが違い過ぎるのが嫌なので、やはり平行に近くなるようにしてます。
足首から先もテキトーにそれっぽく描きます。
自分的には、全体的な形は三角柱をイメージし、足先を丸くし、かかとは垂直に近い形をイメージすと良いです。
あと、おまけとして、かかとが目立たないようにする描き方が個人的にかわいくて好きです (^^
また、動物や小さい系キャラだと、脚を描かない (足先だけ) の場合もあります。
(どこかで見たことあるようなキャラ… (^^;
脚も腕と同じく細かい構造などはやりません。
2.6.体 (描けない)
すいません、自分、体も全然描けないので、テキトーなことだけ書いておきます (^^;
自分は体も脚と同じく太さが上から下にかけて変化しすぎるの嫌なので、なるべく平行にします。
が、さすがに体を平行に近づけすぎると不自然さを感じるので、
- 頭身が高いキャラは腰から下に広げて上半身は平行
- 頭身が低いキャラは下に少しだけ広がる形
な形にします。
自分的には、上半身の方が太くなっていく作画はかわいくないので嫌ですし、逆にデフォルメが強く聞いた作画で著しく下に広がっていくものなどがありますが、これはこれで違和感を感じます。平行過ぎてもダサい。ムズかしい…。
服も描き方良く分からないです…。
なんとなく規則的に、なんとなく不規則的にしとけば、とりあえずいいんじゃないでしょうか… (^^;
2.5.ポーズ・構図
ここまでは二次元的に描くことを中心にしていましたが、やはり三次元的に角度とかも考えたいわけです。
また、作画がデフォルメされている分、ポーズや構図で良さを出したいということもあります。
というわけで、ポーズや構図を考えましょう。
2.5.1.ポーズ
ポーズは主に以下の 3 つの要素を持っていると思います。
- 形をみせる
- 重心・位置関係を示す
- 意識の方向を示す
形が美しくないと嫌なので、なるべく美しく見えるポーズを付けたいです。
いくら正確に細かく描いてある絵でも、ポーズが良くないとダサいです。
また、デフォルメされていると (特に影を省略する場合など) 、物体の位置関係が良く分からなくて分かりづらい絵になってしまうので、分かりやすい物体同士を (二次元的に見た時に) 重なるようにすると位置関係が分かりやすく、同じ作画でも少しリアルに見えます。
重心に関しても同じ理由です (リアルに見えるから) 。
片足で立ってるときに不自然に見えないようにしたり…。
明らかに倒れそうな角度や何かによりかかる感じにしてみたり…!
上までは物理的にどう見えるかで話を進めているのですが、ところで、今はキャラを描いてるわけですよね。命を吹き込みたいわけです。
というわけで、全身を使って感情を表していたりするとかわいく見えます。
(挿絵: 描き途中)
2.5.2.構図 (視点)
あと、視点の位置を変えるのも絵のバリエーションが増えて良いです (^^
低い位置から高い位置から、近くから遠くから、視点の角度、などなど。
また、絵全体を斜めにすると雰囲気的にもいい感じになるうえ、作画の崩れが分かりにくくなるので、紙やキャンバスを斜めにしたまま普通に描き、それを回転させると、ごまかしが効きます (^^;
(挿絵: 描き途中)
3.背景を落書き
やっぱり背景があるのとないのとで感じ方が変わるので背景も描いてみましょう。
キャラそのものには影をつけないとしても、地面には影を描いた方がいいです (形はテキトーでもいいので) 。
キャラと地面などは明らかに別の物体ですし、そういう別の物体同士の接点には意識がいきやすいので、そういう場所に影を付けると効果的です (壁と手が触れている場合なども同様) 。
(挿絵: 描き途中)
キャラ以外にその絵のシチュに効果的に作用する物体を一緒に描くと良いです。
遠近法の消失点を意識した背景の描き方も効果的ですが、直線ってあまりかわいくないしどうなんでしょう (^^;
(挿絵: 描き途中)
4.その他落書き
漫画みたくセリフや効果音などを付けると、絵がテキトーでもいい感じに見えます。
色々参考にして描いてみましょう。
(挿絵: 描き途中)
(無意味に爆発)
5.最後に
とにかく距離・角度・大きさ・位置です。あとは汚くなるぐらいだったら最初から描かない (近似する) ということぐらいでしょうか。
あとは沢山描くことだと思います。ラクガキなのでしっかりした絵を描くより気楽ですし (^^
ここまで読んでいただきありがとうございました。
この記事が少しでも役に立てれば幸いです。
(挿絵: 描き途中)
(ノシ)