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2018年8月15日 | ブログ記事

【夏のブログリレー】日刊「作曲入門」Chapt.4:和音について知ろう!

4日目になりました。終戦記念日ですが、今日も変わらず作曲について学んでいきましょう。
今日は割と重要なお話で、「和音とは何か?」についてです。メジャーとかマイナーとか、セブンスとかディミニッシュとか、何のこと? というのお話を主にしていきます。コード進行については、また明日。

Chapter.4 和音について

4-1 和音とは

和音(chord)とは、複数の音を同時に鳴らして合成された音のことを指す。それが美しかろうと聞くに堪えないモノであろうと、複数音の合成であれば和音と呼ぶ。もちろん、和音が持つハーモニーは音楽において重要な機能を果たす。
和音は、基準となる音(根音ルートという)をもとにどの音階が含まれているのかで区別され、根音の音名を取って「Cメジャーコード」「Gマイナーコード」などと呼称される。

4-2 いろいろな和音

三和音

4-1-1.png

3和音:C・Cm・Cdim・Caug

四和音

4-1-2.png

4和音:C7・CM7・Cm7・C6

その他

4-1-3.png

その他和音:Csus4・Cadd9・C5

良く使うのは「メジャー・マイナー・セブンス・ディミニッシュ」の4つ。これらは覚えておこう。

4-3 和音の構成

和音を構成しているそれぞれの音は音度で呼ばれる。1-5節でも登場したが、改めて確認しておこう。

和音表

それぞれの音に音度を付けると、和音は以下の表のように整理できる。

基本的な和音(コード)

名称 表記(Cで) 第3音 第5音 第7音
メジャー C 長3度 完全5度
マイナー Cm 短3度 完全5度
セブンス C7 長3度 完全5度 短7度
ディミニッシュ(マイナー・フラットファイブ) Cdim (Cm-5) 短3度 減5度

そのほかのコード(登場頻度は多くない)

名称 表記
オーグメント Caug 長3度 増5度
サスフォー Csus4 完全4度 完全5度
サスツー Csus2 長2度 完全5度
オミット・サード(パワーコード) C5 完全5度
マイナー・メジャーセブンス CmM7 短3度 完全5度 長7度
シックスス C6 長3度 完全5度 長6度
メジャーセブンス CM7 長3度 完全5度 長7度
マイナー・セブンス Cm7 短3度 完全5度 短7度
マイナー・セブンス・フラットファイブ(ハーフ・ディミニッシュ) Cm7-5 短3度 減5度 短7度

テンションコード(1オクターブ以上離れた音程が含まれる)

名称 表記
ナインス C9 長3度 完全5度 長7度 長9度
アドナインス Cadd9 長3度 完全5度 長9度
イレブンス C11 長3度 完全5度 長7度 完全11度
サーティーンス C13 長3度 完全5度 長7度 完全13度

表記は分解するとわかりやすい?

4-4 和音の転回

例えば、CコードはC・E・Gの3和音だが、これらの音はどのような順番であろうと和音として成立する。
C・G・Eだろうと、G・C・Eだろうと、C・C・C・E・Gのように同じ音が複数あっても良い。
このように、和音を構成する音を並べ替えた形を転回形と呼んでいる。
言葉は重要ではないが、和音は並べ替えても同じことだ、というのは重要なので覚えておこう。

4-3-1.png

和音の展開.mp3

和音の転回が許されるのは"大半の音には倍音が含まれるから"と説明することができる。
倍音とは"ある音を基準として、周波数がその音のN倍になっている音のこと"を指す(Nは2以上の自然数)。ピアノで中央付近のドの音を鳴らすと、その音には1オクターブ上のド(2倍音)・2オクターブ上のドの音(4倍音)も微かに含まれている。これらの音が互いに干渉して和音を形成するため、順番が違っても良いのである。

↓ピアノで「A4」の音を鳴らした時の周波数解析(Audacityを使用)。A4の周波数は440Hzだが、一定間隔で音量が大きくなっているピークがあることが分かる。
--2

完全5度上の音の周波数は約1.5倍である(厳密には、倍)。例えば、C4の周波数は261.6Hz、G4の周波数は392.0Hzであり、261.6×1.5=392.4であるから概ね一致している。したがって、C4の3倍音(784.8Hz)とG4の2倍音(784.0Hz)はほとんど同じ高さの音になっている。これが、基音と完全5度の親和性がとても良い理由である。また、「基音と完全5度」の関係をずらすと「完全4度と完全8度」となる。完全8度は基音の1オクターブ上であるから、転回すれば完全4度と基音も相性が良い、と考えることが出来るだろう。

★練習6
(1) 以下に示す和音をDAWに打ち込んでみよう。

(2) (1)で入力した各和音にはいずれも「B」の音が含まれている。すべて、Bが一番下になるように転回してみよう。

終わりに

今日は和音についての基礎を解説しました。コレを全部覚えろ、という訳ではないので基本的にはMaj、min、dim、7くらいが分かればそれほど困らないと思います(耳コピする時なんかは知らないと困ることも多いけど)。
明日はコード進行についてお話します。和音の話が分からないとサッパリだと思うので、メジャーとマイナーくらいは覚えておきましょう!

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OrangeStar

traPのサウンド班で作曲をしています! また、個人製作で音楽ゲーム「アイシューター」を制作しています! tw→@hapdap

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