traP新歓ブログリレー2018 4/13担当のwhiteonion、またの名をうぃにおんと申します。
東工大へ入った新入生なら誰もが東工大の図書館、チズケに目を惹かれたことがあると思います。
その中でも破壊衝動に駆られる人は多いと思います。
そんな方へ向けたチズケ破壊論に続きまして、今日は皆さんに
私が "ナムル大聖堂" を建立した経緯をお話したいと思います。
※お絵描きの話です。
地鎮祭
ナムル大聖堂とは?
私にもあまりよくわかりません。(は?
(後述)
建設開始の契機
いかにして絵を描くことになったのか
traPの活動の一環としてチームでのゲーム制作があります。
私は現在鋭意制作中のゲームプロジェクトの一つ、「SKY HIGH FIGHT」のステージ背景を描くことになりました。
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このゲームは4人までプレイでき、
空を飛び回りライバルを撃ち落としながら生き残る、
空中戦を楽しむ対戦型アクションゲームです。
このゲームのための背景の一つとして「スチームパンク」「機械の城」がテーマの背景を描くことになりました。
地盤調査
"スチームパンク"とは?
蒸気機関が広く使われている設定で、イギリスのヴィクトリア朝やエドワード朝の雰囲気がベースとなっている世界観である。イギリス以外の国も概ねそれと重なる時代、アメリカでいえば西部開拓時代、日本でいえば明治時代~大正時代頃の近代化を推し進める文明開化から大正ロマンの雰囲気が代表的世界観である。
そのような世界観の中にSFやファンタジーの要素を組み込む。ヴィクトリア朝の人々が思い描いていたであろうレトロフューチャーな時代錯誤的テクノロジーまたは未来的技術革新を登場させ、同時にヴィクトリア朝のファッション、文化、建築スタイル、芸術を描く。
一言で言えば蒸気機関とSFを組み合わせたものであり、SFのサブジャンルの一つです。
例えば最近のアニメでスチームパンクに分類されうるものとしては、
- プリンセス・プリンシパル
- 甲鉄城のカバネリ
- ラストエグザイル
などがあげられます。
更に今年の4月19日に公開されたアニメ映画、
「さよならの朝に約束の花をかざろう」もスチームパンクに分類されると言われています。
土台
大体のイメージを作る
さて、これから絵について考えていきます。
今回の絵を描くうえでまず考えなくてはならないことは、
派手で目を惹くものであってはいけません。
「ゲームのステージ背景」なので、
プレイヤーがゲームに熱中しやすく、無意識のうちに世界観に入り込めるような絵です。
あくまでゲームのメイン部分ではなく、プレイヤーが楽しむための補佐としての絵です。
これは頭の片隅に置いておき、さてどんな絵を描けばいいのでしょう。
絵の描き始めにも色々なアプローチがありますが、
ゲームの世界観を絵にするためには自分がゲームに入り込む必要があります。
魂を移動させてバトル中のキャラクター達を観戦する神の視点に移してみましょう。
「どうしたら空中で戦ってる感が出るか」
を考えます。
私が出した案は、バトル中の場面を
-案1: 少し上から見て地面が遠く、うっすら見える絵
-案2: 真横から見て画面真ん中で地平線が別れ、上にも下にも雲がある絵
-案3: 少し下から見て高くそびえるものを見上げる絵
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今回私が選んだのは案3の見上げる絵です。
(因みに案2は既に別の機会に描いて実装してもらっています)
もう少し踏み込むと、今回は
テーマは「スチームパンク」「機械の城」とのことでした。
と、城という接地している建物がテーマとなっています。
やはり接地している部分を絵に切り出してしまうと、
このゲームのあるべき雰囲気である空中感が失われてしまいます。
という訳で近くで城を見上げて、空中感と建物の存在感を共存させようとした訳です。
着工
絵を描き始める
まずはパースを設定したいと思います。
という訳で近くで城を見上げて、空中感と建物の存在感を共存させようとした訳です。
近くで見上げる、ということは
パースは三点透視図法となります。
クリスタのパース定規を使ったことがほとんどないので、
慣れない手つきでそれっぽくパースを設定します。
(第三消失点はもっと遠く離れてるべきだったかも)
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クリスタのパースの設定の仕方はこちらを参考にしました。
次に、描く対象を決めなければなりません。
テーマは「スチームパンク」「機械の城」とのことでした。
という訳で城を描くのですが、参考文献を探そうと「機械の城」で画像検索をかけても、
少しコアな内容なためにあまりヒットしません。
だからといって0から城の建築デザインを考えるのは非効率であり非常に難しいことでもあります。
となると残された策は
既存の城を参考にして機械要素のアレンジを加えるという策です。
正直私は城の知識が深いわけではない上に、そこまで拘りがあるわけでもないので、
聞いたことのある程度でかっこいい(小並感)と思っている、
ドイツの"ノイシュヴァンシュタイン城"にササっと決めました。
眠れる森の美女の城のモチーフになったと言われている城です。
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シャーペンでルーズリーフにラフを描きました。
パースをクリスタで作ったのになんでアナログでラフしてんねん!w
と思うかもしれませんが、大人の都合です。
モチーフはどこから見たら迫力があるかな、とか
どう改変したら面白いかなとか考えてました。
実際色々改変していますが、奥に見える高い塔は勝手に生やしました。
"スチームパンク"で画像検索をすると、必ずと言っていい程歯車とパイプ、時計が出てきます。
逆に言えばこれらを入れることで簡単にスチームパンクらしさを表現できるということです。
遠慮なく盛り込んでいきましょう。
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次にラフから線画を起こしました。
背景を描く上で線画という手順が必要なのかということなのですが、
色々な絵を見ても人によってまちまちです。
この絵を描いているときは線画賛成派だったのですが、
今は線画反対派だったりします。
後の塗りでバケツできっちりやりたいとか、細かいとこまでしっかりと描き込みたいという方は線画をするのが良いかもしれませんが、
私が今回線画をやってみたところ、かなり時間がかかってしまった上に色トレス等の作業も増えるので線画はない方がいいなぁという感想を抱きました。
かなり個人差があると思うので、背景を描く時はどちらも試してみるといいと思います。
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特に途中で記録を取っていた訳でもなく、
80枚ほどのレイヤー一枚一枚を解剖するのも面倒なので、
塗りに関しては適当にレイヤーをぽちぽち有効にしたgifとクソダサ文字でお茶を濁させて貰います。
因みに断じてこの順番で描いているわけではありません。
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竣工検査
最終チェック
絵が完成しました!
しかし、これでは絵を私が描いただけです。
ゲームのプレイヤーは背景を見てプレイしませんよね?
ゲームの背景として完成させるためには、
実際にプレイして、背景の明暗の関係でキャラが見にくくないか確かめる必要があります。
どんなに細かく、どんなに綺麗な背景でもプレイを邪魔するようではいいものとは呼べません。
という訳でトーンカーブを用いて最後の色調補正をします。
場所による明暗のムラがかなり少なくなり、よりプレイに集中しやすい絵になりました!
これにて建築終了です!
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今回のオチ
ナムル大聖堂とは?
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以上となります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
Sky High Fightの完成と明日のRondaiさんの記事、どちらもお楽しみにしてください。