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2020年9月5日 | ブログ記事

「音割れX-File」で学ぶ!色んなディストーション【夏のブログリレー5日目】

本記事は、traP夏のブログリレー2020・5日目の記事です。

突然ですが

こちらの動画をご覧ください。

サムネイルを見ただけで「知ってるぞ」と思った方も多いでしょう。有名海外ドラマ「X-Files」のテーマソングです。
「X-Files」は、超常現象やオカルトを主軸に展開されるSFサスペンスドラマです。アメリカでは今なお高い人気を誇り、2018年にはシーズン11が放送されたようです。
さて、この「X-Files」のテーマソングですが、日本では全く違った使われ方で今なお高い人気を誇っています。こちらをご覧ください。

このように、爆音の「X-Files」テーマソングを使った動画が、「Illuminati confirmed」という海外ミームや、ニコニコで人気の「ジャガーマンシリーズ」となどでちょくちょく見かけられます。なお、上の動画は「ジャガーマンシリーズ」というよりは「デンターくん」シリーズです。何が面白いの。
で、こういった音がバリバリ言ってる状態のことを「音割れ」と呼ぶ事自体は、割と多くの方が知っていることと思います。ここまで過度に音割れしていると、聴いて気分のいいものではありませんね。というか耳にいいものではありませんね。
しかし音楽の世界では、音割れを効果的に使うことで面白い音を作ることが頻繁に行われます。このような場合には、同じ音割れでも「ディストーション(distortion、歪み)」と呼ぶことが多いです。また、より軽度で音色の美しさを保ちつつ若干の歪みや倍音を与える場合には「サチュレーション(saturation、飽和)」とも呼ばれます。たぶん。
長々話してきましたが細けえこたぁいいんだよ。本日のテーマはこのディストーションとかサチュレーションとかその辺です。DTMやその他音楽制作に使われる歪み系のエフェクターはごまんとあり、そのどれもが特有の歪み方をします。本記事では、様々なディストーションを「X-Files」のテーマ曲にぶっかけて、その違いを体感していこうと思います。

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使用する音源

さすがに元の音源を拝借するのは権利的にアレだと思うので、冒頭部分だけを耳コピしたものを用意しました。今回はコレをエフェクターにぶち込んでいきます。

「原曲と音が違う」、「雰囲気が違う」など不満や文句は有るかと思いますが、どうせバリバリに歪ませるのでどうでもいいですね。ね?

比較方法

先程の音源のトラックに、各エフェクターを挿します。
ノブの少ないものは、出来る限り突っ込んでバリバリに歪ませます。
ノブの多いものや、マルチエフェクターチックなものは、プリセットから厳選して突っ込みます。このとき適宜InputやDriveを上げ下げすることがあります。
最後に音量をなるべく揃えて書き出します。とはいえこんだけ歪ませちゃうと、ピーク値もラウドネス値も全く当てにならないので、常に音量注意でお願いします
参考までに、無料プラグインには星印を付けておきます。気になった方はggってDLして突っ込んでみましょう。

音量注意音量注意音量注意音量注意音量注意音量注意

ディストーション系

単純に(?)音をバリバリっとさせる奴らです。

Berzerk Distortion / Waves

音屋には言わずとしれたWavesの、割と新しめのエフェクターです。色んな種類のディストーションが搭載されており、操作はほぼワンノブで完結するという簡単お手軽な便利プラグインです。
去年のブラックフライデーにタダでバラ撒いてたので貰っておいたのですが、そこそこ役立ちます。わざわざ金だして買う価値は...ナオキです。
ともかくコイツは色んなディストーションを簡単に作れるので、まずはコイツでディストーションの世界をザッと眺めてみましょう。

右上のCHARACTERを設定すると、真ん中の黄色いグラフの形状が変化します。実はよくわかってないんですが、たぶんこの黄色いグラフは周波数グラフと大体同じで、こういう特性で音を飽和させていきますよ、という意味なんだと思います。違ったらゴメン。

BUZZED

「ブンブン言う」という意味。その名の通り、ブゥーンという歪みが生まれています。ドンシャリ的なバリバリ感ある。

TRIPPY

「奇妙な」という意味。低めの帯域に圧を感じる。というか真ん中の帯域がゴッソリ抜けてる感じかもしれない。

DIZZY

「めまいを催す」の意。かまぼこ。

FRENZY

「乱心」。すごく耳に悪そうなディストーションだにぇ。

SQUASHED

「押しつぶされた」音らしい。Buzzとほぼ同じでは?でもちょっとこっちのほうが汚いかも。波形もちょっと汚い。

FREAKY

「風変わり」な音らしい。なんかすっごいシャバシャバしてる。

CLIPPED

いわゆるクリッピング的な音をイメージしてるんだと思う。リミッターとか突っ込むよりもガッツリ歪んでるが、なんとなくそれっぽい気がする。

LOONY

「キチガイ」。確かに形状がアホみたいになってる。凄くカッコいい。

FUZZED

「毛羽立った」。ワシャー!って感じの歪み方が、フサフサした感じ(?)

CRUSHED

「壊れた」。ぶっ壊れたスピーカーとかのバリバリ感ある。

Trash 2 / iZotope

こちらは最近ブイブイいわせてるメーカー・iZotopeの変態ディストーションです。Berzerkでは、歪みの形状を選ぶことで色んなディストーションを作っていましたが、Trashならその歪みの形状から作ることが出来ます。さらにマルチバンドプロセッサとしても利用でき、4つのバンドそれぞれに別々の歪みを書けることも可能です。とにかくなんでも出来る。プリセットが豊富なので、選ぶだけでも相当使える。
コイツだけで記事一本書けるくらいには何でも出来るので、プリセットから選んで聴いていくことにします。

記事執筆時(2020/9/5)、Plugin Boutiqueで買い物をすると無料でもらえるらしいです!

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Distort

ド直球やりすぎディストーション

Driver

比較的マイルドな歪み

Faulty

ぶっ壊れ系

Fuzz

飛び道具っぽい

Heavy

原型なくなる系

Retro

レトロサウンド...?

Saturation

FuzzPlus3 * / AudioDamage

無料のワンノブ系ディストーション。高域がジャリジャリする。

Camel Crusher * / Camel Audio

Appleに買収されたメーカーです。昔のプラグインをタダで配っています。
プリセットにもよりますが、FuzzPlusに比べると太い音になる印象。

Wave Destroyer * / GMH Audio

なんで持ってるのか分からないんですが、いつの間にかDLしていた無料のディストーションです。ちょっとしたサチュレーションからバリバリのディストーションまでイケるみたい。

IVGI2 * / Klanghelm

見た目がカッコいい。幅広い歪み具合ですが、全体的にウォームな印象。本来はサチュレータなのかも。ASYMを回すと、波形が上下非対称になったり、TRIMツマミが付いてたりなんか気が利くヤツ。案外使えるのかも。

V-Dist * / Violin Melody

見た目がヤバい。ってかケバい。ノブを回すと音がデカくなるタイプなのでFuzzPlus 3と同じ系統だと思われる。ただしFuzzPlus 3よりも前半(7時~12時くらい)の効きが圧倒的に悪い。その代わり後半はとんでもない勢いで音がデカくなる。目一杯回すと無音部分でも爆音のノイズが鳴ってる。なにこれ。

ビットクラッシュ系

ビット深度を削って荒い音にしたり、金属的な響きを作り出したりする奴らです。ディストーションを併設している物も多いです。

Krush * / Tritik

割と普通なビットクラッシャーです。ただ効きが良すぎて、プリセットをぶっかけたら原型無くなっちゃいました。

Gorgon * / Inear Display

頭のおかしいディストーションです。歪みすぎです。単に歪ませるだけじゃなく、ビットクラッシュ、リングモジュレーション、FM変調など色々やっているようですが、ツマミが多すぎてよく分かりません。

MBitFun * / Melda Production

変態プラグインメーカーMeldaが放つ変態ビットクラッシャー。マジで何も分からんこのプラグイン。とりあえずプリセットが無限に面白いので、それだけでかなり遊べる。しかもなんと無料。

サチュレーション系

本来は倍音を付加したり、音を太くしたりすることが目的の奴らですが、突っ込めば歪む奴も多いです。また、コンプのMAKEUPがサチュレーションになってる奴とか、まぁホントに色々です。

Saturation Knob * / Softube

サチュレーションの王様です。無料で簡単で音がいい。最高!そんなSaturation Knobだって、突っ込めばバリバリになります。

MSaturator * / Melda Production

Meldaのサチュレータです。相変わらず難解なGUI、かかりすぎるプリセット。お前はサチュレーションじゃなくてディストーションだろ。

Halcyon / SoundSpot

帯域を指定してサチュレーションさせるプラグイン。特定の帯域だけを強調するのに使うのが正しく、プリセットもそういった物が多いです。音作りのときに時々便利。今回は全体域を指定して、限界までノブを回してみました。

Tube Saturator * / Waves Art

真空管モデリングのサチュレーション

らしいです。無料なんですけどかなりいい音です。温かいけどパリッとした音になります。3バンドに分けて強調できるのがとても便利。もちろん突っ込めば歪みます。

TubeAmp * / Voxengo

こちらも真空管モデリング。そして無料。こっちはいじる場所が少なくてわかりやすいです。音はWaves Artのほうが好みかなぁ...。ディストーションには関係ないんですけどね。

Kramer Tape / Waves

Wavesのテープシミュレーターです。効きがかなり良いので、割と簡単にディストーションになります。FLUXっていうちっこいツマミを回すと音が激変するんですが、何してんのかはよくわかんないです。
Biasはover、Speedは15です。

Tape / Softube

Softubeのテープシミュレーターです。Kramerに比べるとだいぶ上品で、ミックスのときに便利なやつですが、突っ込めば歪むのでディストーションです。A~Cの3タイプがあり、どれもキャラクターが違います。

80series Bus / Lindell Audio

Neveコンソールのアンプ部だけを取り出して再現したやつです。80series Channelに比べてとても効きがよく、突っ込んで使うことを想定しているようです。ディストーションのアイツラに比べればマイルドですが、サチュレーションと言うには激しすぎる効き具合です。

PreFET * / accentize

人工知能ベースのトランジスタ再現プラグインらしいです。言うほどトランジスタか...?と思いますが、突っ込めば歪みます。

Rough Rider 2 * / Audio Damage

頭がバカになるコンプで有名なRough Riderです。スネア専用と言っても過言ではないコイツ、一番のミソはMakeUpです。コイツがただのボリュームではなくサチュレーションになっているのです。76系の歪み方に似ていますが、コイツのほうがドギツイです。コンプ分かんなかったらとりあえずこのツマミ回しとけばいいと思います。
ちなみに最近3が出ましたが、全然別物です。

いかがでしたか?

一口にディストーションと言っても色んなキャラクターがある事がよくわかりましたね!

明日はd_eteiu8383の記事です!お楽しみに!

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この記事を書いた人
liquid1224

traPサウンド藩の浪士です。はやく老師になりたい。

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