2020年4月
ようやく始まった大学生活は、想像とまったく違っていました。

新型コロナウイルスの流行。入学式・バスゼミ・花道,あらゆる催しものは中止となるかオンラインに置き換えられ、2020年度の新入生は自宅で過ごす日々が続きました。
サークルには入っておきたいけど、しばらくは活動できそうもない。オンラインで活動できるサークルを探して、私が見つけたのが「デジタル創作同好会traP」でした。
私の活動
手続きをして驚かされたことがあります。環境・社会理工学院の学生がいないのです。

上記のブログにあるように、現在でも環社の学生は約5%しかいません。より小規模だった2020年は環社所属が私+数名という状況でした。
学院/系ですでに集まりができているのでは…と思っていましたが、それは杞憂で、様々なイベントを通してコミュニティの一員になれたかなと思います。もちろん、これから入ってくる環社や生命、医科歯科の皆さんも、どうか心配なさらず。
私 @dan_dan は2026年3月にtraPを引退しました。これまでの活動の中で印象的なものを紹介します。
協力する - ハッカソン
traPでは年に2回、春と冬に数名のチームを組んでハッカソンが開催されます。ゲームを作ることが多いですが、近年はwebアプリケーションやプログラミング言語,映像作品を作る班もあります。traPの中で最も盛り上がるイベントの一つです。
「AR年賀状」企業協賛で有名な絵師の方から色紙を頂きました。

「I C Universe」映像で参戦し,最優秀賞を得ました

「いかしかめちゃ」

春のハッカソンは新入部員に制作の楽しさに出会ってもらうという役割があります.本当に右も左もわからなくても気軽に参加できて,作品にかかわれた!という自信がつくイベントです.私がメンターとしてかかわったときの後輩は,そのあとも活動を続けてくれています.嬉しい限りです.
支える - 役員

庶務を務めました.講義室や物品の借用をはじめ,大学側・顧問の先生とのやりとりを担当します.ちょうど新棟の完成に伴って部室があてがわれ,また学内での活動も緩和された時期だったため,普段の活動や集会をオンサイトに少しずつ戻していくための調整をしていました.現在まで続く活発さの基盤になったかなと思います.
伝える - LT・ブログ・講習会
一つ上の先輩ほどではないですが,ショートプレゼン会「らん☆ぷろ」でいろんなテーマで話したり,講習会を開いたりしました.自分でわかっているつもりのことも,誰かに話すために整理すると,あれ?と思うこともしばしば.あわせて塾講師も5年以上やっていて,その難しさと意義を感じながらのアルバイトでした.
本稿も含め,いくらかブログの執筆もしていました.


実物をつくる - 同人誌
traPは技術に関するトピックをオムニバス形式でまとめた「(SysAd) TechBook」や,イラストの画集,自作曲を収録したCDを数か月ごとに発行しています.
私はTechBookやCDの表紙のデザイン,XFD動画の作成を行いました.


装丁を担当する過程で,自らの好きな事を本にして発信するって面白そう!と思い,個人の活動でもコミケに3回出展(評論・旅行ジャンル).同好の志とコミュニケーションをとり,書いた本を直接買ってくれるのはとても楽しいことです.何より,自分がデザインしたものが誰かの手元に実物として残っていくのは感慨深いものです.

できたこと
- 映像 …… もともと高校でV-logのようなものを作っていたので,その延長でモーショングラフィックスを見て,ハッカソン等で制作をしました.
- デザイン …… 強い同期を知り,講習会を受けていくらかの知識を得ました.「traP1design」に参加したり,複数のプロジェクトやハッカソンでグラフィック分野を担当したり,画集の表紙を制作しました.

- 謎解き …… やるのが好きな人,作っている人に刺激を受けて,最後の合宿で街歩き型の謎解き企画を行いました.

あまりできなかったこと
- アルゴリズム …… XとtraQ(部内SNS)を見ていると,AtCoderというのが流行っていることがわかりました.ちょうど情報基礎を受けていたのでやってみました.緑までいきましたが,適性をあまり感じなかったので現在は停止中.
- CTF …… OSINTに興味があり,CPCTFで作問をしたこともあります.
- イラスト …… いくつかの画集に作品を寄せていますが,他のメンバーほど本気でやっていたかというと微妙です.
やったこと,できたことはたくさんあります.一方で,できなかったことも多くあります.しかし,traPにいなければ,始めようともしなかったでしょう.
ここには,何でもコードが書ける人・赤コーダー・神絵師……とにかくいろんな人がいて,アイデアが転がっていて,誰かの成果が誰かの創作を刺激しています.だから,私は新しいことを始めることができました.
traPへ入る皆さんへ
あるいは,入ろうか考えている皆さんへ.2つのことをお伝えします.
traPにいても,何でもはできるようになりません.
ああ、ブラウザバックしないで.これは部分否定の文です.
traPには7つの班があります.活動内容を見て,「全部面白そう!」「全部できるの?」と思っても,実はそうでもありません.時間は限られていますし,これ苦手だな…という分野も出てきます.
いまのメンバーでも,活動分野の複数にかかわっている人はいますが,くまなく網羅している人は過去を探してもおりません.
では,traPはどういう場所なのでしょうか.


過去のLTの切り出しで恐縮ですが(大学名が古い!),ココは,曲が作れる人,デザインができる人,マネジメントをする人,アイデアがある人,…の集合体です.この「できる」というのは,正確には「興味がある」ということです.
色々な分野に興味のある人がひとつ屋根の下にいると,大きな作品がかんたんに実現します.
最たるものがプロジェクトです.「traPortation」というミニゲームは,企画するリーダーがいて,自分らがデザインをして,別の人がBGMを作って,また別の人がプログラムを書いて完成しました.

プロジェクトそのものの説明は新歓ページに任せますが,traPはサークルの予算で物品やアセットの購入を支援しています.最近では,設営やハードウェアの知識がある人を使って,オンラインを飛び出して行われる企画もあります.
あなたがゲームにBGMが欲しいなら,誰かが理想のものを作ってくれます.
あなたがイラストに納得いっていないなら,誰かが次の作品へ向けたアドバイスをくれます.
あなたが書いたコードがうまく動かないなら,誰かがチェックしてくれます.
あなたがとくにアイデアを持っていないなら,誰かが自分のプロジェクトに誘ってくれます.
その誰かは同期だけではありません.後輩と先輩と交流すれば,あなたの創作はより面白くなっていきます.また,traPには講習会や作業の内容をドキュメントに残す文化があります.過去に卒業していった人々の残したモノも参考になるでしょう.
traPは何でもできる人が集まっているのではなく,色々な分野の人が知恵と技術を出し合うことで,何でもできるコミュニティであろうとしています.
traPにいるだけでは,何もできるようになりません.
あれ?全部否定になってしまいました.
しかし大事なのはいるだけの部分です.
traPが構成員に求めるのは部費の納入のみです.一般に大学のサークルで,週n回活動,出席をとる,というのは稀です.
そして残念ながら,新入部員はたくさんいるので,イベントに参加した人,何かに顔を出してくれた人,部内SNSでよく見る人,…に声をかけることが多いです.先輩はとっても臆病なので,他人に「○○に来い!」とは言えません.
主体性を持てよ,という主張では決してありません.そのような人……具体的に作りたいものがある人は,プロジェクトを立てて仲間を集めましょう.traPのいいところは,受動でも楽しめることにあります.誰かが企画やイベントを立てています.誰かがプロジェクトのメンバーを募集しています.ぜひ,そこに乗っかってみましょう.
当然,新歓を担当するメンバーは,なるべく活動の敷居を下げるために奮闘しています.何をしたいかもわからない!なら,前期に行われる「講習会」「ハッカソン」「QSoc」等のうち,一つに参加してみましょう.何にかかわるかは運に任せてみると,こんなことができるかも!と世界が広がるはず.
いきなり参加するのが怖い?それなら交流から.部内SNS「traQ」でつぶやいてみましょう.同期や先輩にはXより長時間を使い,すべての書き込みを追っている変人がいます.個人の「times」は投稿内容に制限がありません.
traPのメンバーは色々な分野で活動をしています.しかし,自分の活動の度合いや進捗に関して,誰かと比べる必要もまったくありません.また,飽きたら離れてもいいのです.
サークルに入る目的は,長い長い大学生活をちょっと面白くすることです.好きな範囲でこのコミュニティを活用してください.
ほんの少しの勇気をもらいます.
あなたが模試の判定を見比べながら,この大学の門をたたいたように.
あなたが健康診断の後まっすぐ帰らずに,花道に寄ってみたように.
2026年4月
ようやく始まった大学生活を,想像とまったく違うものにしてみませんか.
