オレスタです! この企画、なんだかんだ1週間になりますね。最近upされた記事がこればっかりになってて申し訳なさを感じているのですが、ブログリレーの責任者に相談したら「個人的にはいいと思います」と言ってたので気にせず作曲の勉強をしていきましょう。
ちなみに、今回は新入生向け講習会の資料ではなく、書き下ろしです! 前回・前々回とやってきたコード進行について、もうちょっと具体的にイメージできるようにならないかな、と思い、今回はコード進行の解析というものをご紹介します。
Chapter.7 コード進行解析
7-1 コード進行解析とは?
実際の曲中で、どのようなコード進行が使われているかを調べることをコード進行解析という。人気の曲や好きな曲のコード進行解析を行うことで、実践的にコード進行の例を体得することが出来る。
7-2 コード進行解析の例
今回は「ドレミファロンド / 40mP」を元に、コード進行の構造を読み解いていく。まずは曲を紹介しておこう。
Song:ドレミファロンド
Artist:40mP feat.初音ミク
コード進行は、ChordWikiで紹介されているものを元にする。
リンク先の内容を読むにあたり、これまで説明していなかった表記があるためここで解説する。
「E♭/G」のような表記を分数コードと呼ぶ。「E♭」コードと、ベースとして「G」の音を同時に鳴らすという意味である。E♭の構成音はE♭・G・B♭であるから、転回してGを下にする、という言い方も出来る。また、「Key:E♭」は「変ホ長調」という意味であり、最後のサビでは「Key:F」、つまり「ヘ長調」と転調している。以下、具体的に見てみよう。なお、曲全体を調べるわけではなく、部分的にチェックしていく。
また、前提として変ホ長調のダイアトニックコードを以下に示しておく。
Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ | Ⅳ | Ⅴ | Ⅵ | Ⅶ |
---|---|---|---|---|---|---|
E♭ | Fm | Gm | A♭ | B♭ | Cm | Ddim |
イントロ部分
(E♭→E♭/G→A♭→B♭)×3→(A♭→B♭)
- 構成は「Ⅰ→Ⅰ→Ⅳ→Ⅴ」×3と「Ⅳ→Ⅳ→Ⅴ→Ⅴ」。
- 綺麗に主要3和音しか使ってません。なんて分かりやすい。
- この曲は聞いていて非常に安心感・安定感があると思うのですが、恐らく主要3和音ばかりを使っていることが一因にあるのかな、と思います。
- E♭/Gを挟んでいる理由ですが、ピアノの低音層を聞くと「ミ♭→ソ→ラ♭→シ♭」と徐々に上がっていくようになっています。音が上がっていくと気分も上がっていく…というのは冗談ではなく本当で、楽し気な雰囲気の演出に一役買っていると言えます。
- Aメロも大体同じ感じで語れるのでパス。
Bメロ部分
AbM7→ Gm7→ Fm7→Bb→ Eb→Bb→Bb7/D→Eb7
- 1小節ごとにスペースで区切った。
- 構成は「ⅣM7」「Ⅲm7」「Ⅱm7→Ⅴ」「Ⅰ→Ⅴ→Ⅴ7→Ⅰ7」
- 3小節目にツーファイブが確認できる。さらに直後にはⅠが来ており、Ⅴ→Ⅰのドミナント・モーションも確認できる。典型的な「ツー・ファイブ・ワン」だ。
- 悪い言い方をすればとってもベタな進行。
- 良い言い方をすれば素直で純粋な進行。この曲全体に、子供向けな、"みんなのうた"的なイメージがあり、PVも子供向けを意識しているように見えるから、この進行も「純粋さ」を狙ったモノなのかもしれない…というのは邪推だろうか。
最後のサビ部分
ヘ長調に転調した後の箇所。
Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ | Ⅳ | Ⅴ | Ⅵ | Ⅶ |
---|---|---|---|---|---|---|
F | Gm | Am | B♭ | C | Dm | Edim |
- 「F→F/A→Bb→C」×3→「Bb→C」
- この部分の構成は転調しただけでイントロやこれまでのサビと同じ。
- ラストは「Bb→C」×2→「Gm7→C→F」
- ここも「ツー・ファイブ・ワン」になっている。
まとめると
この曲は「ドミナント・モーション」や「ツーファイブ」などのこれまでに紹介したルールでほとんど説明が付く、非常にシンプルなコード進行である。曲の最後に「笑顔になれるよ」という歌詞があるが、確かにこれだけ単純なコード進行だったらDTMerもニッコリだろう。
終わりに
コード進行解析の例として、「ドレミファロンド」を紹介しました。1つ1つダイアトニックコードに当てはめていくことで、コード進行を分解していくことが出来る、ということがお分かりいただけたでしょうか。今は「ドレミファロンド コード進行」と検索するだけでコード進行の表が出てくる時代ですから、比較的自習しやすい環境が整っています。是非、自分の一番好きな曲でコード進行解析をしてみましょう!
さて、ここまで1週間日刊更新をしてまいりましたが、一旦ここで休止したいと思います。次回の目途はあんまり経っていないのですが、またいつか必ず続けたいと思っているので、終了ではなく休止、としておきます。またいつかお会いしましょう!