11/15 - 17 に台湾で行われた ICPC Taichung Regional 2025 に参加しました。
国内予選までの記録はこちらに書かれています


参加を決めるまで
予選で熾烈な学内争いに敗れ、また来年頑張るか... という雰囲気だったチームですが、同時期に tatyam さんが海外 Regional に出よう!みたいな宣伝を Twitter で行っていたのを見て、海外 Regional 出れるのかなあという気持ちになっていました。
個人的には、自分たちより上の順位で予選敗退となったチームもいるので、Regional 出たいですと言い出すのもなんか違うかな... と思って黙っていたのですが、たしかそのくらいのタイミングで親から海外 Regional 出てみたらと背中を押され、挑戦して損はないと思いチームに話しました。
チームのみんなはこれに非常に前向きで、もし出れるならぜひ出たいという意見で一致したので、その旨を tatyam さんに伝え、リージョンを決めることにしました。
とりあえずチームの Discord サーバーを建てて、tatyam さんのツイートを見ながらみんなで相談します。
どうやら今年はベトナムの開催場所が Hanoi から Ho Chi Minh になりそうだとか、Manila で Regional が開かれそうだとか、いろいろな情報が出てきましたが、時期や Site Score などを考慮し、Taichung > Ho Chi Minh > Seoul の順で希望を出しました。tatyam さんにいろいろやってもらい、Taichung Regional に参加することが決定しました。
ちなみに Taichung Regional は期日までに Foreign Team が 10 チーム集まらなくて、〆切が伸びてました。

準備
チーム練習
今までと違って 5 時間のコンテストなので、戦略をしっかり組む必要があると考えていました。あとはとにかく数だと思い、週 1 のペースでチーム練習をしていました。
今までと違うポイントは、時間が 5 時間であること、問題文が英語ということです。このうち、後者は海外のコンテストの問題を解くことである程度解決できるので、まずは 5 時間コンテストに慣れるという意図で、日本の大学の有志コンテストを使ってチーム練をしていました。慣れてきた段階で、Regional のセットを使ったり、海外の国内予選のセットを使ったりしたと思います。
ちょうど Universal Cup の 4th season が始まろうとしていた時期だったので、せっかくならそれも出ようということで、アカウントを作って、出られるときにチームで出ていました。このサイトにはいくつか Regional のセットもあったので、バチャでも非常によく使いました。Ucup が始まってからは、週 1 でチームバチャ、週 1 で Ucup という感じにやっていましたが、みんな忙しかったので、時々バチャができなかったり Ucup ができなかったりした週がありました。
チームで練習するときは Asia Pacific や East Asia あたりの地域のセットを選んでいたので、個人練習としては、それ以外のリージョンの Regional などの問題を BOJ で解いていました。全ての問題があるわけではないですが、こういった ICPC の問題のジャッジがまとまっているサイトが存在するというのは本当に助かります。
ライブラリ
ルールを読むと、ライブラリは紙で 25 枚以下に収める必要があるようです。
国内予選は電子ライブラリが ok だったので適当にいろいろ持ち込んでいたんですが、さすがにちゃんとライブラリの作業をしないといけないよね、ということで、暇なときにポチポチライブラリをいじっていました。
普段のチーム練習では、kactl や Speed Star のライブラリなどの紙ライブラリと、ネット上に転がっている強い人たちのライブラリ (私はよく Nyaan's Library を見ていました) 上でのみ検索 ok のルールで行っていて、そのあたりのライブラリから引っ張ってきたものや、関連で必要だなと思ったものを、自分のチームのライブラリに追加するというフローで作業を進めていました。
kactl みたいに、横向きの紙に 3 列で書き連ねるという書式にしようと提案すると、そうなるように zoi がすべての環境構築をしてくれました。また、jupiter があまり TeX に慣れていなくて Typst を使っているので、彼も手を加えやすくなるように、Typst に対応されました。こういうところをやってくれる人がいるのはすごく心強いです。
ここからコンスタントにちまちま作業を進め、ライブラリを整備していました。この作業はわりとちゃんとできて、東工大の他のチームの人たちからも「ちゃんと整備やってて偉い」などと言われました。

手続き関連
海外に行くのが初めてなので、何したらいいのかよくわかりません。今回帯同してくださるコーチの Hemimor さんに全てをやっていただきました。本当にありがとうございます。
荷造り
海外に行くのが初めてなので、何を持っていけばいいのかよくわかりません。家族の協力で、なんとか荷物をまとめることができました。何回か一緒に確認もしてもらったので、本当に感謝しています。
本番
コンテスト前は緊張しっぱなしだったのですが、一番緊張していたのは行きの飛行機の中でした。3 時間あるし寝ていこうと思ったんですが緊張で全く眠れなかったので、オフラインで見れるようにしておいた緋月ゆいちゃんの歌枠アーカイブを見てリラックスしていました。いつもありがとうございます。
Day 1
受付を済ませ、T シャツをもらいます。私たちは水色で、コーチは緑でした。シャツを着た後、チームで写真を撮ってもらいます。まだ昼飯を済ませていないので昼飯を食べてのんびりしていると、何かアナウンスをしていてみんなが会場に入っていそうだったので私たちも入りました。
Opening Ceremony では、台湾のすごそうな人が何かを話していたのですが、英語じゃなかったので何もわかりませんでした。そのあと、ICPC のすごそうな人が話していて、こちらは英語だったのでわかりました。今回は記念すべき 50 回目のコンテストだから特別な問題出すよ〜とか、明日はベストを尽くしてとか、そういった話をしていました。
プラクティスで環境の確認をしました。事前にアナウンスされていなかった VSCode が使えるらしくてびっくりしましたが、なんかめんどくさかったので当初の予定通り CLion を使うことにしました。Clar で遊んで「おすすめの食べ物は?」と聞いたら 3 つぐらい教えてくれました。ありがとうございます🙇
残った時間で明日の流れを確認しました。
机セットアップなどしている pic.twitter.com/jabGGmlRBq
— ZOI (@ZOI_dayo) November 15, 2025
明日はシャトルバスが出るのが早くて、ホテルを 7 時に出ないといけないので、帰宅即寝チャンネルということで 20:30 ぐらいに寝ました。
Day 2
全員が起床に成功し、会場へ向かいます。昨日少し会場が寒く感じたので上着を着て入るつもりでしたが、一番上は T シャツである必要があったので、下に着ました。少し着脱がしにくいですが、まあ仕方ないです。
コンテスト
最初は私がセットアップ、ZOI が先頭から、jupiter が真ん中から見ることに。
セットアップを済ませ、A が簡単と聞いたので、説明を聞きながらコードを書き、AC 。submission が多かったので少しラグく、AC を確認するのに時間がかかった。
その後、E が簡単と分かったので説明を聞き、これまた簡単だったので軽く実装して通す。
C が幾何らしいのでとりあえず読む。この間に M の実装を渡していると、M が通る。
たしかこの直後に F を jupiter が書いて通したような気がする。
B を他のチームが通していたので、B がバスでスケジューリングっぽいという情報を得て問題を読む。ちょっとめんどくさそうな問題だなと思いながら ZOI に説明して任せる。
I が通ってるのを見たので、幾何がこんなに早く通るか?と思いながらとりあえず問題を読む。読んだ時点で、凸包を求めてその辺に沿って分けるんだなという事が分かって、誰も実装していない時にライブラリを写経する。
B が書けそうだったので B を書いてもらい、何回かペナが出たものの何とか通る。
その後にとりあえず I を書くが、サンプルが合わないので印刷する。少し考えると、凸包が原点を含まない場合は直径で分割できることに気づく。ZOI にこれを聞いたところ正しいですと言われたので、これを書き足して投げるが、WA が出る。N が小さい場合を考慮していない、との指摘を受け if 文を書き足したら通った。
J が通っていそうでパズルだったので jupiter に頼んで、C を読み進める。ただ、これはどう考えても今解く問題ではないと判断して捨てることに。
H を少し考えていそうで、jupiter から説明を聞いて、SA で行けるんじゃないですかと思うが、これをどう使えば答えが導けるかでしばらく考える。少し認識の違いなどもあって、結局解法は思い浮かばず、一旦ステイすることに。jupiter に L を考えてもらい、その間に他の問題を読み進める。
ZOI は構文解析の担当だったので K を実装を進めており、TLE かなんかで落ちていたのでコードを見る。毎回式を見てるからその文字数分だけ時間がかかっていそうなので、ここを改善しませんかと提案する。その間に L の実装が詰まっていたので、自分が読み進めていた N をとりあえず説明すると、L のバグの原因が分からないのでとりあえず N を考えますということになって、jupiter に N の構築を進めてもらう。
しばらくはこの 2 問で交互に実装を進め、何回もペナを出していた。最終的に K を異常高速化することで何とか通したものの、N は場合分けがうまくいかず通らないまま終わってしまった。
終了後に全体の順位表を見ていたが、もしかしたら銀メダルも怪しいんじゃないかみたいな空気だった気がする。コーチの Hemimor さんとも合流し、少し感想を話して、ここまで本当にお疲れさまでしたとお互いを労い合って会場を後にした。
結果
ICPC Asia Taichung Regional 2025
— Oxojo (@Oxojo_) November 16, 2025
28 位で Silver Award でした。他 Regional の結果次第ですが、APAC Championship はかなり厳しい位置だと思います。
初めての海外大会を無事終えることができ安心しています。来年はまずは Yokohama 進出を、そして Regional では Top 10 を目指して頑張ります。 pic.twitter.com/NQWEDZytB4
28 位で Silver Awards でした。たぶん位置的には Championship は厳しいです。
今年を振り返って
これで今年の ICPC はここまでということになりました。結果は満足いくものではなかったですが、初めての海外大会ということで刺激になる良い経験ができたと思っています。
また来年までに精進して、より強い姿で ICPC に臨みたいと思います。
