※前回の記事から続けてご覧になることをお勧めします。
昨日に続けてオレスタです。昨日から始めたこのシリーズですが、如何でしょうか…。
音についてというテーマでお届けしましたが、結構数学的な考え方が多くて分かりづらかったかもしれないとちょっと反省しています…。対数とか、理系学生じゃないと忘れるよなあ…。
今回は数式は(ほとんど)登場しませんので、ご安心を!
今回は「音楽」について、学んでいきましょう。
Chapter.2 音楽について
2-1 音楽の三要素
- リズム
- 音符・休符の長さの変化、その組み合わせ
- メロディ
- 音の高低の変化
- ハーモニー
- 音の重なり,和音やその進行
現代音楽、あるいは西洋音楽発達以前の古楽、日本の雅楽や宮廷音楽もそうだが、必ずしもこれらがないからといって音楽にならないわけでもない。あくまで西洋音楽を形作る要素がこれら三要素であるというだけである。しかし、この3つがあると音楽らしく聞こえることは間違いないだろう。また、言うまでもなくこれらの要素は互いに関連している。
2-2 音の長さ
音の長さに関する用語は、全音符を基準に決められる。
- 全音符は音の長さの基準。
- 1小節分の長さと言われることが多いが、小節の長さは音符により決まるため相互参照になってしまう。
- 2分音符は全音符の1/2の長さ。
- 4分音符は全音符の1/4の長さ。
- 8分音符は全音符の1/4の長さ。
- 以下、16分音符、32分音符、64分音符…と続く。
- 32分音符まではよく使われるが,64分よりも短い音符が使われるのは稀。
- 3連符とは,一定の長さを3つに分けた音の長さ。楽譜上では"その長さの半分の音符"を3つ並べ、┌3┐のように記述して表す。
- 例えば、4分音符1つ分の長さを3つに分けた音の長さは、楽譜(五線譜)上では8分音符3つに┌3┐を付けて書く。
- 長さは8分音符と16分音符の間となる。
- 全音符の1/12の長さであることから、12分音符と俗称されることも多い。
- 同様に、5連符や7連符なども存在するが、ほぼ登場しない。
- 例えば、4分音符1つ分の長さを3つに分けた音の長さは、楽譜(五線譜)上では8分音符3つに┌3┐を付けて書く。
- 付点n分音符はn分音符の1.5倍の長さ。"符点"ではない。
- 例えば、付点2分音符は2分音符の1.5倍。つまり4分音符3個分の長さとなる。
- DTMにおいては、付点2分音符として入力することよりも、4分音符3つ分で入力することが多いため、それほど意識する必要はないだろう。
2-3 テンポ(BPM)
-
テンポ = 音楽の速さ
-
DTMにおいては**BPM(Beats Per Minute)**という値で表される。
- 1分間に4分音符が何個入るかを表す。
- 例えばBPM120とは、1分間に4分音符が120個入ることを表す。
- 拍子に関わらず4分音符を基準に決められている。
★練習3
(1) Cを基準とする長音階をすべて4分音符で入力し、BPMを120にして再生してみよう。
(2) Cを基準とする長音階をすべて付点4分音符で入力し、BPMを180にして再生してみよう。
2-4 拍子
- 拍子とは、1拍が何分音符で、それがいくつ連なると1小節になるかを表す指標のこと。
- 1拍が4分音符で、4分音符3つで1小節となる場合「4分の3拍子」と表す。
- 多くの場合は1拍が4分音符なので、"4分の"は略される場合が多い。
- 小節中の拍には強拍と弱拍がある。
- 音の強弱という意味ではなく、リズムの始まりとなる部分を強拍、それ以外を弱拍と呼ぶ。
- とは書いたものの、大概音の強弱と一致する。
- 拍の強弱によってメリハリがつき、それが連なっていくことで音楽に一定の動きが生まれる。
- 音の強弱という意味ではなく、リズムの始まりとなる部分を強拍、それ以外を弱拍と呼ぶ。
- 算数なら「4分の3」と「8分の6」は同じだが、音楽ではこの2つの拍子は別物となる。
- 強拍・弱拍のパターンが、4分の3は3拍子規準、8分の6は6拍子規準となる傾向がある。
- 結局は作曲者が決めることなのであまり気にしなくても良いが、別物だということは覚えておこう。
拍子の種類
以下に示す強拍と弱拍は1つのパターンであり、例外も多い。
- 単純拍子: 基本となる拍子
- 2拍子: 強-弱
- 3拍子: 強-弱-弱
- 4拍子: 強-弱-中-弱
- 複合拍子: 単純拍子の掛け合わせにより生まれる拍子
- 6拍子: 強-弱-弱-中-弱-弱
- 9拍子: 強-弱-弱-中-弱-弱-中-弱-弱
- 12拍子: 強-弱-弱-中-弱-弱-中-弱-弱-中-弱-弱
- 混合拍子: 単純拍子の足し合わせにより生まれる拍子
- 5拍子: 2+3 あるいは 3+2
- 強-弱-中-弱-弱
- 強-弱-弱-中-弱
- 7拍子: 2+2+3, 2+3+2 あるいは 3+2+2
- 強-弱-中-弱-中-弱-弱
- 強-弱-中-弱-弱-中-弱
- 強-弱-弱-中-弱-中-弱
- その他、映画・ゴジラのメインテーマは2+2+2+3の9拍子となっている。
- 5拍子: 2+3 あるいは 3+2
- 変拍子: 途中で拍子が変わること。
- 混合拍子もある意味では変拍子と言える。
(余談)
私は「グルーヴコースター」という音ゲーが好きでよくやっているのですが、このゲームの"ボス曲"であるGotシリーズは、全て複雑な変拍子になっています。これらの曲の影響もあって、私は変拍子の曲がとっても好きで、やたらと変拍子の曲を書いています。慣れたらやってみようぜ、変拍子!
2-5 調
音楽において,中心となる音や支配的に使われている音の集まり(キー)等に関する一貫性を調性といい,その具体的な内容を調という。
- 長調
- 長音階で使われる音の集まりで構成され,中心となる音が音階の主音
- 短調
- 短音階で使われる音の集まりで構成され,中心となる音が音階の主音
- 無調
- 全ての音が満遍なく使われていて,中心となる音が不明瞭な状態を無調という
- 無調の例: 「ドラゴンクエストIV」より『悪の化身』
長調・短調では、その前に"日本語での音名"を付けて主音を表す。例えば中心となる音がB♭で、主にB♭から始まる長音階の構成音(B♭,C,D,E♭,F,G,A)によって音楽が作られているとき、その音楽は変ロ長調である、などという。
調は楽曲1つにつき1つとは限らない。途中で調が変化することを転調という。転調は曲の雰囲気がガラリと変わったような印象を与える。
★練習4
(1) ヘ長調の長音階をDAWに打ち込んでみよう。
(2) ニ短調の短音階をDAWに打ち込んでみよう。
※DAWに音符を入力することを"打ち込む"と言う。
2-6 ジャンル
作品の客観的分類のことをジャンルという。音楽のジャンルは実に多様である。
- 主に使用される楽器というのは分類の要因となり得る。例えば次のようなものが挙げられる。
- ロック,メタル: ギター・ベース・ドラムス・シンセサイザー…
- ジャズ: ピアノ・ドラム・ウッドベース・サクソフォーン・トランペット
- クラシック: オーケストラの弦楽器や管楽器など
- サンバ: 太鼓,ギター・アゴゴベル・クイーカなどの民族楽器
- EDM(Electric Dance Music): シンセサイザー・サンプラーなどの電子楽器
- BPMによっても変わる。
- 例えばEDMは「ダンスミュージック」。BPM80とかBPM300でダンスは踊れない。
- 正直な所ジャンルは多すぎて説明しようにも訳が分からないので、実際に聞いてみることをお勧めする。
- 好きなジャンルが1つくらいは見つかるはず。
終わりに
今回は「音楽について」というテーマでお届けしました。なんというか、中学音楽の復習みたいな感じになりましたね。このくらいの知識は、作曲をする人でなくても、知っていると教養として良いかもしれないです。損はしないはず(得するかどうか分からないけど)。
次回のテーマは「楽器について」。ギターやピアノの奏法、ドラムの構成などについてをご紹介します。はっきり言って私はギターもピアノもドラムもロクに出来ません。それでも作曲が出来るから便利な時代ですね…。とはいえ、これらの知識があると、曲の構成の見通しを立てやすくなったり、実際に売れている曲を聞いたときに”ここのアルペジオがカッコいい!”みたいな洒落た感想が言えたりといいことが多い(?)ので、ぜひ明日もご覧くださいね!