この記事はアドベントカレンダー2024 21日目の記事です。
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はじめに
みなさんこんにちは。23Bのmadaraです。traPでは主にgraphics班で活動しており、同班の班長も務めています。
この記事では、私がイラストを描き始めてからの8ヶ月間で経験してきたことを紹介していきます。実際にイラストを制作する方法についてはあまり触れていないのでご注意ください。
イラストを描き始めたきっかけ
みなさんは創作活動をいつから始めましたか?
私が大学に入学する以前に行っていた創作活動は折り紙だけで、ゲーム制作やイラスト制作を始めたのは大学入学後でした。
大学入学後1年間はゲームプログラマとしてtraPで活動しようと思い、タイピングすらままならない状態から少しずつプログラミングの勉強をしていきました。その1年間でサークル内ハッカソンに2回参加し、プログラマとしてゲーム制作をしていましたが、1年経過して私の中に残ったのは『これじゃない感』でした。そして、このままプログラマとしてゲーム制作を続けていくことに対する迷いが生じ始めました。
そこで、B2になったタイミングで心機一転、グラフィッカーとしてゲーム制作に携わることに挑戦しようと思い、イラスト制作の世界に足を踏み入れました。
最初の1ヶ月(4〜5月)
最初の1ヶ月間は今思い返しても大変な期間でした。イラストを描こうと思っても、最初は何をすればいいかなんて何も知らなかったからです。ゲームのようにチュートリアルが勝手に始まるわけでもありません。
そこで、私は最初に
- 人物の描き方
- イラスト初心者
などの内容をYouTubeで調べて勉強しようと考えました。
しかしながら、最初からイラスト制作に対する興味が大きかったわけではないので、すぐに飽きてしまいました。ただ、何もしなければ絵を描けるようにはなりません。そんな中でとある友人に紹介してもらったのが『モルフォ人体デッサン』という本でした。
モルフォ人体デッサンを使い始めて
「折角紹介されたのだからとりあえず活用してみないとな」という思いで本に載っている人体の模写をし始めました。これが私にとって大ハマりしました。「似せて描く」という行為が思いのほか面白く、上手く似せることができたときにとても嬉しくなったのです。
まだ始めたばかりということもあって絵を描くことを習慣化できておらず、毎日書いていたわけではありませんでしたが、日に日に上手く描けるようになるのが感じられて楽しかったのを覚えています。
そして、モルフォを使い始めてしばらく経った後「そろそろ一枚絵を完成させよう」と思い立ち、初めての一枚絵制作に乗り出しました。
初めての一枚絵
これが、私が初めて完成させたイラストです。
まだまだ粗が目立つ絵ですが、当時は完成させることができてとても嬉しかったのを覚えています。
このようにして、私は最初の1ヶ月間でイラストを完成させる楽しさ、嬉しさを覚えました。
グラフィッカーとして春ハッカソンに参加(6月)
毎年6月の中旬になると、春ハッカソンが開催されます。昨年はプログラマとして参加しましたが、今年はグラフィッカーとしてハッカソンに参加してみることにしました。もちろん、初めての試みだったため大変だったことも多くありました。
描いたことのない物に大苦戦
それまで背景なしのキャラクターイラストのみを描いていたために人物以外を描いたことがなく、ゲーム内の素材1つを描くのにも大変苦労したことを覚えています。
一方で、描いたことのないものをたくさん描き、参考資料の使い方も覚えることができたため、大きく成長することができたように感じます。
短い時間で描くことに不慣れだった
今でも筆が早いとは到底言えませんが、当時は今以上に遅筆でした。しかしながら、traPの春ハッカソンは2日間で作品を完成させる必要があったため、素材1つにかけられる時間も相当短く、非常に大変でした。
しかしながら、しっかり集中して素材を1つずつ仕上げること、ショートカット等を上手く使って時短することの練習ができたため、これも私の成長につながったように感じます。
初めて画集に参加(7月)
traPは1年間に3回(COMITIAに2回、冬コミに1回)画集を出しています。このとき私が参加したのは2回目のCOMITIAでした。初めての一次創作で悪戦苦闘しながらも楽しんで描けたのを覚えています。
締め切りに苦しめられながらも描ききった
先輩や同期にアドバイスを貰いつつ、締め切り内でできるだけクオリティを上げられるように努めました。
陰影の入れ方に苦労しましたが、当時としてはなかなか良い作品に仕上がったと思います。
他の参加者の作品を見て落胆
一冊の画集として制作する以上、他の参加者の作品と自分の作品を比較してしまうのは必然とも言えるでしょう。完成度の差が非常に大きく感じられて、とても悔しかったのを覚えています。私の作品も下手だったとは思いませんが、他の参加者の方々がそれ以上に上手だったのです。
画集としてまとめるのにここまでクオリティの差があるのは申し訳ないと思ったのですが、今更参加取り消しをするわけにもいきません。そのため、次回以降の画集のクオリティを上げられるように努力する方向に考えをシフトさせることにしました。もっと上達して、次こそは他の作品と見劣りしないようなものを描きあげられるようにすると強く決意したのを覚えています。
地力を上げるための勉強(8〜9月)
画集での反省を踏まえて、夏休みは地力を上げる期間にしようと思いました。夏休みに私がやっていたのは以下のようなことです。
- 『モルフォ人体デッサン』を用いた人体の練習
- 『カラーアンドライト』を用いた塗りの練習
この他にも、絵を描くことの習慣化もこの時期に行いました。
『モルフォ人体デッサン』を用いた人体の練習
イラストを描き始めた当初から使っていた本ですが、夏休みで空いた時間を使って大量に模写して人体を覚えようとしました。ボールペンを用いて描き直せないように模写することによって、ひとつひとつの部位を集中して観察し、比率を考えられるように訓練しました。
『カラーアンドライト』を用いた塗りの練習
友人と映画を見に行った帰りに立ち寄った書店で購入した本で、今でもモルフォと同様にお世話になっている本です。
紹介されている事柄について自分で描いて覚えたり、好きなイラストレーターさんや先輩の描いた作品を見て、どこにどのような表現がなされているのかということを観察したりすることによって勉強しました。
やってみた感想
この期間に勉強を頑張ったことによって、大学が再開してから今までの期間でより一層上達することができたように感じます。一方で、この期間は練習をするのがほとんどで作品をあまり仕上げられなかったのは反省するべき点でした。上達には練習だけではなく実践も重要なので、練習と実践のより良いバランスを見極められるようになりたいと思いました。
班長に就任(10月)
この月に開催されたメンバー集会で前班長からの発表があり、私が正式に新班長になることが決定しました。仕事に対する不安はあまりありませんでしたが、graphics班の顔としての自分の画力には不安がありました。絵が下手な班長では、班員が信頼してくれないのではないかと危惧したからです。そのため、これを機に気合を入れ直して絵に向き合うことにしました。
2回目の画集に参加(11月)
2回目に参加した画集は、12月29日と30日に東京ビッグサイトで開催されるC105でtraPが頒布するtraP Graphics Collection vol.4でした。traPの出展情報の詳細はこちらの記事をご覧ください。
前回の画集からの成長を実感
夏休みの期間で行った練習の成果もあり、前回の画集と比べて成長を実感できるような作品を仕上げられました。
版権イラストなので似せるのに苦労しましたが、きちんと締め切り期限内で完成させられて良かったです。
いつも以上に楽しんで描けた
普段あまりやらない夕暮れ時のライティングに挑戦してみて、色選びに多少苦戦したものの非常に楽しんで描けました。新しいことに挑戦することがとても楽しかった上に、今回の作品でもまた一歩成長することができたように感じれたためとても嬉しかったです。
プロジェクトの素材制作(12月)
実は7月にゲームのプロジェクトに所属していたのですが、その素材制作がいよいよ本格的に始まりました。今回のプロジェクトではキャラクターデザインとモンスターデザインに加えてグラフィッカー全体の進捗管理等を担当しています。
先輩に自分のキャラデザを添削していただけた
プロジェクトを企画した先輩にキャラデザの添削をしてもらうことができました。自分の絵に足りない部分やより良くする方法に気づくことができて非常に良かったです。
資料の重要性を再認識した
自分で最初からキャラクターを作っていくため、いつものイラスト以上に資料の重要性を実感しました。自分がある物に対して漠然と抱いているイメージと実際の構造や形態は往々にして全く異なるものですが、そのズレを根気よく修正していくことが大切だと感じました。
おわりに
8ヶ月間イラストを描いてみて
これまでほとんど触れてこなかったイラスト制作という活動をここまで真剣に、そして、楽しんで行えたのは非常に良かったと感じます。最初のうちはここまでハマるとは思っていませんでしたが、今では一緒に描く仲間もできて、毎日楽しんで絵を描いています。あのタイミングで絵を描き始めて本当に良かったと思っています。
これからについて
今後はプロジェクトでイラストを描くこともどんどん増えていく上に、来月開催される冬ハッカソンでもグラフィッカーとして参加する予定なので、より一層成長していけそうで非常に楽しみです。またブログを書く機会があれば、イラストについてより深く触れられるようなものにしたいです。
明日の担当
明日12/22の担当は@hayatroidさん、@hotaruさん、@ueさんの3名です。お楽しみに。