この記事は、新歓ブログリレー2023 35日目の記事です。
突然だが以下の画像のAとB、どちらがドイツの風景だろうか?
少し考えてみてほしい。
答えを頭の中に思い浮かべただろうか?
聡明なみなさんならもうお分かりのことだと思う。
答えはBである。Bは、今回私がドイツ留学した際に通っていたキャンパスの風景だ。ちなみに、Aは千葉県袖ケ浦市に位置する東京ドイツ村の写真である。
ヨーロッパへの長期留学の良いところは、週末やセメスター間の休みを利用し、近隣各国へ足を伸ばせることである。そこで今回は、筆者が6ヶ月の滞在の間に訪れた10カ国程度の中から、特に思い出深かった6箇所を厳選して紹介する。
なおタイトルにもあるように、順位や内容はすべて個人的な感想であることをお含みおきいただきたい。また、記事内の情報はすべて執筆当時のものであるため、最新の情報は各自で確認されたい。
第6位 ウィーン(オーストリア)
オーストリアに位置するウィーンは、ハプスブルク家の王朝やクラシック音楽などで名高い。バイオリン歴の長い筆者にとっては、ぜひ訪れておきたい都市だった。
シェーンブルン宮殿
シェーンブルン宮殿は、言わずとしれた王朝・ハプスブルク家に夏の離宮として使用されていた宮殿である。「シシィ」の名でも知られる19世紀の皇后エリザベート、そして当時の皇帝フランツ・ヨーゼフ1世は特に有名だろう。シシィが着用していたと言われるシシィ・スターも人気である。
国立歌劇場
市街中心地に位置する国立歌劇場も、ウィーンでぜひ訪れておきたい観光名所である。特にオペラファンにとっては見逃せないスポットだろう。周辺には夜のコンサートの客寄せと思しき人物がウロウロしており、ときに日本語で話しかけられた。
なおウィーンは、今回紹介する6スポットの中で最も日本人との遭遇率が高かった都市である。
モーツァルトの家
モーツァルトは生涯で引っ越しを繰り返したため、「モーツァルトの家」と呼ばれる観光スポットはいくつか存在する。ザルツブルクで生まれたモーツァルトは、ウィーンにあるこのアパートで2年半の時を過ごしたそうである。直筆楽譜の写しや机、時計などが展示されていた。
音楽の家
音楽の家は、主にクラシック音楽に関係する展示物をひとところに集めた体験型の博物館である。展示内容は極めて多彩で、指揮棒や楽譜、指揮者の体験装置、楽器の模型などボリューム満点であった。クラシック音楽に少しでも興味があれば、ぜひ訪れることをおすすめしたい。
第5位 リュブリャナ(スロベニア)
リュブリャナという名前を聞いたことのない方も多いかもしれない。リュブリャナは近隣諸国の交差路として栄える、スロベニアの首都である。三本橋やリュブリャナ城など、ユニークな建造物で知られている。
三本橋
リュブリャナで最も有名なスポットの一つが、三本橋である。三本橋とは、リュブリャナの名前の由来となったとも言われるリュブリャニツァ川にかけられている3本の橋の総称だ。同じ場所には1280年から木造の橋がかけられていたそうだが、現存しているものが出来上がったのは1842年である。
竜の橋
竜の橋もリュブリャニツァ川にかけられている、リュブリャナを象徴する橋である。三本橋のすぐ側に位置しており、この付近にはユニークな像が多い。なお近くには「肉屋の橋」もかけられているが、こちらの像はなかなか衝撃的であった。気になる方はGoogleで検索してほしい。
フランシスコ教会
フランシスコ教会は、ピンク色の壁面が象徴的な、かわいらしい教会である。正式には、「フランシスコの受胎告知教会」と呼ぶらしい。付近ではアコーディオンを演奏している地元出身らしき人物も見つけたが、建物の外観も相まって、贅沢なひとときを過ごすことができた。
第4位 ベルリン(ドイツ)
ドイツの首都・ベルリンは、ドイツ観光で外せない都市だろう。街全域に渡り、同国の歴史を感じさせる様々なスポットが点在している。ベルリンから電車で30分ほど離れたポツダムもぜひ訪れておきたい。
国会議事堂
ベルリン・ミッテ区に位置する国会議事堂は、ドイツ連邦議会の議場となっている。筆者が訪れた際はあいにく工事中であったが、威厳のある佇まいが印象的な建物であった。1933年に一度不審火によって炎上しており、現在の外観は修復後の姿だそうだ。
イーストサイドギャラリー
イーストサイドギャラリーは、およそ120名のアーティストによって壁面に絵が描かれた、ベルリンの壁の一部である。全長は1.3kmと現存するベルリンの壁の中でも最大であったが、せっかくなので端から端まで往復した。写真にある最も有名な部分のほか、「日本への迂回路」など日本へ関係するアートも数点見かけた。
ホロコースト記念碑
ベルリンの現代的な建物が立ち並ぶ街の中心地に、異様な雰囲気を放つ一角がある。「虐殺されたヨーロッパのユダヤ人のための記念碑」、通称ホロコースト記念碑は、広大な敷地に建てられた2700基を超える石碑群だ。ホロコーストの歴史を忘れまいとする人々の想いと、ドイツに潜む歴史の影を感じる深遠なスポットである。
ベルリン・フィル
クラシックファンなら誰しもが知っているオーケストラといえば、ベルリン・フィルだろう。ベルリンに本拠地を構える同オーケストラは140年を超える歴史を持っており、毎年ジルベスターコンサートと呼ばれるコンサートを歳末に開催している。同じプログラムは大晦日前数日間に渡って開催されており、筆者は1日前の12月30日に訪れた。
ポツダム
ベルリン郊外に位置するポツダムは、人口18万人の小さな都市である。かの有名なポツダム会談も、ここポツダムにあるツェツィーリエンホーフ宮殿で行われている。このほか美術館なども名高く、ベルリンの喧騒から離れた落ち着く時間を過ごせるだろう。
第3位 ベネツィア(イタリア)
ベネツィアは、「水の都」として知られるイタリア北部の都市である。卒業旅行や新婚旅行の行き先としても人気が高く、実際現地では日本人をよく見かけた。なお、筆者の訪れた3月は観光シーズンではないものの、多くの観光客で混雑していた。
水上バス
ベネツィアの主要な交通手段は、現在でも水上バスである。運河沿いには多くのボートや水上バスが往来しており、これらに乗るだけでも瀟洒な街並みを楽しめる。ちなみにチケットは2日間乗り放題で約4500円と、やや割高に感じた。
サンマルコ寺院
サンマルコ寺院は、ベネツィアで最も有名な観光スポットではなかろうか。建物内部には絢爛な金の衝立などが置かれており、交易で得た莫大な富を感じずにはいられない。なお付近のサンマルコ広場には高さ100メートルにも及ぶ鐘楼も建てられていたが、混雑していたため今回は入場を断念した。
ムラーノ島
ムラーノ島は、ベネツィアから水上バスで15分ほどに位置する小さな島である。ガラス職人の島として栄えた歴史を持ち、現在でも観光客向けに多くのガラス細工の工房が存在している。ベネツィアは観光地という性質上、どうしてもサンマルコ広場や駅前では怪しい代物が溢れかえっているのであるが、ガラス細工はムラーノ島の工房で買えば間違いないだろう。
イタリア料理
イタリアといえば、パスタやピザを始めとしたイタリアンも有名である。ここベネツィアでも、多くのピザ屋台やイタリアンレストランが軒を連ねていた。ただし私の店選びが悪かったのか、味が抜群に良いというわけではなかったというのが正直な感想である。
第2位 ドブロブニク(クロアチア)
ドブロブニクは、クロアチア南部の飛び地に位置する小さな都市である。「アドリア海の真珠」との異名も持つこの都市は、映画『魔女の宅急便』のモデルともなったそうだ。旧市街の街並みは世界遺産に登録されており、まるで中世にタイムスリップしたかのような感覚を味わえる。
城壁
ドブロブニクでは、全長2kmの城壁が住宅地を囲むように建てられている。驚くことにこの城壁の上は有料ながら一般に開放されており、ドブロブニクの市街地を一望できる。城壁の中に現存している古代の大砲や、途中にあるミンチェタ要塞も必見である。
アドリア海の夕日
ドブロブニクを訪れたら必ず見ておきたいのが、日没時に見られる夕日である。アドリア海に太陽が沈む様子は、幻想的というほかない。先程紹介した城壁の上から眺めるのもおすすめだ。
旧市街
ドブロブニクの旧市街は、世界遺産へ登録されている。石造りの道路が印象的な旧市街の街並みも、ドブロブニク観光ではぜひ見ておきたい。石の地面と相性が良いのか、現地の子供達が通りがかりの大人とサッカーを楽しんでいる様子が微笑ましかった。
街並み
ドブロブニクの家の屋根は、すべてオレンジ色で揃えられている。旧市街に限らず、ドブロブニクは街並み自体が美しい。記事の執筆時点においてはドブロブニクと日本の直行便が出ていないため、現地を訪れる際はおそらくザグレブからクロアチア航空を利用することになるだろう。飛行機からの眺めにも、ぜひ注目してみてほしい。
第1位 ブダペスト(ハンガリー)
数々の魅力的な観光地の中でも、筆者が特に気に入ったのがブダペストである。ブダペストとは、ドナウ川によってブダとペストの2つに分かたれるハンガリーの首都だ。世界一と呼び声高い夜景や、リーズナブルな値段の絶品グルメなどを楽しめる、ヨーロッパ観光で心からおすすめしたい都市である。
国会議事堂
ハンガリーの夜景は暖かみのある黄色で統一されているが、中でもひときわ象徴的なのがドナウ川沿いに位置する国会議事堂である。筆者はドナウ川のクルーズに乗船したが、ワイン片手に眺める夜景には息を呑んだ。国会議事堂は一般公開されているようなので、機会があればぜひ次は建物の中も訪れたい。
中央市場
中央市場はブダペスト市街に位置する、1897年に完成した2階建ての市場である。貴腐ワインやフォアグラといったハンガリーを象徴する食材が多く売られており、筆者は蜂の巣を購入した。訪問時点でハンガリーはユーロ圏でなかったため、とにかく物価が安いのも嬉しいポイントだろう。
グルメ
ハンガリーはヨーロッパ諸国の中では珍しく、アジアに食のルーツがあるとも言われるそうだ。日本人の食の好みと相性が良いのか、コスパ抜群のハンガリー料理を楽しめるのも同国の嬉しいポイントである。筆者は写真の鴨肉を頂いたが、本当に美味しかった。
ドナウ川の朝
もしブダペストに朝早く着いたなら、ぜひドナウ川の朝焼けをひと目見てほしい。ブダペストというと夜景が名高いが、朝の爽やかな風景も負けず劣らずのものである。観光客もまばらで空いており、快適な周遊が楽しめるだろう。
最後に
一口にヨーロッパといっても、その街並みや風景は都市によって様々に変化する。筆者はもともと世界史や世界地理があまり好きではなかったが、現地を訪れると一つ一つの事柄が見違えるように輝き出した。訪れる前に背景知識を身につけておくと、さらに楽しいヨーロッパ巡りを楽しめるだろう。
まとまった時間が取れる大学生ならではの経験である。気になる場所を見つけた方は、思い切ってぜひヨーロッパを訪れてみてはいかがだろうか。
新歓ブログリレー2023、次回の記事はでっていう(@d_etteiu8383)さんの記事です。お楽しみに。
画像出典
[1] https://amatou-papa.com/tokyo-doitsumura-discount/
[2] https://bakaciones.fandom.com/es/wiki/Long_Cat