この記事は夏のブログリレー29日目です。
挨拶
こんにちは、Hacoです。先日大学院入試を終えました。タイトルから分かる通り、このブログは自身が受験した数理・計算科学系院試について色々書いていこうと思います。
情報は劣化していくため、鮮度を維持するには新陳代謝が必要です。traP内外の先輩たちの体験記を参考にさせてもらった身として、このようなブログを書くのはもはや義務とも言えますね。
スペック
所属:東京科学大学情報理工学院 数理・計算科学系
GPA:2.16(←うんち!w)
TOEIC:490(←うんち!w)
入試方式:B日程
見て分かる通り数理計算の底辺を担当しております。
余談1:A日程
基本的に志願者の提出したGPAが選考基準になるらしいです。定員の1/3ぐらいがA日程で決まるらしいです。A日程で通った友人を見る感じ、内部だとGPA3.0前後が大雑把な目安でしょうか?加えてもれなく合格内定を貰っていそうなので、B日程勢としては実質倍率は2倍を超えるかどうかぐらいになると思います。万が一落ちた時に精神に来そうな嫌な倍率ですね。
余談2:TOEIC
数理・計算科学系は英語外部試験のスコアシートの提出を必須とする系の中で一番英語配点の割合が低いです。TOEIC点数ガチャを引き直す必要性が高くないというのは嬉しいですが、その分筆記試験一発勝負の空気になると思います。
対策
3月ごろに公開されている範囲の過去問をざっと覗いてみました。その結果、どうやら出題範囲としては系専門科目で扱った授業の範囲からしか出題されないことがわかったので、主な方針として授業の復習をすることにします。
私が対策したのは以下の7単元でした。括弧の中が院試の大問に対応しています。
- 線形代数(問A)
- 微積(問B)
- 線形計画問題(問4)
- 確率論(問5)
- 数理統計学(問6)
- 形式言語論(問7)
- データ構造・アルゴリズム(問8)
対策範囲を広くすることに越したことはありませんが、いかんせん2年以上の講義の内容を数ヶ月で改めて詰め直すのも大変ですし、その辺は各々の得意不得意などと相談するのが基本となるでしょう。
自分の場合は専攻と関わりがある分野を中心に添えるようにしたので上記のような対策分野構成となりました。
選択問題群に関しては、5題対策している中から当日の問題構成などをみて決めようと思ったので、特に優先順位などはつけず満遍なく対策しました。
6月ぐらいから過去問をちょっとずつ解き始めました。この時点で各分野の基礎事項は抑えられていたので、解けない問題があった場合は演習不足か捨て問かのどちらかです。結論から言えばほとんど全て演習不足が原因だったので、課題とかレポートの復習とか参考書の章末問題などで演習量もカバーしておきます。
ちなみにですが学科内で仲のいい友人のほとんど全員がA日程確定みたいな成績だったり、そもそも対策する範囲がみんなバラバラだったりするので対策会みたいなものには特に参加しませんでした。その代わりに研究室の先輩方から色々教えていただいたりしました。あと普通にChatGPTが優秀すぎる。僕なんかじゃなくてChatGPTを入学させるべきじゃないですかね?
筆記本番
前日は16時ぐらいに寝て、当日の朝3時ごろに起きました。身支度をして、大岡山のマックの開店に合わせて出発。試験会場が開くまで朝マックを食べながら、あらかじめ作成しておいた典型小問・公式集に目を通します。
会場が開いてからは結構あっという間に試験が始まった気がします。定員も受験者も比較的少ないため、当然試験会場にいる人も少ないです。空気の張り詰め方はそれほどだったと思います。
以下実況です。
問A
固有値問題は傾向そのまんまなので、笑顔に。典型なので言われた通りのものを愚直に計算してあげれば解ける!はず。→解けました
問B
大学入試問題?出題場所間違えた?
問4
シンプレックス法の計算ミスるなシンプレックス法の計算ミスるなシンプレックス法の計算ミスるなシンプレックス法の計算ミスるなシンプレックス法の計算ミスるなシンプレックス法の計算ミスるなシンプレックス法の計算ミスるなシンプレックス法の計算ミスるなシンプレックス法の計算ミスるなシンプレックス法の計算ミスるなシンプレックス法の計算ミスるなシンプレックス法の計算ミスるなシンプレックス法の計算ミスるな
双対問題が何たるかを理解できていれば質問の意図がわかるが、俺は理解しているので、わかる!!(強気)
この辺で制限時間が怪しくなります。ばか。シンプレックス法の計算に慎重になりすぎました。
問5
ん、スルー
問6
問題文なが!記述量も長そう、パッと見解けるかどうかもよくわからん…時間も厳しいから一旦問78見るか…?→問78を解きました
問7
(1)DFA構成、傾向通りですね。状態数に制約があるので、受け入れる文字列と受け入れない文字列を列挙して考えてみる→DFA、構成できません そんな…→一旦問8を解きに行く。
問8を解き、戻ってきて、冷静になってみると、受け入れる文字列の条件に不備があったことに気がつく。修正したら普通に構成できました
(2)わかりません 代数の教養が必要そうな問題ですが私は代数の教養を持ち合わせていません。
(3)わざわざ帰納法と書いてくれてありがとうございます!面白い問題だな〜これ
問8
問6から飛んできた時に、最初の2問が分かる→最後の問題も解けることがわかったので、解く。この程度の再帰関数ならば遷移を丁寧に書いてあげれば私みたいなAtCoder未参加のアルゴリズム素人でもなにが起きているのかは把握できます!
後日
口頭試問の案内に自分の受験番号が載っていました。よかった〜〜
口頭試問
当日までに以下のことをやりました。
- 筆記問題の解き直し
- 細かいところで結構ミスってて、絶望。記述の不備がどれくらいなのかはわかりませんが、期待よりも取れていなさそうです。苦しい〜
- 面接対策
- 志望動機、今の研究の進捗などを振り返りました。
- スーパーダンガンロンパ2
- 罪木ちゃんが可愛かったです。
当日
野菜ジュースを一気飲みしたら腹を壊しました。ジジイかよ。
一般的な口頭試問だったと思います。質問の典型として
- 志望動機
- 研究計画・テーマについて
- 筆記試験の手応え
などがあると思いますが、大体そんな所でした。試験時間は10分程度でしょうか。
筆記の失敗が脳裏をチラついたこともあり普通にガッチガチに緊張しました。あんまうまく喋られなかった。
帰宅し、落ち込みながらダンガンロンパ3を見始めたのですが、作中が当時の自分とは比較にならないくらいに絶望的な世界で、全てがどうでも良くなりました。
結果
第一志望の研究室に合格していました。
振り返り
大学入試からずっと本番に弱いタイプだったので何が起きるかわからなかったですが、なんとかなってよかったです。
正直な話他の院、学科を受験する人たちの様子を見ていると、ここは頭4つぐらい抜けて簡単なように感じます。これに世間が気がつくと倍率がとてつもないことになりそうなので、内部の方は成績を気にしてA日程を狙った方が良いのかもしれません。一方でB日程も、論文を書く前に3年間の講義内容の理解の穴を潰す機会としてはうってつけだと思います(それはそれとしてお前3年間何してたんみたいは話はなくはないですが)。
僕みたいな成績弱者でもちゃんとやればちゃんと受かるので、後輩達に置かれましてはやるべきことをしっかりやっていただければと思います。頑張ってください。
最後までご覧いただきありがとうございました。明日のブログリレー担当は@akimoです。お楽しみに〜