昨日の自分「今作ってる曲まじで良すぎる。天才かもしれん」
今日の自分「ナニコレ。曲作り下手すぎか~~」
この記事は新歓ブログリレー23日目の記事です。
こんにちは、カシワデと言います。サウンド班に所属していてパソコンで音楽を作っています。
皆さん、DTMってしってますか?
DTMとはDeskTop Musicという和製英語の略で、パソコンで音楽を作ることを広く指します。パソコンで音楽を作ると言っても昨今の曲は大体パソコンを用いて作られているので、DTMというと特に"打ち込み"のニュアンスが出るような気がします。
でも、『パソコンで音楽を作る~』とか『打ち込み』って言われてもあまりピンとこない方が多いと思います。
そこで今回のブログでは、先日僕が作った曲をもとに、どのようにしてパソコンで音楽を作っていくのかの過程の紹介と反省をかいていくことでDTMの雰囲気を感じてもらいたいと思います!
似たような記事を去年も書いたのでそちらも興味があれば是非~
注意
DTMのやり方(曲作りの方法)はかなり個人差があり、ここに書かれている方法がすべてということではありません。
又僕自身も発展途上ですので記事中で間違ったことを言っている、あるいはしている可能性があります。
DTMなんもわかってないです。人類にDTMは早すぎる。
題材
traP新歓コンピに出しました、Hello New Worldという曲を題材に書きたいと思います。
動画はやめてくれ~って方は↓をどうぞ。
新歓コンピの方も是非!無料!!15曲入ってる!!すごい!!
はじまりはじまり~
新歓コンピ用の曲を作る!というところからスタートです。やっぱり『新歓』ですし、明るくて前向き、どこかに冒険しに行くような感じが良いなぁ~って思ってました。
僕はメロディが降ってこないと曲ができない人なので、メロディを何とかして召喚します。この召喚が一番の難関で、降りてこないときは全然降りて来ません。ピアノを弾いたり、お風呂入ったり、お散歩したりして普段は何とかして召喚してます。最近はピアノを適当に弾くのが多いかなぁ。
というわけで、明るいんだから多分長調が良いんだろうなぁ、何調が良いかなぁ、変ホ長調とかいいなぁ~と思いながらピアノを適当に弾いてアイデアを召喚しました。
召喚したアイデアはすぐに忘れてしまうので、いそいでメモを取ります。
じゃん!
サビのところのメロディとイントロの部分がちょっと書いてありますね。本来だったらもっと全体の構想とかを考えて書いておくべきなのですが、当時の僕は「イントロとサビのメロディできたから実質曲完成でしょ!!」と言って打ち込みに入ってしまいました。この行動のせいで後々苦しむことになってしまいます...。
イントロを作っていく
イントロを打ち込んでいきます。イントロの構想としては、
森の中を進んでいく→光が見える→光に向かって進んでいくと突然視界が晴れて...→目の前に現れる広大な圧倒的ファンタジーワールド ばばーん!
というものをイメージしてました。
スケッチにも書いている通り、出だしの音はピアノが良いと思ったのでピアノを自分で弾いて録音します。(ちなみにこの曲のピアノパートは全編自分で弾いています)
録音したらミスタッチとかタイミングをちょいと修正します。修正後がこちら。
上の方に「1 2 3 4 5 」って数字が書いてありますが、これが小節番号です。
17小節目からが「目の前に現れる広大な圧倒的ファンタジーワールド ばばーん!」のところです。
ペダルに関しては音源の都合上、全部書き換えています。
下の方にある棒グラフのようなものは、「ベロシティ」と呼ばれるもので、音の強弱を表します。棒が長いほど強く演奏され、短いほど弱く演奏されます。
ピアノだけだとちょっと寂しいので、他の楽器も足してみます。
バイオリンを足してみました。今度は下の方に折れ線グラフのような、曲線のようなものが現れましたが、これは簡単に言えば音量の時系列変化のようなものです。下の方だと音量が小さく、上の方だと音量が大きくなります。
出だしは静かな方が後のインパクトが際立ちますので、バイオリンも極小音で演奏するようにしています。
「光が見える」等の変化を演出するために、9小節目あたりからさらに楽器を足していきます。左右各々1本のギターと第二バイオリンにちょっと動いてもらいました。↓は第二バイオリンです。
ばばーん!(0:31~)
ばばーんのところが曲中で一番か二番目くらいに書いてて楽しかったところです。ここは金管でしょう!ばんばんやって欲しい。打楽器もいいですね。はじめの方に打楽器が無かった分映えます。
こういう太鼓っぽい打楽器を俗にEpic系打楽器って言います。Epic系打楽器は乱用注意です。ずっと鳴ってることほどうっとうしいことはありません...って頭ではわかってるのですがついついずっと鳴らしてしまう...。
ばばーん!のところは楽器数が多くてひとつづつスクショを張るのは視認性が良くないので、プロジェクト該当部分全部のスクショを張りたいと思います。
こんな感じです。今見るとかなりひどいですねぇー。楽器数が多いのはそうですが木管楽器適当すぎる。バスクラリネットを指定してるけど、バスクラリネットかぁって感じだ。
実際に管弦楽をちゃんと勉強してる人がみたらめっちゃ怒られそう。ごめんなさい、趣味だから許して...。
今作ってる曲はこの頃よりもだいぶまともになってるはず...。木管楽器ちゃんと生きてるし、バスクラリネットいないし、ファゴットいる。金管も控えめ。休憩する場所もちゃんとあるよ。
ばばーん!のあとは (1:22~)
一瞬落ち着いたあと段々盛り上がってサビのメロディが来ます。ここでミソなのが、サビのメロディはちょっと控えめということ。ここでさらに大きく盛り上がったサビのメロディぶち込んでもいいかな?って一瞬思ったんですが、ちょっと強奏が続きすぎて耳がつかれるかなと思ったので控えめにしました。これは正解だったなと思います。
ただ、この取り組みのせいでどこかでデカいサビを持ってくる必要が出てしまいました。困った。ここから先の展開をあまり考えていない...。(展開をかんがえてから作ろうって前回ブログでも語ったのにお前というやつは...)
不穏にする (1:57~)
ここで一気に印象を変えてしまうのもいいかなと思ったので、変えてみました。変ホ短調への転調です。この場面はこの場面で良くまとめることができたなとは思います。自分で言うのもなんですが、カッコいいです。曲全体としての統一性はイマイチなんですが。もうちょっと長くても良かったかもしれない。しっかり不穏になりきるべきだったかも。
不穏を解決 (2:20~)
解決してしまった。これが今ではかなり後悔してます。ここでの解決感があまりにも強くて、そのあとの大サビがやや冗長になってしまったんですよね。むしろ大サビを持ってくるよりは潔くここで終わらせるべきだったかもしれない~~。
構成はちゃんと作ってから作り始めような。長い曲(3分以上)なら絶対作った方がいい。迷走してしまう。
さて、この解決のところは作中で最も作るのが大変だったところです。この部分はまずピアノが一番先にできたんですが、そこにメロディが一切なかったのが原因です。
できたピアノ部分がこちら。
弾いてた時は「カッコいい~~~~天才かもしれん!」って思ってて、今聞いてもカッコいいと思うのですがここにメロディが無かったのが~。うーむといった感じ。
いつもの流れで弦楽器と木管楽器および木琴を足しました。ここまでは個人的に上手くいったと思います。(木管楽器と木琴の相性は最高です。原神OSTに教えてもらいました。)
当時このあたりを作ってるときに、メロディが無いことの重大さに気づいた記憶があります。
サウンドトラックだとメロディが無くてコードだけって曲も割とあるのですが、この曲の場合不穏な部分からの解決という性質があったので、主たるメロディーが無いってどうなんだ?って思いました。
結局この部分にふさわしいメロディは思いつかず、締め切りも迫っていたのでそれっぽいものをトランペットとホルンに演奏させるということに。厳しい。
大サビ (2:57~)
これも苦しかった!前述のとおり、解決感が強すぎて大サビを持ってくる展開の必然性が無かったと思う。
エンディング (3:35~)
この曲はエンディングをものすごく上手く書けたからこそ、ギリギリ成立できた曲な気がします。かなり自画自賛なのですがこのエンディングはめっちゃ良いと思う。
反省
展開ですね。後は要素を詰め込み過ぎた。それとmixも失敗しててミドルが薄いです。
いろいろと反省はありますが、それでも見るべきところはあって個々の部分としてはなかなか良い曲かなって思います。この反省生かしたいですね~~~。
おしまい
DTMの話を書くつもりが懺悔記になってしまったな????
反省をちゃんと毎作品でやることで、次に生かせるってのはありますしね。創作の道は長そうです。
そしてこれらの反省点、すべて自分で気付けたわけではありません。traPのサウンド班所属の友人達からの意見をもとに気付けたのが大半です。
少し前にTwitterでバズったツイートがありましたね。
"クリエイターに最も必要なものは、自分の作品に建設的な意見をくれる友人である。そしてその友人は大事にすべきだ。"
のようなものでした。全くその通りで、言い得て妙だと思います。
traPは様々なクリエイターが集まって交流する、いわば知識の交差点的なサークルです。
創作をする方、あるいはこれからしたい方は、是非traPに入ってそのような友人を見つけ、業を磨いていって欲しいなと思います!
明日の担当者は @trasta です。