こんにちは、10/25(水)アドベントカレンダー3日目担当のHummingです。
突然ですが、皆さんは将棋をやったことはありますか?
少し前に藤井四段が29連勝をしたことでかなり注目されました。
今回は、そんな将棋の詰将棋について書いていこうと思います。
詰将棋って?
詰将棋とは、簡単に言ってしまうと王手の連続で相手の王を詰ます(チェスで言うチェックメイト、将棋は相手の王を詰ますことで勝ちになる)一種のパズルのようなものです。
詰将棋は1手こちらが駒を動かすことで詰ますことができる一手詰みから100手を越えるものまでたくさんあります。
将棋の練習でも詰将棋は欠かせないもので、これをいかに早く正確に解けるかが実戦で大きく影響してきます。
先を読んで深く考えるので、パズルのように楽しめると思います。(ただし長すぎる詰将棋は何十分も考えて結局わからなかったりします)
盤面の読み方
将棋の説明をする上で欠かせないのが盤面の読み方です。
将棋盤の一番上と一番右側を見ると数字と漢数字が書かれてると思います。
下の画像のような場合、縦で見ると3、横で見ると五の位置に歩があります。
歩は一つ前に進むことができるので下の画像のようになります。
この時、歩は縦で見ると3、横で見ると四の位置に移動したので、この動きを「3四歩」と表します。このような駒の動きを将棋開始から最後まで記録したものを棋譜と呼びます。よく新聞で見ることがあるかもしれません。
駒の動かし方
金と王以外の駒は相手陣地の三段目よりも奥(三段目も含む)から移動するときに駒を裏返して成ることができます。駒が成ると動ける範囲が変わります。
竜は飛車が成ったもの、馬は角が成ったものです。
赤い丸は駒が動ける範囲を表しています。玉は王と同じ動きをします。
左から二番目が角が成って裏返った馬、一番右が飛車が裏返って成った竜
実戦
それでは問題を見ていきましょう
どうすれば相手を詰ますことができるのか考えながら読んでみてください!
問題1
これは一手詰めの問題で、こちらが何か一手行えば勝ちという局面です。
詰将棋は王手の連続で相手の王を攻めるものなので、この局面から王手をするとなると
2二歩と歩を一つ前に出るか金を1二、2二、3二、3一、1一のどこかに置くしかありません。2二歩、1二金、3二金、3一金、1一金のどれも置いた駒を相手の王に取られてしまい、それに続く攻めがなくダメです。
2二金と置くと、王はその金を取ることも逃げることもできないので相手の王が詰みとなり、こちらの勝ちです。
もし、王が2二の金を取れば、2三にある歩で王を取ることができます。
問題2
一手詰めの問題です。王手の連続で迫らなければなりません。
まず、銀を動かして王手しようとすると、いずれも相手の王に取られてしまいます。(そもそも一手詰めの問題なので、こちらの駒をタダで取られてしまうのは考えなくて大丈夫です。)
次に、持ち駒の金をどこかに置いて王手しましょう。
3三金、1三金と置くと、その金を王で取られてしまいます。
2一金と置くと3二王と銀を取られてしまいます。
銀は斜め後ろにも動かせるので、2三金置くのが正解です。この金を取ると銀に取られ、銀を取ると金に取られてしまい、逃げることもできないので詰みとなりこちらの勝ちです。
このように、詰将棋は考えられる手を検証していって正解を出していきます。慣れてくれば一目見た瞬間に正解が見えます。
問題3
一手詰めの問題です。色々な王手がありますが、盤上の駒を動かすのは王に取られてしまうので持ち駒の金をどこかに置くことになります。1二金と置くと、3一王と逃げられてしまいます。
せっかく香車があるので3二金としてみましょう。
こうすると、王は金を取ったら歩で取られ、歩を取ったら金で取られ、逃げようとしても金と香車があるので取られてしまいます。これは詰みなのでこちらの勝ちとなります。
問題4
一手詰めです。2二角と歩を取って王手をしても王で取られてしまいます。持ち駒の桂馬を使いましょう。桂馬を使った王手は2三桂馬しかありません。実はこれで詰みとなります。
この桂馬を歩で取ると、2二の地点が空いて角で王を取ることができます。
この桂馬の王手に対して王は逃げることができないのでこれでこちらの勝ちとなります。
問題5
一手詰めです。2三には飛車が成って裏返った竜があります。この竜を動かして王手をしても王に取られてしまうので持ち駒の金を使って王手をします。
王手の仕方は3二金と1二金の二つしかありません。1二金は香車で取られてしまいます。正解は3二金で、これを金で取ると竜で王を取ることができるので詰みとなります。
問題6
一手詰めです。駒が増えて盤面がちょっと複雑になりました。
4一には角が成って裏返った馬があります。盤面の駒を動かして王手をするのは王で取られてしまいます。持ち駒の角をどこかに置いて王手をします。
1三に置くのは歩か王で取られてしまうのでよくないです。残りは3三角か3一角の二つです。
3三角は1三王と逃げられ3一馬としても1四王で詰ますことができません。
よって3一角と置くのが正解となります。パッと見た感じ王が逃げられそうですがこれで詰んでいます。
問題7
いよいよ最後の問題です。一手詰めですが駒がたくさんあり少し難しいかもしれません。
持ち駒がないので盤面にある自分の駒を動かして王手することになります。
まず銀を動かす王手は2三銀と3三銀の二つですがいずれも桂馬で取られてしまいます。
次に飛車を動かす王手ですが、2三飛車成り、3三飛車成り(3段目の駒を動かすと駒を裏返して成ることができます。)いずれも桂馬で取られてしまいます。1二飛車成りも王で取られます。
最後に桂馬を動かす王手です。1四桂馬と3四桂馬の二つですが、1四桂馬は相手の飛車に取られてしまいます。よって3四桂馬が正解で、この桂馬は取ることができず、相手の王も動くことができないのでこれで詰みとなります。
応用問題
最後に、3手詰めと5手詰めの問題を用意したのでぜひチャレンジしてみてください。
応用1
応用2
応用3
応用1の答え
3四角→2二王→2三角成りまで三手詰め
応用2の答え
5三桂→5一王→4三桂まで3手詰め
応用3の答え
2三銀→1三王→1二銀成り→1二同香車→2三金まで5手詰め
まとめ
本来詰将棋は終盤に相手の王を詰ます技術を高めるためにあるのですが、それだと詰将棋に触れられる人が本当に少ないです。
詰将棋をパズルのように楽しんでたくさんの人に将棋の楽しさや深さを伝えることができればと思いこの記事を書きました。
将棋は大人から子供まで年齢に関係なく遊ぶことができるのでこれを機に将棋を始めてみるのもいいかもしれませんね。
この記事を読んでいただきありがとうございました。
明日はKato_Kaoruの記事です。お楽しみに!