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2017年11月28日 | ブログ記事

電子遊戯協奏曲~The music of two retro games~

この記事はtraPAdventCalendar2017 11/28の記事です。
This kiji is traP Advent Calendar 2017 11/28 no kiji.

みなさんこんにちは!traPのNの字担当のNOTORINです。

本日は11月28日、クリスマスまであと一ヶ月ほどとなりました。このAdC企画も後半戦に突入したといえるでしょう。[1]
今回はクリスマスにちなんで、ゲームにちなんだ話をしたいと思います。といっても、最新のゲームに関する話ではありません。チップチューンメーカー(自称)の視点から、ファミコンとゲームボーイの音源についてお話ししたいと思います。

ファミコンとゲームボーイについて

ここで解説すると長くなるので詳しい情報はWikipediaを見てください(丸投げ)
ファミコンについて
ゲームボーイについて

ざっくりと解説すると、ファミコン(正式にはファミリーコンピュータ)は1983年発売の家庭用ゲーム機、ゲームボーイは1989年発売の携帯型ゲーム機です。どちらも任天堂が発売したゲームハードで、その後のゲームハードの方向性を決定づけた偉大なハードと言えるでしょう[2]
ちなみにNOTORINはどちらも実機で遊んだことはありません。悲しいなぁ。

以下、読みやすさを確保するためにファミコン⇒FC、ゲームボーイ⇒GBと表記します。

音源で見るGBとFCの違い

それではGBとFCの音源について見ていきましょう。まとめると下の表のようになります。

FC GB
構成 パルス波×2
三角波×1
ノイズ×1
DPCM×1
パルス波×2
波形メモリ音源×1
ノイズ×1
再生方式 モノラル ステレオ
音量 三角波は固定
それ以外は16段階
波形メモリは3段階
それ以外は16段階
拡張音源 対応 非対応

分かる人にはこれで分かると思うのですが、わからない人からしたらサッパリですね…。
ここからは、FCとGBそれぞれを構成している音の種類について、詳しく見ていきましょう。[3]

パルス波(矩形波)

滅びの呪文ではない
メインの音などに使われることが多い音です。いわゆる「ピコピコした音」はこれのことを指します。
duty比を12.5%/25%/50%/75%の4つから選ぶことができます。
「duty比ってなんだよ」とツッコミが入りそうですが、要は4種類の音色を出すことが可能、ということです。[4]
FC、GBともに同時発音数2で使用可能です。

ノイズ

ノイズです。ドラムとして使ったり、ショット音などの効果音として使われることが多い音です。
長周期ノイズと短周期ノイズの2種類があります。長周期は「ザー」という音、短周期は「ピー、ギー」といった感じの音です。
FC、GBともに同時発音数1で使用可能です。

三角波

ベースとして使われることが多い音ですが、メインメロディーになったり、タムとして使われることもあります。
音の種類が一つしかなく、さらに音量も「最大」の一つしかないなど、結構制約が多いです。
FCで同時発音数1で使用可能です。

DPCM

DPCMとは音声圧縮方式の名前です。
FCでは、DPCMを使うことによって人の声や生の楽器の音などを鳴らすことができます。いわゆるサンプリングってやつですね。
スーパーマリオブラザーズ3の軽快なティンパニーとかはこの技術を使って鳴らされています。

波形メモリ

お ま た せ
GBでは、波形メモリという技術が使われています。これは音の波形を数値化することで、複雑な波形の音を出せるようにしたものです。
サンプル数32、量子化ビット数4で多彩な音を作ることが可能です。メインメロディーやベースなど †なんでも† こなします。[5]
音量が3段階(1、1/2、1/4)しかないという制約はありますが、いろいろな音を作ることができるのは魅力的ですね。

拡張音源

ここまで波形メモリを褒め称えると、まるでFCよりもGBの方がスゴイみたいな感じがしますが、FCにも拡張音源という素晴らしい機能があります。
拡張音源を使うと音色の種類が増え、同時に鳴らせる音の数も増えます。つまり音楽が豪華になるわけです。
種類も豊富で、任天堂・ナムコ・コナミ・サン電子などのメーカーがそれぞれ独自の拡張音源を作っていたりします。


このように、FC音源とGB音源は似ているようで結構違うのです。
また、それぞれの音源に違った強みがあるといえるでしょう。

文字を読んでもわかんないや!

そんなあなたのためにそれぞれの音源で曲を作ることにしました。IMG_20160116_192301
できました。
本当は完全新曲を作りたかったのですが、時間の都合から以前作ったFC音源の曲をGB音源でリメイクする事にしました。ゆるして[5:1]

FC音源⇒コ☝
GB音源⇒コ☟
原曲は東方紺珠伝5面ボス戦曲「星条旗のピエロ」[6]

FC音源では三角波を使ったベース、GB音源では左右のパン振りや波形メモリを使ったベースなど、それぞれの特徴を意識してみました。ノイズ?知らない子ですね…
似ているようで結構違いがあるものですね。

まとめ

ついでに

ニコニコ大百科にそれぞれの音源の話が詳しく載ってますので、もっと知りたい方はそちらをご覧ください。(丸投げ)
FC音源
GB音源

おわりに

最後まで読んでいただきありがとうございました。
これをきっかけにファミコンやゲームボーイの音楽に興味を持っていただければ幸いです。
明日はmimikkuさんとkanjiさんの担当です。お楽しみに~


  1. 普通のAdCはまだ始まってないと思うんですが…。 ↩︎

  2. 任天堂ハードに囲まれて育ってきたNOTORINの個人的主観です。 ↩︎

  3. モノラルとステレオの違いは皆さんご存知かと思いますので、ここでは説明を省くことにします。 ↩︎

  4. duty比が25%の音と75%の音はほとんど同じなため、厳密に言うと3種類の音だったりします。 ↩︎

  5. ん? ↩︎ ↩︎

  6. この曲を聴くとトラウマが眠りから覚めてしまうという方もいるでしょう。かくいう私もその一人です。 ↩︎

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この記事を書いた人
NOTORIN

絵を描いたりDTMしたりプログラム書いたりゲームしたりする人になりたかった人です。 東方が好きです。誰が好きかは察してください。

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