こんにちは。19Bのリキッドです。
早いもので私も大学3年生です。つまり大学にいる間だけでも2年間はDTMをしていたことになります。
そんな中で、私は昨年の秋に初めて個人でM3に出展し、10曲入りのフルアルバムを独力で制作・頒布しました。その時の経験についてはコチラの記事に詳しいのでぜひ読んで下さい。
足掛け半年に及ぶ個人制作でした。その中で様々な経験をし、また多くの課題を見出しました。
幸運なことに、来る4/25に開催されるM3-2021春にもスペースを頂き、再び新譜を制作することになりました。
これに伴い、昨年末から2月頭にかけて重い腰を上げて制作環境を見直したので、せっかくですからここいらで制作環境を一挙に公開してしまおうと思います。
ついでに、人は2年間DTMをするとどうなるのかというのを見てみることにしましょう。
大学入ったらDTM始めたいな、と考えている人の参考になればいいなと思います。
参考までに自己紹介
traPとTech-nation Recordsで曲を作ってます。
個人サークル「華力発電所」を昨年立ち上げ、ソロでもCD作ってたりします。
こういう音楽やってます。
成長過程
2019年4月あたりからぼちぼち作ってきたものを抜粋して、時系列で見ていきましょう。
残念ながら私には楽器経験も音楽的素養もなかったので、マジのド素人が2年でどんな感じになるのか参考になればいいと思います。
2019/09
Tech-nation Records 『T.workz Vol.2』より「呼応する【森】」
4月からの音源がサッと出てこなかったので、初めてコンピに参加した2019年9月の作品です。
全体的に荒削り感がありますね。ただアイデア自体はすきなので、こういうスタイルのもまたやりたいですね。特にイントロとか、今はもう作れる気がしない。
2019/12
無料のプラグインだけでDTMをする企画で作った曲ですね。
曲の善し悪しはさておき、安っぽさはうまいこと隠せてる気がしないでもないです。音作りも「呼応する【森】」に比べればだいぶ安定してる気がします。
とはいえ展開に乏しかったり、編曲が無理くりすぎたりしてますね。
2020/04
去年のテクネの新歓コンピです。この曲実は実家に帰る直前3時間で作ったっていう結構ヤバい奴なんですが、手癖で作った分だいぶお気に入りです。
空間づくりや音作りに磨きがかかっていますが、だいぶもたついた感じになってしまっていますね。このもたつき感が、ここから先当面の課題となっていきます。
同時期に作ったtraPの新歓です。ボカロ買った勢いで歌モノを作ったんですね。この曲も手癖前回なのでお気に入りなんですが、やっぱりミックスがもたついています。あと全体的に音像がボケていて、トランジェントが弱い。この辺も2020年度の課題として尾を引いてきます。
2020/06
2020年テクネのリミックスコンピです。YoujoさんのDrum'n'Bassをガッッッッッッッッッツリいじった一曲です。Damageというパーカッション音源を買ったので、それを大々的にフィーチャーしていますね。
原曲がカッコいい分編曲にはだいぶ苦労しました。ミキシングで苦しんでるのがよくわかります。
ちなみにこれをおよそ半年後の11月にやり直したものがこちらです。
だいぶ改善してる。
2020/09
3サークル合同東方アレンジコンピに投げた曲です。「聖徳伝説 ~ True Administrator」のアレンジです。
これはSSD5.5を買ったので、生ドラムの打ち込み練習で作った曲ですね。ドラムに関してはすごく気に入ってます。ただデケえ。
あとギターリフを書いたりメロディーをシンセにやらせなかったりと、いろいろ試している段階ですね。
このタイミングで、最初にコンピに曲を出してちょうど1年位です。最初の曲と聴き比べてみてください。
2020/10
はい、M3に初めて個人参加しました。詰めに詰めたのでだいぶいい感じですね。新作・リメイク織り交ぜて、できること全部やったアルバムです。
詳しくはこの記事で。
2020/12
もうだいぶ最近です。4大学合同コンピに出した曲です。
この曲はやたら評判が良かったです。サントラ的なことがやりたかったので、その点は満足です。でもま~~~~~~~~だミックスがもたついてるんだよなぁ~~~~~。
2020/03
冒頭にも載せた、最近のリリース達です。かなり改善してるのわかりますか?
ただ今度はボーカルのミキシング分からんとか、サブベースの処理が分からんとかでいろいろまた課題が出てきてますね...。
とまぁこんな感じで見てきましたが、どうでしょう。それなりに成長はしているのではないでしょうか。
しかしまだまだ実力不足の感は否めません。今でも毎度締め切りギリギリまで、あぁでもないこうでもないと引っ張りまくってしまいます。精進あるのみ!
つぎは現行の制作環境を見ていきましょう。
制作用PC
なにはともあれPCです。最初は入学祝いで買ってもらった中古のラップトップでやっていました。しかし大規模なオーケストラ音源を導入するためにSSDを持ち歩き始めた頃から、携帯性にも動作の快適性にも不満が出始め、1年生の冬にデスクトップPCを組んでしまいました。
パーツ構成は以下のとおりです。
部品 | 製品名 |
---|---|
CPU | AMD Ryzen7 3700X |
CPUクーラー | CPU付属 |
メモリ | DDR4-21300 32GB×2 |
マザーボード | ASRockX470 Master SLI |
ビデオカード | Palit GTX1660Ti |
ストレージ | SATA SSD 512GB(Windows), M.2 SSD 2TB(Library), SATA SSD 960GB(Project) |
電源 | 玄人志向 750W Gold |
ケース | Fractal Design Define XL R2 |
OS | Windows10 Pro |
自作です。総額15万円くらいだった気がします。
CPUはコスパ重視で3700Xを搭載していますが、ミキシングやレンダリングの際にはあまり速度が出ないことが多いので、若干不満はあります。不便ではないですがね。
ビデオカードもそこそこで十分なので、1660Tiです。たまにゲームやっても、特に差し支えなくプレイできます。
メモリ64GBは若干オーバースペックですが、32GBだと足りないことが多いのである意味正解でした。
ストレージはデカいのを3つです。一番大きい2TBのSSDはM.2の超速いやつです。大量の音源ライブラリが記録されています。
DTM用途にPC組みたいな、という人はコチラの記事も読んでみましょう。
DAW
PC上での音楽制作の要、DAWです。私は生まれてこの方Reaper一本です。
なんと言っても60ドルで買える手頃さがウリなのですが、だからといって他のStudi○ ○neとかL○gicなどに引けを取るわけではありません。今日日DAWごとに機能差なんてそんなに無い(実際は諸説ある)ので、お財布事情と使いやすさ、あとは見た目で選べばいいと思います。
音源
DAW上で音を鳴らすプラグインです。結局使わなくなったやつを容赦なく切り捨てました。
Hollywood Orchestra Diamond / EastWest
使ってない曲はほとんどないくらい使ってるオーケストラ音源。
管弦打楽器全部入りです。最上位のDiamond版は、楽器に接近して収録されたCloseマイクの音がウリです。
私はこれに加えて、Hollywood ChoirsのDiamond版も導入しています。
かなり自由に発音を設定できるので、そういう曲書きたいときに便利です。
Ascend / Heavyocity
変態ピアノ音源。
Concert Dがベースのピアノ音源で、実際そういうオーソドックスな音も入ってて使いやすいです。コイツの一番の特徴は、ピアノの弦をブラシやらハンマーやら紐やらで弾いた音なんかが収録されており、それらをブレンドして変態的なピアノの音を作れるところです。シネマティック系、エピック系、アンビエント系に強いと思います。
World Suite / UVI
民族楽器の総合音源です。
民族楽器を一通り揃えようとするとけっこう大変なんですけど、コレさえあれば、大抵の場合はなんとかなります。使いやすい明るめの音色です。裏を返せば若干質感が安っぽいです。まぁ使い方次第ですね。
Etherealwinds Harp 2 CE / Versilian Studio
無料のハープ。普通に使えちゃう。
SSD5.5 / Steven Slate Drums
ロックなドラム音源。カッチョイイ。
良くも悪くもロックな音。ロックじゃないジャンルで生ドラム使いたい、っていう使い方だと若干苦労するかも。特にキック。
Synthwave Drums / Beatskillz
80年代~90年代なドラムマシンの音源。
こういうドラム大好きなんですよね。最近アホほど使ってます。全体的に暖かくて太いです。特に音作りとかも必要ない、大変便利な音源です。
Damage / Heavyocity
バッキバキのパーカッションライブラリ。かっけえ。
車を破壊したりして撮った音も収録されていて、かなり気合入ってます。トレーラー音楽やインダストリアル系、エピック系の音楽に最適らしいです。あんまそういうのやらないですけど。
Drum Machine / 99sounds
フリーのドラムマシン音源。808の音が手軽に鳴らせるので、便利。
Carbon / Ujam
メタルなギターリフやフレーズがかんたんに打ち込める音源です。
リフの打ち込みがすっごく楽です。Ujam謹製の変態エフェクタも搭載されてるので、結構融通がききます。
Strum GS-2 / AAS
物理モデリングのギター音源です。
ある程度打ち込み力がないと厳しいですが、かなりリアルなギターを鳴らせます。私は打ち込み力がないので、諸々ゴニョっとして使います。物理モデリングなので、「ぼくのかんがえたさいきょうのギター」が作れます。楽しい。
Synth1 / Daichi Lab
フリーのバーチャルアナログシンセです。
アナログシンセらしい音作るんだったらもうコレで十分だと思う。欲出してSylenth1とか買うのもアリだけど。使わない曲はないくらい重宝してます。
Vacuum Pro / Air Music Technology
真空管を搭載したシンセのモデリングです。
見た目に違わぬクッソ汚い音が出ます。最高。Synth1の次くらいによく使います。
T-Force Alpha Plus / Mastrcode Music
フリーのシンセです。
トランス特化~~~って感じの華やかで太い音が簡単に作れる便利アイテムです。Padとか派手なリードを作るのが楽です。
Synthmaster 2.9
最強のバーチャルアナログシンセです。
すべてが盛り込んであり、正直使いづらい。ただ音は最高に良いし、音作りの自由度も非常に高いです。なんだかんだ言ってよく使いますね。
エフェクト類
音作りやミキシング、マスタリングなどで用いるエフェクト類をザザッとまとめます。時と場合によって使ったり使わなかったりするものも多いので、ほぼすべての曲で使うような奴だけ抜粋しています。
まずはコンプ。
CLA-2A / Waves
オプトコンプです。なんだかんだ良いです。ボーカロイドにキツめにかけるのが好きです。
CLA-76 / Waves
FETコンプです。これもなんだかんだ良い。低音楽器以外ならわりかしなんでも行けるのでは。
Mu / Pulsar
バリミューです。通すだけでも音が良くなるので、何にでも挿しちゃう。サイドチェインフィルターも付いてるのでホントなんにでも行けると思う。
MC77 / Purple Audio
これもFETコンプ。CLA-76よりもずっと最近の製品なので、5000兆倍使い勝手が良いです。でもボーカルにかけるのはあんま好きじゃないです。
Rough Rider 2 / Audio Damage
無料の激ヤバコンプです。スネアに使う。
次、コンソール。
bx_console N / Brainworx
Neve VXSのモデリングです。編曲中は全トラックに挿してます。すき。
bx_console SSL4000E / Brainworx
SSL4000 Eのモデリングです。そこまで使わんけど。
80 series / Lindell Audio
Neve 80系のモデリングです。ミキシング中は全トラックに挿してます。使うようになってから「トランジェントが死んでる」とあまり言われなくなりました。
次、ディレイ。
DDLY / iZotope
iZotopeの変態ディレイ。
次、ディストーション。
Trash 2 / iZotope
iZotopeの変態ディストーション。Convolutionも大変便利。
次、EQ。
EQ4 / Maag Audio
EQです。Air Bandの質感もさることながら、それぞれの帯域が音楽的に美味しいところを気持ちよくぶち上げてくれるので、最高。
Puigtec EQP-1A・MEQ-5 / Waves
Pultec EQのモデリングです。パッとしない音源を手早くいい感じにできるのですき。
他にもOzoneやNeutronのEQも使ってます。
次、マスタリング向けプラグイン、リミッターなど。
Ozone 9 Advanced / iZotope
iZotopeのマスタリングスイートです。マスタリングの先生です。
Bute Limiter 2 / Signum Audio
トゥルーピークリミッターです。独特の音抜け感が気持ちいいです。
L1 / Waves
今となっては化石みたいなリミッターです。軽いのでステムに挿したりします。
次、メーター類。
Metric AB / ADPTR Audio
お手本の曲とかんたんに聴き比べしたり、音量や波形やらを見られる便利アイテムです。一家に一台。
VU Meter / Waves
VUメーターです。最初にキックの音量から決めてミックスするのが定石になってるので、そのために使います。
SPAN / Voxengo
無料で視認性最高のスペクトラムアナライザです。目でミックスするというコンセプト。
次、ミキシング関係。
Neutron 3 Advanced / iZotope
iZotopeのミキシングスイート。ミキシングの先生。
次、リバーブ。
Nimbus / Exponential Audio
キレイなアルゴリズミックリバーブ。オケ楽器系に使います。
Rev Plate-140 / Arturia
プレートリバーブのモデリングです。ボーカルにかけると気持ちええんじゃ。
次、サチュレーション。
Phils Cascade / Elysia
ギラギラした感じの真空管サチュレータ。音作りするとき便利。
X-Saturator / SSL Native
SSL謹製のサチュレータ。アナログコンソールに突っ込んだパツパツ感がいいですね。
Tape / Softube
Softubeのオープンリールシミュレータです。マスターにはもちろん、ステムに掛けても良いぞ。
最後はボーカル処理系。
Vocal Rider / Waves
ボーカルの音量を手作業で整える作業を代わりにやってくれる人です。
おわりに
参考になりましたか?せっかくの大学生活ですので、新しいこと始めてみませんか。DTMやってみたいな~というアナタはぜひtraPへ!
明日は@sztwの記事が出ます。お楽しみに!