こんにちは、19のりょはです
今回は「冴えない彼女の育てかた fine」を見て冴えカノとWA2について少し話そうと思います
タイトルからネタバレ感が強い[1]ですがこの先ネタバレ注意です!!
まだアニメなり映画なりラノベなり見てない人はこんなポエムを読むより見た方がいいです
あとWhiteAlbum2のネタバレもあります
僕は平素から「作家の作品間に何らかの結びつきを見出す前近代的な作家論を展開するやつは何もわかってない自称考察マン」だと言い続けているのですが、今回に関しては自称考察マンになります
まずはおさらいをし、WA2と絡めていきあとがきという構成になります
皆さんにとっての丸戸氏ってなんでしたか?
パルフェ?ダメ恋?WA2?冴えカノ?それとも太陽の子だったりするんでしょうか
僕にとってはWA2でした
しかし冴えカノ映画を見終わったときの衝撃は、思い出補正がなければWA2を超えていたかもしれません
おさらい
まずは軽く映画のおさらいをしましょう
アニメ2期は英梨々と詩羽先輩がサークルから離脱しますが、それを応援するために倫也が新幹線のホームにいった辺りで終わりました
映画は美智留の一番の見せ場から始まりblessing softwareの2作目の開発は順調に進んでいきます。
しかし叶巡璃√の執筆で詰まづき、紅坂朱音に「キモさ」が武器なのだと諭されその方向で執筆していきます
そして恵の誕生日にデートの約束をしますが行く途中紅坂朱音が倒れたことを知らされデートはご破算、さらに英梨々と詩羽先輩の手伝いをすることになります。
ここで恵は笑って送り出すことはせず、後味が悪い形で倫也は東京を去り大阪に1か月弱移ります。
そして帰ってくると恵が待っていて告白し付き合いだして、blessing softwareに戻って英梨々と詩羽先輩を交えて開発を再開します(裏でも動いてましたが)
そして無事冬コミに間に合って完売し打ち上げでエンドロールに入ります
エンドロール後は倫也が英梨々と詩羽先輩に仕事を頼んでいる数年後に飛び大団円エンドです
WA2との一致点
僕が思う冴えカノとWA2の人物の対応としては
- 雪菜→恵
- かずさ→英梨々
- (曜子→詩羽先輩)
だと思いました
一段目は本映画と雪菜TRUEENDの大団円な終わり方を観て感じました、これは口述します
あとは主人公の近くにずっといるところですね、正妻力が高い
二段目は主人公の初恋の相手というところでしょうか、非常に立ち位置が似たキャラクターだと思っています
特にcodaにおけるかずさと似ていて、両想いで、こじれてて、主人公もヒロインも想いを引きずっていて、主人公に後ろめたいことがあって、何より恵(雪菜)のことを親友だと思っているんですよね
そして映画には出ていないですが原作で「冴えない彼女の育てかた」の英梨々√を執筆する巻(9巻)があるのですが、そこではかずさTRUEENDと似たような展開が繰り広げられています
夢を追う英梨々に倫也がついていって、恵との友情は壊れたけど修復ができそうというものです
映画に出ていないという点は後述します
三段目はこの発想の出発点の「詩羽先輩って英梨々の保護者みたいだな」という感想が発端です
詩羽先輩√に行くには先輩は強すぎたし倫也の視線には憧憬が強すぎましたね
丸戸氏も言っていたように[2]始まった時には終わっていました
シナリオ上の一致点は他のヒロインへの愛を違うヒロインに歌わせるところでしょうか
「届かない恋」と「cherry blessing〜巡る恵みの物語〜」にはこの意味では違いはないでしょう
それと今回のブログタイトルにもあり上で後述するといった「大団円」です
映画も雪菜TRUEENDも「何の憂いもないハッピーエンド」です[3]
それを為せるのは行動力のある倫也であり春希、そして恵であり雪菜なんです
最終的にメインヒロインによって主人公とその周りが救済されるという構図ですね[4]
このことによってWA2のテーマの一つであろう「幸せの向こう側」には幸福があるということにつながります
WA2との違い
そもそも違う作品なのでたとえ抽象化してもこれは本当に色々あります
例えばWA2は「社会」が前面に押し出されますが冴えカノはそんなことはありません
一番社会に向き合っただろう倫也のマルズとの交渉のシーンは映画でも原作でもカットされています
あとはコミケに参加したりするくらいで話が主人公とその周りでとじています[5]
他にはドロドロとした人間関係はなかったりと、人によってはこれぞWA(2)というような要素がありません
ここでは一番大きな違い、乃ち√が一つしかないことについて見てみます
後述するといった原作と映画の違いについてです
アニメは2期までやって大体7巻まで終わりました
冴えカノは全13巻なので後倍近く残っていたんですね
当然削っていくのですが削られる対象は主に「冴えない彼女の育てかた」の恵√以外の√でした
僕はどうやってまとめるのかなと思って劇場に行ったのですがその尺の取り方に非常に感動しました
映画はほとんどが12巻と13巻の内容で「冴えない彼女の育てかた」としてのエッセンスを詰めに詰め込んだものになっていると感じたからです
√を一つに絞ることで冴えカノのテーマ性[6]が強調されるようになっていました
乃ち大団円の向こう側には幸せがあるということです
余談
これはWA2には全く関係ありませんが冴えカノ映画の好きなポイントを2つ話します
まず本編で述べられているように英梨々と詩羽先輩が選ばれなかった理由は「特別」すぎた、と端的に言うことが可能ですが、実は恵が自分から「特別」すぎないようにしようとしていると読み取れる描写があるんですよね
それは誕生日デートの待ち合わせのシーンで空から降ってきた白い羽が恵のスカートにつく場面があるのですが、ここで恵はその羽を払い落としているんですよね
テンプレ的行動の一つとしてその羽を「うわぁ綺麗な羽」といって持つというパターンもあると思うのですが[7]、恵はそうはしないんですよね
僕は「空から降ってくる羽=>天使の羽」と考えそれを払い落とすというのは神聖性の付与の否定であると考えたのですが皆さんはどう思うでしょうか
あともう一つは「冴えない彼女の育てかた」がマスターアップして英梨々に詩羽先輩が「(倫也に)追いつかれない存在になりなさい」みたいなニュアンスのことを言っていました
しかしエンドロール後には倫也は2人に仕事を頼む立場(=追いついた)になっているのも「大団円(幸せの向こう側には幸せ)」をテーマにしてる冴えカノらしくて非常に良いと思いました
あとがき
駄文に付き合っていただきありがとうございました
思いを言葉にするのは大切ですが言葉にすることで、人はそのタグをつけて物事を見てしまい単純化してしまいます
なので僕が感じた言葉にすると手ですくった水のように零れてなくなってしまいそうなものは言語化していません
しかしWA2との関連についてはしゃべれたのかなと思います[8]
実際丸戸氏がどう思って書いていたのかは知りませんがこういう風に感じたやつがいると思っていただければ幸いです
それではおつかれさまでした