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2023年10月16日 | ブログ記事

FRENZ 2023 traP "ADventure"制作記(Haco視点)

挨拶

こんにちは。traPグラフィック班で活動しているHacoと申します。FRENZ2023に、traPの有志メンバーとして参加したので、自分の担当した2Dアニメーションと演出について書いていこうと思います。
なお、プロジェクト全体のまとめブログはこちらになります(こちらを先に、もしくは並行して読んでいただけると面白いのではないかと思います)。
↓制作物

そもそも2Dアニメ調の映像になった理由

僕がいたからです。
初期メンバーの他の4人(いついつkaitoyamaかにばくhelgev)は3DCGに強い人材ですが、僕は2Dにしか明るくない(別のサークルで2Dアニメーションをたくさん作っていた)ため、まずどんな作品を作るかという最初の話し合いで「2Dを混ぜる」ということが決定しました。

この時点ではそこまで2D調の作風に寄るわけではありませんでした。決定づけるのは、その後の絵コンテの段階です。

映像で使えそうな演出案やコンテをひたすら出し合う時間が設けられていたのですが、その間にたくさんアイディアを出したのが自分でした。「ストーリー性、欲しくない?」という声が上がったこともこの方向性への後押しとなりました。

全てのパートがそう、というわけではないですが、「アニメ」っぽさがあるパートは自分のコンテのはずです。そんなところに注意してみていただくのも面白いかもしれません。

2Dアニメーションの制作工程

一般的には原画、動画、仕上げ、撮影などと工程が分かれていますが、これは一つのアニメがたくさんのスタッフを跨いで作られるからです。今回のように、アニメパートに関わる人が少なく且つ密に連絡を取れる場合はより工程を単純化できます。わざわざ細かく工程を分ける必要のある高級なものを僕が作れないというのも事実です。上手くなりたい。

制作に用いたソフトはCLIP STUDIO PAINTです。自分がアニメ制作でクリスタしか使ったことがない、アニメパートに携わる人が全員所有していたなどの理由から即決でした。

今回、アニメパートでは原動画→仕上げ(彩色のみ)という工程を踏みました。撮影工程を端折ったのは単に時間が足りなかったからです。自分の筆の遅さを呪うばかり。

3DCG班のメンバーが非常に手際が良く、たいていの原画は彼らがCGで作ってくれた背景の画像を受け取って、それに合わせてアニメを描く、という形で行っていました。このCGがかっこいいのなんの。
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↑描く時の都合で薄くしていますが、後ろにビルと、割れたガラスが女の子の後に続いて落下してきています。

なるべく描きやすいアングルで背景を出力してもらいたいがために、DiscordでkaitoyamaにBlenderの様子を配信をしてもらい、実際に出力イメージを確認しながら、というめんどくさいことにも付き合ってもらっていました。本当にありがとうございます。

演出について

もしかしたら気がついている方もいるかもしれませんが、今回は下からのアングルで仰ぐ構図が多用されていると思います。これ実は意図的な演出だった(というかせざるを得なかった)のですが、これにより背景に入れ込むべき情報が減ります。また、実際にフィールドハンティングなどで撮影してきた素材を使う予定だったので、必然的に下から見た構図が多用されるというわけです。

横方向から見た構図も多いのですが、これは描き手の負担を減らして締め切りに間に合わせるための妥協です(結局少し遅れたわけですが…)。悔しい。次回以降、僕に演出の役がまわってくる機会があればこの辺はぜひリベンジしたいと思っています。

思い出とか

最後の数日間

みんなで文字通りの限界作業をしていました。自分はたまたまバイトの稼ぎ時とそれが重なった結果、
img_2293aa978a7c-1
こんな感じのスケジュールになったりしてました。今となっては「あの時の俺、すごいことしてるなぁ笑」という笑い話ですが、当時は本当に締め切りに追われる恐怖と「二度とこんなスケジュールで動くもんか!」というやり場のない怒りで心がいっぱいでした。

ヒーローは遅れてやってくる

8/30、残りの原画があと2カット、仕上げまで進んでいるのが0カットという絶望的な状況でkaitoyama、oriorituと作業通話をしていました。するとそこに、「やぁ!仕事終わったんだけど、手伝えることはあるかい?」という天の声が降りてきました。kanibaku8です。突如として現れたkanibaku8が、僕の抱えている仕上げタスクの大半を巻き取ってくれました。
その翌日(つまり締め切り当日)も、一緒に作業をしようと提案してくれ、僕のバイトが終わり次第大学に集まって共同でアニメタスクを仕上げるなどしてくれました。さらにoribeさんの協力等もあり、アニメパートは8/31中に全ての工程を終了することができたのです。なおその後のPremire Proのプロジェクトへの結合とレンダリングの時間を考えると間に合っていません。関係者の皆様には多大なるご迷惑をおかけしました。

3時ごろに提出が完了し解散となったあと、kanibaku8とは一緒にラーメンを食べに自由が丘まで散歩をしたりしました。が、全てのラーメン屋が閉まっていた(当然)ため、コンビニでカップ麺を買って近くの道沿いのベンチで朝日を拝みながら啜りました。僕たちの夏休み(9月)が始まった瞬間でした。

喉元過ぎればなんとやら

一つ言えるのは、なんだかんだ言って完成して上映できて本当によかった、ということです。反省点をあげればキリがないのですが、実はそう言った今回実践できなかった技術や演出などを含めてもう一回制作をしたい(ただし、まともな制作スケジュールの見積もりが立ってから)という声が上がっています。自分もやる気です。エンドカードの「集団制作はもう懲り懲り!」という言葉はなんだったのでしょうか。
ので、もしかしたら一緒に出展した皆さんとはまたどこかでお会いするかもしれません。その時はよろしくお願いします。

最後に

この記事と、そしてtraPの作品を見てくださりありがとうございました。ブログなりSNSなりで感想を頂けると泣いて喜びます。
上手くなりたい!!!!!!!!

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この記事を書いた人
dogwood_flo

22Bグラフィック班

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