この記事は新歓ブログリレー2024 2日目の記事です。
23Bグラフィック班の @sohokro と申します。
はじめに
PCはもちろん持ち運びやすさとかも重要ですが、中身の性能も重要です。でも毎日持ち運ぶノートPCですから、もちろん持ち運びやすいに越したことはないでしょう。
PCの値段はピンからキリまでありますが、一般に高価なものです。そんなホイホイ買い換えるわけにもいかないでしょう。
PCはとりあえずこれを買っておけば正解!みたいなものは基本的にはないです。
ただソフトウェアによってはPCによっては動かないとか、仮に動いたとしてもPCの性能が悪すぎて動作が遅すぎて使い物にならない場合もあります。とはいえ性能の高いPCは一般に価格も高くなりますし、場合によっては持ち運びやすさがある程度犠牲になってしまいます(基本的に性能、持ち運びやすさ、価格はトレードオフです)。
では何をどの程度まで求めればいいのかという話になるのですが、これは時と場合によるとしか本当に言えないです。
今回は、traP部員(traPは2024年3月現在100%東工大生です)にアンケートを取ってみました。それも交えながらPCの性能について知ってもらって、一人でも多くの新入生の助けになれたらなと思います。
あと最終的な判断は自己責任でお願いします。
PCの台数
まず、前提条件として、PCの台数を聞いてみます。今回はサーバーは数にはいれないこととします。いやいやみんなPCは持って一人一台でしょう、と思う方もいるかもしれません。
しかし、たとえば「一般的に同じくらいの値段をかけるとノートPCよりデスクトップPCの方が高性能にできるから重い処理用にデスクトップPCを持っておきたい、でもデスクトップPCだけだと持ち運びが不便」などの理由からPCを複数台持っている人も少なからずいます(かくいう私もそうです)。
また近年では、ネットワーク環境の改善に伴い、家にあるデスクトップPCにリモートで接続する、なんてことも珍しくないです。
アンケートでは、以下のような結果が出ました。
デスクトップも含め何台PCを持っていますか
平均値: 2.16
標準偏差: 0.87
中央値: 2
最頻値: 2
回答 | 回答数 |
---|---|
4 | 2 |
3 | 3 |
2 | 10 |
1 | 4 |
そのうち、ノートPCは何台ですか
平均値: 1.47
標準偏差: 0.75
中央値: 1
最頻値: 1
回答 | 回答数 |
---|---|
3 | 2 |
2 | 6 |
1 | 10 |
0 | 1 |
デスクトップPCを普段使いしていますか
はい:13人、いいえ:6人
多くの人が2台以上と答えました。そして多くの人がデスクトップPCも持っているようです。
でもPCを複数台いきなり買うのはやはりだいぶ厳しいところがあると思います。
これをみている人はおそらく大学で使う用のノートPCを求めてみにきていると思うので、以下、最もよく使うノートPC(かその代用品として用いているデバイス)について聞いてみました。
使用用途
一応調べたので載せておきます。
メインノートPCの使用用途(すべて)
メインノートPCについて聞くと、次の通りでした。
回答 | 回答数 | 選択率 |
---|---|---|
Web | 17 | 89.47% |
デザイン | 6 | 31.58% |
大学の課題 | 19 | 100.00% |
CTF | 4 | 21.05% |
ゲーム | 6 | 31.58% |
グラフィック | 3 | 15.79% |
競技プログラミング | 9 | 47.37% |
ゲーム制作 | 3 | 15.79% |
3DCG | 3 | 15.79% |
DTM | 1 | 5.26% |
その他 | 7 | 36.84% |
一応デスクトップPCについても聞いてみると、次の通りでした。
メインデスクトップPCの使用用途(すべて)
回答 | 回答数 | 選択率 |
---|---|---|
Web | 9 | 69.23% |
デザイン | 5 | 38.46% |
動画作成 | 3 | 23.07% |
大学の課題 | 10 | 76.92% |
ゲーム | 12 | 92.31% |
ゲーム制作 | 6 | 46.15% |
競技プログラミング | 6 | 46.15% |
3DCG | 4 | 30.76% |
CTF | 2 | 15.38% |
DTM | 2 | 15.38% |
グラフィック | 4 | 30.77% |
その他 | 7 | 53.85% |
OS
工学院はWindows指定になっています。Windows/Mac指定を守らないと授業で使うソフトがWindows/Macの一方のみ対応になって詰むこともあります。
OSとはOperating Systemの略で、簡単に言うとPCの最も基本的なソフトウェアです(厳密には違うのですが、割愛します)。
PCに詳しくない人でも、Windowsや、Macという言葉は聞いたことがある人がほとんどだと思います。それのことです。
Mac搭載PCはApple一社しか選択肢がないですが、Windows搭載PCは様々な会社が作っています。
基本的にはそのOSに対応したソフトウェアでないと動かすことができません。ゲームで例えると、Nintendo SwitchにPS5のソフトは使えませんよね?そんなイメージです。
世の中の大体のソフトはWindows版とMac版の両方はあります(逆にこの2つしかないソフトも多いので、WindowsとMac以外のOSを選ぶことはおすすめしません)。とはいっても、Windows版しかないソフトウェアもあれば、Mac版しかないソフトウェアも(こっちはあまり多くはないですが)あります。
工学院でも情報理工学院でもないならば、授業で使うソフトは大体WindowsとMacの両方対応のはずですが、それはあくまで授業で使うソフトだけの話です。多くのゲームもそうですし、MikuMikuDanceやAviUtlのような創作活動で使いうるようなソフトの一部は、Windowsにしか対応してないです。ちなみにゲームしたいのならばWindows一択です。Mac非対応のゲームは非常に多いです。
逆にMac専用のソフトとしてFinal Cut ProとかTitech App等が挙げられます。これらを使いたいならばMacにするしかありません。
MacやLinuxはWindowsと違ってUnixというOSを元に作られたOS(Unix系OS)でWindowsより開発がしやすいというメリットがあります。
以前はMacを買えば、Windowsのライセンス(2万くらいで買える)を別途入手することによって両方のOSが使えたのですが、諸事情により2020年中旬以降発売のMacではそれができなくなりました。今更それ以前のMacを買うことはおすすめしません。
traP内での回答を一応載せておくと、このようになりました。
回答 | 回答数 | 選択率 |
---|---|---|
Windows11 Pro | 2 | 10.53% |
Windows11 Home | 5 | 26.32% |
Windows10 Home | 3 | 15.79% |
その他(Windows) | 1 | 5.26% |
MacOS | 6 | 31.58% |
Linux | 2 | 10.53% |
iPadOS | 1 | 5.26% |
Windows11人、MacOS6人、その他3人となりました。やはりWindowsが多いですね。
(以下、iPadは割愛します)
CPU
CPUは中央処理装置とよばれ、PCの中で最も重要と言っても過言ではないパーツです。近年はチップ性能の向上により、書類を書いたりする程度では性能の低いCPUでも大丈夫なことも多いですが、東工大というもの、系によっては複雑な計算をしなければならないことも多いので、性能が高いに越したことはないです。
Macでは近年Apple製のチップが使われていますが、それ以外ではIntelかAMDの2強となっています。
基本的にはCore iやRyzenの後の数字が大きいほど性能が高いのですが、実際にはCPUの世代(その後の数字2桁(1桁目が1以外の場合1桁))や末尾の英字(UとかYとかPとかHとかのことです)によって性能がだいぶ左右される傾向にあります。
実際、昔のCore i7は最近のCeleronよりも性能が低いことがよくありますし、同じ世代でも末尾の英字によっては性能でCore i3 > Core i7になることもあります。
CPU性能は「CPUの型番 Passmark」などで調べると出てきます。
以下、traP内での結果です。メーカー別にソートして、同じメーカー同士ではおおよそ性能が低い方から先に並べてあります。
回答 | 回答数 |
---|---|
Intel Core i5-8265U | 1 |
Intel Core i7-1165G7 | 1 |
Intel Core i7-1260P | 2 |
Intel Core i7-12700H | 1 |
AMD Ryzen 5 3500U | 1 |
AMD Ryzen 3 4300U | 1 |
AMD Ryzen 5 5625U | 1 |
AMD Ryzen 7 5700U | 1 |
AMD Ryzen 7 5800U | 1 |
AMD Ryzen 9 6900HS | 1 |
Apple M2 | 3 |
Apple M1 Pro | 1 |
Apple M2 Pro | 1 |
メモリ(RAM)
メモリ、と聞くとハードディスクのように長期間データを保存するものだと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、PCの話の場合はよくそれのことをストレージと呼んでいて、ここで話すRAMとは別のものになります。もちろんストレージの量も重要なので後述します。
RAMは一時的にデータを蓄える装置です。ストレージと違って、こっちは電源を切るとデータが消滅してしまいます。
基本的にはその量で性能が測られます。もちろん多いに越したことはないです。厳密には周波数とかでも性能が変わってくるのですが、一般的なPCのカタログに載っていないのと、もちろん0ではないのですがメモリの量に比べてあまり性能差が出ないので、今回は無視します。
というわけでtraP内での回答はこちらです。
回答(単位:GB) | 回答数 |
---|---|
32 | 1 |
24 | 1 |
21 | 1 |
16 | 11 |
8 | 4 |
この通り、多くの人が16GB以上のメモリを使っています。正直な話をすると、2024年の今からメモリ8GBのPCを買うことはまったくおすすめできません。
ちなみに容量が上がっても基本的にはせいぜいメモリチップが数枚増える程度なのでほとんど重さには影響しません。
ちなみにデスクトップについても調べた結果、(アンケートの中では)全員が32GB以上と答えました(多くのデスクトップPCは容易にメモリを交換できるのですが、32GBのメモリの価格が昨年7000円前後まで下落していたものもあったことも要因かもしれません)。
ストレージ
PCに詳しくない方がよくメモリと間違えるものです。電子機器に詳しくない人でもスマートフォンを買うときに64GBにするか128GBにするか256GBにするかとかは考えることがある人は少なくないと思います。それのことです。
とはいえスマートフォンは128GBのものを使っているからPCも128GBで十分だ、のような判断をするとほとんどの場合足らなくなると思います。
スマートフォンに比べ体感数倍はストレージを食います。
救いなのはこれに関しては外部の装置である程度はカバーできることも多いです。ただしあくまである程度なので、最初から大容量のものを選んだ方がいいです。
回答(単位:GB) | 回答数 |
---|---|
1024 | 4 |
1000 | 1 |
512 | 6 |
500 | 2 |
460 | 1 |
256 | 2 |
240 | 1 |
やはり多くの人が500GB以上を選択していますね。240GBや256GBと回答している人は(アンケートの中では)全員デスクトップPCを普段使いしています。個人的にも256GBで日常の全ての用途を賄うのは厳しいと思います。
ちなみにデスクトップPCでは増設によって増やせるのもあり、(アンケートの中では)全員1TB以上の値を回答していました。
一応補足しておくと、ストレージには大きく分けてSSDとHDDの二種類がありますが、絶対にSSDが積んであるものにした方がいいです(厳密には他のものもあるのですが、こちらは別の理由もありなお買うことをお勧めしません)。動作速度が本当に違います。もっとも256GB以上のストレージを持つ新品を買う分には2024年現在ほとんどSSDなので、気にする必要はあまりないです。
GPU
画面を写したり、AIを動かしたりするのに使われるチップです。CPU内蔵のものと専用のパーツを用いるのに二分されています。後者の方が性能がいい代わりに非常に電気を使うため電池持ちが悪く、排熱等の影響もあり重く、値段も高くなってしまう傾向にあります。
一般的な使用用途ではCPU内蔵のもので十分とされていますが、AIを動かしたりゲームをしたりするとすぐに性能不足が露呈する傾向にあります。
専用チップの場合NVIDIAとAMDの二強となっており、他にはIntelが作っていたりします。各社様々な努力を行っていますが、AI用途ではNVIDIAのCUDAというシステムを使うことが多く、そのせいで2024年現在AI用としては実質的にNVIDIAの独占市場になっています。
traP内の人に聞いてみたところ、一人だけ NVIDIA GeForce RTX 3050 Ti Laptop GPU を使っていましたが、それ以外は全員CPU内蔵のものを使っていました。
ちなみにデスクトップPCについて聞くと、これは逆に一人を除いて全員専用のチップを使っていたということも書いておきます。
重量
毎日持ち運ぶものですから、重さも割と無視できない要素だったりします。他のスペックと異なって無回答も多かったですが、一応回答分を載せておきます。
回答(単位:kg、有効数字2桁) | 回答数 |
---|---|
1.7 | 1 |
1.6 | 1 |
1.5 | 1 |
1.4 | 4 |
1.2 | 1 |
1.0 | 3 |
0.96 | 3 |
1kg弱-1.4kgに集中してますね。
ただしPCが軽ければ絶対的な正義かというとそうではなく、少なくない軽さを売りにしているPCは冷却ファンがなかったりすることもあります。それ自体が悪いというわけではないのですが(特にApple製CPUはあまり熱くならないのであまり問題にはならないのですが)、冷却性能を犠牲にするとPCがすぐに熱くなってしまい、ある程度以上熱くならないようにするために性能を落としてしまいます。こればっかりは難しいです。
アドバイス
traP部員はさまざまな人がいて、人によってはノートPCをあまり使わずに生活している人もいますし、現時点での使用環境になんらかの不満があったり、もうすぐ買い替える予定の人も少なくないと思います。
というわけでこのアンケートをとるに当たって最後に聞いたアドバイスをのせたいと思います。
家にPCが1台もない状態で新しく1台だけPCを買いたいのであれば、Windowsをおすすめします。 LenovoやASUS等のメーカーの直接販売が安いのでおすすめですが、生協は故障時のサポートが非常に強いので頭ごなしに否定するのも実は意外と間違いだったりします。
Web開発したいならwindowsでメモリ16GBだと結構足りなくなる(WSL使ってる場合)
スペックに目が行きがちかもしれないけど、しっかりお金を出していい素材を使った筐体設計のPCを買うのも結構いいと思います
私はいい買い物だと思いました
Unity+Rider+Discord+Spotify+ブラウザでメモリ持ってかれるからメモリ16GBだと足りない
- PCのメモリは絶対16GB以上!
- 重さも重要な要素。毎日学校に持っていく人はできるだけ軽いものを選んだほうがよい。
脳死で生協や家電量販店でPC買うな
絶対にPCに詳しい人に相談しろ
何事も大事なのは中身です。
情報工学系にいくなら mac OS を選んだ方がらくですよ (自分でなんとかできる人ならなんでもいいけどそういう人はこういうのみなくてもいいからどのみちok)
メモリは多ければ多いほど良いです
Lenovo製品を買おう
但し工場が中華にある関係で注文から受け取るのに2~3週間かかったので気を付けてね
デスクトップ買ったら金なくなったけど耐えた あとラップトップだと性能・安さ・軽さがトレードオフがちと思っており、俺は前者2つを選んだがために重くなった(画面がデカかったからかも こんなデカくなくていいかも)
僕の言葉ではないですが
「自分はゲームとかしないからこれ位のPCで十分」的な考え方には自分は反対で、いい物が買えるならいい物をかったほうが良いとおもっている(用途を決めて買うのではなく、買ったものでできることをいろいろ試すほうが楽しいと個人的に思っているため)
PCは高いので、「高いから買えない」となりがちだけど「毎月〇〇円払うのと同じくらいだから何とかなるかも」と考えるのをおすすめしたい(こればっかりは懐事情によるけど……) 部室PCが高性能なので、それ触って高性能の良さを知ると高性能PCが買いたくなるかも
生協では絶対に買わない。詳しい人に聞くのがいちばん
ケチらないこと。特にノートPCはメモリの増設とかできないぞ!!
PC持ってる詳しい人間に相談しろ。
脳死生協PCはやめとけ。
なるべく同世代(最近のPC事情に明るい人)に聞け。
即決はするな。
初めて自作する場合数か月は情報収集しろ。
PCの専門店で相談しろ。
量販店で相談はやめとけ。
結論何を買えばいいの?
はじめにで書いたとおり、パソコンにはこれを買えという正解はないので、あくまで目安になります。上記のアンケート結果が示す通り、この条件を満たしてないtraP部員も普通にいます。あくまで参考程度にしてください。
このメーカーやこのお店で買わないとだめ!のような圧力は少なくともtraPにはないですし、東工大の中にあるという話も聞いたことがないので、生協PCに限らず、好きなメーカーやお店を選べばいいと思います。
3DCGやゲームをしないで、家にデスクトップパソコンがないのならば、個人的には以下のようなスペックがあれば十分だと思います。
目安 | |
---|---|
OS | Windows (又は MacOS) |
CPU | Intel Core i5-1235U以上 |
メモリ | 16GB以上 |
ストレージ | 500GB以上 |
Intel Core i5-1235Uというのは、これは私が決めたラインですが、上のCPU表だとIntel Core i7-1165G7とIntel Core i7-1260Pの丁度中間くらいに当たる性能です。Apple M1と同じくらいか少し低いくらいです。
お絵描きをしたい場合は、これに加えてペンタブやiPadを買うことを推奨しますが、別にこれに関しては後で買えばいい話なので、割愛します。ちなみにiPadは第一世代か第二世代のApple Pencilでないとお絵描きに必須とも言われる筆圧検知ができないです。第十世代のiPadにこれらで対応するのは第一世代Apple Pencilなのですが、色々な理由があってこれを買うことは推奨できないので、生協で同時購入したいならばiPad Airを買うことを推奨します。 最も、この時期はApple公式も購入でギフトカードがもらえるキャンペーンをしていますが...
3DCGやゲームをしたいのであれば、GPUなどが必要になることが多いです。別でデスクトップPCを買うのもありですし、そこは財布と相談して決めましょう。
明日の担当は @season1618 さんと @hijiki51 さんです!お楽しみに!