新歓ブログリレー2025の14日目の記事です。
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→次回(B3編)はまた1年後…
こちらはプログラミングとかそういうのナンも分からんけどなんか情報工学系に入ってしまった人間が卒業(または中退か退学)するまでの様子をまとめた滑稽なブログシリーズです。過度な期待はしないで下さい。
はじめに
こんにちは、知る人ぞ知る非常識(固有名詞)です。一応情報工学系の人間で、普段は音MADを作ったり音ゲーを作ったりしてのらりくらりとしています。
さて、突然ですがこの東京科学大学という大学には優秀な学生がごまんといます。その中でも理工学系の中で入試最低点が一番高い情報理工学院は特に強者揃いで、大学の勉強以外においても輝かしい技能・実績を持つ人たちばかり。traPでも多くの情理の部員が高度なブログを投稿しており、その能力の高さが伺い知れます。情理を志す受験生の皆さんも彼らの姿を見ることで「自分もその一員になりたい」と決意を新たにし、それは受験勉強の更なる励みとなることでしょう。
しかし、光あるところに陰あり。上位層の彼らが注目される一方で、とりあえずで情理に入りなんとなくで情工でクネクネしている謎の生物も確かに存在するのです。という訳でこれから、そんな私が武人闊歩するこの情報理工学院情報工学系でのその年の学業を振り返る【ワイ将「プログラミング?よく分からんけど情報工学系入ったろ!」←結果www】シリーズを年一で投稿しようと思います。
こういうブログって普通はその中でも優秀な人が書くものなのでしょうが、それゆえ平均的な人間の体験談が少なくてかえって参考にならないみたいなところもあるので一定の需要はあるんじゃないかな。ちなみにこれ今のところ卒業するまで続けるつもりです。なのでもし失踪した場合は「そういうこと」ですのでよろしくお願いします。
B1までの話
とりあえず今年の話をする前に、自己紹介も兼ねてB1以前の私の様子を軽くお話します。
大学入学以前
「プログラミングよく分からん」と言うからには当然大学入学までプログラミング未経験……ではないんですねこれが。中学時代のはノーカンとして高校時代に初めてプログラミングに触れ、文化祭で音ゲーを作って出展しました。その話は別でブログを書いていま――ああ待ってその拳をしまって。確かに音ゲーは作りましたが殆どが書籍のサンプルそのままですし、足りない部分はGoogle検索して出てきたのをコピペしただけなのでプログラミングできますとは到底言えないわけで……まあ変数の概念などプログラミングの基礎の基礎とUnityの使い方を知っている程度です。traPに入部してプログラミング基礎講習会、Unity講習会、春ハッカソンに参加すれば同じようなことはできるようになると思うので、皆さん是非traPに入りましょう(ステマ)。
そういうことをしていたのもあり大学は学問の中で比較的興味がある情報系を志望し、なんだかんだあって東工大の情理に流れ着きました。他の情理の人々とは違い誇り高き志があった訳ではありませんでした。
B1
この記事シリーズを思いついたのがこの前なので当然B1編の記事は存在しないと思いきや、全く別の目的で似たような記事を書いていたのでした。詳しくはそちらに任せますが、B1の講義はほぼ学院一緒で数物化生といった理工系分野の教養を幅広く学ぶ感じなのでプログラミングがどうとか情工がどうといったことはあまりありませんでした。コンピュータサイエンスや基礎データサイエンスAIの講義はプログラミングを扱いましたが、未経験前提でしっかり説明してくれるので特に問題ありませんでした(後半はそれなりに難しくはなったけど)。なので受験勉強の延長みたいな感じでそこそこ成績は取れていました。
ここで小話。大学入学当初、情理の人々はどうやら挙って競プロというものをしていると知りました。けいぷろ…?競馬の仲間かな?
競技プログラミング(きょうぎプログラミング、英: Competitive programming、略称: 競プロ)とは、 解くべきプログラミング課題が与えられ、プログラムを作成し、解くまでにかかった時間や正解数などを競い合う競技。
らしい。traPのアルゴリズム班の活動もこれです。この時期から既に他の情理の人に遅れるまいと焦っていたので私も慌てて兢プロの一つであるAtCoderを始め、そしてチュートリアルであるAPG4bの途中でやらなくなりました。去年少しだけ復帰してABCに参加しましたが、6回くらいやって緑パフォを出したところでまた投げ出しました。現在はもう一度復帰を検討しています。
また、入学以前のプログラミングはコピペ中心、入学後のAPG4bも真面目にやらなかったせいでプログラミングの基礎が全然身についておらず、例えば再帰関数は後期のコンピュータサイエンスの講義で初めて知るといった有り様でした。そういう細かい部分から周りとの「差」が伝わってきてしまいますね。
あと折角なのでここで書きますが、私は今ITパスポートの勉強をしています。ITパスポートは常識レベルだからまず基本情報技術者試験から受けたほうが良いと某情工のつよい人から言われましたが、なんか怪しいと思って念の為本を買ったら知らない言葉が出るわ出るわ。技術的な話は来月から情工B3ということもあり技術的な話は比較的知っていましたが、後ろの経営関係の方は全くだめですね。つよい人とはこういうギャップもあるのだなぁと思った一件でした。
B2の振り返り
さて、今回のメインであるB2の講義を振り返っていきます。
前にも書いたように、B1の講義は教養科目が殆どだったので情報工学の専門的な知識無しに戦うことができ、B1終了時点でのGPAは3.95/4.50ありました。しかしB2からは逆に教養科目は少なくなりいよいよ情工の専門科目が始まります。すなわちその道を生業としている人々が無双を始める時期。成績も下がってしまうことが予想されます。
私はできないなりにせめてGPTだけは高くしようと思い(院試や研究室配属でGPTも使われるらしい)、B1までのGPAが高かったことで上限が開放された履修可能単位数ギリギリの55/56単位まで履修することにしました(あと1単位は目ぼしい授業が無かった)。激務を覚悟しましたが、講義が自分の興味により近い内容であったことや所々で力を抜くポイントがあったこともあって結果的にはむしろ50単位しかとっていないB1より楽に感じられました。
1Q

1Qは上のような時間割になりました。水色が情工の専門科目、赤色が系外科目、緑色が文系教養、黄色が外国語です。
講義数は少なくないですが、出席を取らない講義があったりzoom開講だったり課題が終わり次第帰れる講義があったりと肩の力を抜ける場面も多く想像以上に余裕がありました。懸念すべきは一限があること。やはり一限は滅ぶべき。
確率論・統計学
成績:86
確率統計を学びました。正規分布だとか仮説検定だとかそういうものです。しかしそれだけに留まらず、情工らしくR言語による統計処理も扱い、中間課題ではそれを用いてデータ分析をさせられたりもしました。私はPythonでやりましたが……ここで知識のある人ならAPIを叩いて楽々処理できたのかなぁと羨ましく思いました。無知は罪。
この講義の最も良くないところは、一限であるということです。もう眠くて頭が働きません。また、私はどうも確率変数の概念を正確に捉えることができず、結局理解が浅いまま講義が終わってしまいました……これでも情工の学生です。
少し気になったのが、確率統計の分野を既に高校で習った人がかなり多かった点です。共通テストの数ⅡBでは選択しないし二次試験では出題されないので私は習っていなくて、これが進学校との差なのかなぁと漠然と思いました。
期末試験は一夜漬けで挑みました。個人的には内容全体をよく把握でき対策はバッチリでいたつもりでしたが、テスト本番で折角勉強したところが急に真っ白になり大敗北。t検定からもうやり方を忘れる有り様でした。それでなぜ86点を取れているのかは今でも謎です。皆さんは一夜漬けで期末に挑むのはやめましょう。
手続き型プログラミング基礎
成績:97
c言語を学びました。同じ時間にプログラミング創造演習という講義もあり学生はどちらかを選択します。創造演習はプログラミングができる人向けで、各々が自由に目標を設定して興味の向くままに進捗を産んで良いという授業だそうですが、当然私はぷよぐやみんぐなどナンも分からんので大人しく基礎の方を選びました。
ここでは入出力、ポインタ、スタック、配列、探索といったように本当に基礎からc言語を学びました。月曜は演習、木曜は講義といったように内容が分かれていて、演習では計算機室で競プロのような感じで問題を解きます。ここでの学びが後の講義に繋がる重要な礎となったのでやはり背伸びして創造演習を取らなくて正解でした。
この演習は一癖あり、まず自分が書いたコードをTAに説明しないといけません。なぜそう書いたのか質問されたりもするのでChatGPTに丸投げはできません。また、プログラムにコメントを書く、一文字の変数はNG(nとかkとか)、インデントがズレてはいけない、最後にreturn0を書く、などの様々な制約があり、それを破ると容赦なく減点を喰らいます。更に課題は計算機室からしか提出できないようになっており、演習時間だろうがなかろうが課題をやるには計算機室に行かなくてはいけません。
そこそこ振り回されましたが内容が基礎的なものであっただけに上手く立ち回れ、まずまずの成績が取れました。この先に本当の脅威が待ち構えていることを当時は知る由もありません。
計算基礎論
成績:100
チューリング機械とかいうやつとラムダ計算とかいうやつを学びました。たまに演習をやりました。初見では少々困惑しましたが、しっかり考えてやればなんてことなく、状態遷移図を考えるのはパズルみたいいで面白いと感じました。計算機を考える上で重要な概念っぽい?
期末はしっかり対策したので特に問題はありませんでした。
交流回路
成績:83
情報通信系の専門科目です。私はコンピュータに興味があるので回路を扱う講義に関心がありました。しかし情工の専門科目には物理学が全く無かったので、系を越えて履修してみました。
周囲からは講義に対して若干渋い声が聞こえましたが、私的には高校物理の延長で勉強しているような感覚でとても楽しかったです。成績は低い(皆こんなもんらしい)ですが、良い学びになりました。
応用基礎データサイエンス・AI第一
成績:96
名にAIとある通りAIっぽいことをしますが、第一ではそれに使う数学を中心に学びました
。この講義はzoomで行われたので、家から授業を受けられて助かりました。内容もさほど難しくなく、確率分布など確率統計と被る内容もあったので苦戦することはありませんでしたが、期末課題が「なんかしろ(意訳)」だったのには拍子抜けして逆に困りました。
教養特論:現代社会論
成績:100
この講義ではなんと池上彰先生ご本人が自ら教壇に立ち現代の社会情勢などを講義して下さいました!!!実は池上先生は東工大の特命教授なんですね。
私は現代社会の分野に強い関心があり、池上先生の本は小学生時代から読んでいます。講義では宗教対立、核開発、EU、北朝鮮といった様々な内容を池上先生の巧みな語りにより学びました。私はもっと集中して講義を聞きたかったのですが、あの池上彰が来るということもあってか履修者も多く、私語が目立ったのがとても残念でした。
期末は自分の考えを書く系の試験で、私は有り余る熱意でメタタイトル「亡霊」のお気持ち表明を書き、それが通じたのか100点を頂けました。嬉しい。
ドイツ語初級1
成績:87
第二外国語はどれにしようかと悩み、個人的に総統閣下や戦車で馴染みがあるドイツ語を選びました。しかし新たな言語を習得するのは想像以上に難しく、すぐにダレてしまいました。どうして名詞に性別があるねん。どうしてあんなに格変化するねん。結局どの言語を選んでも似たような状況になるでしょうからまあ仕方がないのかもしれません。
英語第三 再
成績:90
入試英語と比べると笑ってしまうことでお馴染みの英語です。再履クラスです。理由はB1の時にTOEICの単位認定を狙って履修取り消しして結局何もしなかった尻拭いです。皆さんはちゃんとTOEICの勉強をしましょう。
2Q

2Qは最も忙しいクォーターでした。その原因の8割は手続き型プログラミングにあります。オートマトンも精神を削ってきて大変でしたが、これが終われば夏休みということが救いになっていました。一限は引き続きあります。一日一回一限滅べの舞。
成績はB2の中で最も低いですが、忙しかったからというよりは単に私の頭が追いついていなかったから低かった科目が多いように感じます。
手続き型プログラミング発展
成績:88
お ま た せ
1Qの手続き型プログラミング基礎の続きです。基礎の内容を元により発展的なプログラムを書きます。そしてこれは講義を受けた学生の中で伝説として語り継がれることとなります。
まず目に飛び込んでくるのは、滅茶苦茶に分かりにくい問題文。入力として何が与えられているのか、期待されている出力は何かが全然分からない。一体何をしたら良いのかを掴むことすら困難です。これ大分言葉を緩めて書いてます。これは後々改善されてゆくのですが、初期の頃は本当に凄かった。
次にコーディング規約。基礎の頃も一文字変数は作るなという謎ルールがあり隣で講義をしていた創造演習組が困惑していましたが、それと似たようなものがここでも健在。例えばfor文のカウンタ変数の名前は繰り返す配列名_index
にしろだとか。先生は「社会に出たらコーディング規約に従って書かないといけないから」と仰っていましたが、世の中のIT企業では本当にこういう規約があるのでしょうか……社会人大変だなぁ。とりあえずijkを使わせてくれ。
そして何と言っても課題の量。一つ一つが重すぎる。そもそも講義で説明されていないことを平気で要求してくるし、内容もgitを実装しろだのなんだの辛い。創造演習組にかかれば楽勝なんでしょうが、我々はそっちに行かなかった方の人間です。無限に増えるエラー、通らないテストケース、溶ける時間、Segmentation Fault
。
これらの要素がまとめて週一で降ってきました。我々はもう阿鼻叫喚です。私なんか最終的に数あるテストケースのうちエラーが起きないもののみが奇跡的に揃うまで連続で提出し続ける運ゲーやってましたからね。何十回かWA出した後に1回AC出たので表面上は提出できました。大分追い詰められてる。
しかし涙の数だけ強くなれるよとは言ったもの。この経験で確実に力はついた、はず。そう思いたいものです。
人工知能
成績:87
ホイールダック2号というキャラと共に人工知能に関わる基礎的な概念を学びました。1号はどうした1号は。
BFS、DFS、ゲーム理論、ベイズ推定、どれも大事な内容ですが、正直ベイズの名前が出てきた辺りからオフチョベしてました。理論は分からないけど演習は辛うじてできる状態。そんな状態で試験が上手くいくはずもなく、あえなくこの成績です。そもそも確率統計でクネクネしていましたからベイズで躓くのも当然。
また、加点課題としてAIと倫理について、あるいは探索問題について前に出て発表するというのがあり、私は訳あってRVCというAIを用いたフェイク音声制作について多少知っていたのでそれで発表しようとしたのですが、肝心の音声がPCスペックが低すぎてエラーを吐いて生成出来ず、微妙な発表のまま終わってしまいました。それで点引かれた説あると思います。
オートマトンと形式言語
成績:80
文脈自由文法やら正規言語やらそういったものを学びました。1Qの計算基礎論で学んだチューリング機械が土台となっています。
この講義は個人的トラウマでもあります。講義は前半講義、後半演習で進むのですが、演習は扱う内容が内容だけに予習復習の意味があまり無く、その場で思いつけば勝ち、そうでなければ負け、という戦いでした。頭の回転と柔軟な発想が要求されるのはさながら我々が突破した入試数学のようでした。しかし、その場にいるのはそんな入試を突破した人間の中でも更に上澄みの情報理工学院の学生です。彼らにとっちゃなんてことない内容だったのでしょう。一人、また一人と解き終えみるみる講義室を後にします。しかし私は一向に解を思いつくことができない。先生がヒントを言い、講義室を去る勢いが増してもなお、です。そのとき私がどのような感情だったか、ご想像にお任せします。結局多くの回で私は最後まで残ることになりました。講義室いっぱいに居た学生はとっくに帰り、私以外には数名しか残っていませんでした。
期末試験は対策したので成績はなんとか80で踏みとどまってくれて幸運でした。
線形システム論
成績:86
フーリエ、ラプラス、複素解析などを元にシステム制御について学びます。
意外にも情報工学系の講義では純粋数学を殆ど扱いません。しかし私はかねてよりYouTubeなどでフーラプ複素解析などに興味を持っていたので、まさにそれらを学ぶことができるこの講義を受講しました。結果的には情工では受けることのない良い刺激が得られたと思います。システム制御についてはあんまり分かりませんでしたが、留数定理気持ち良すぎたのでOKです。
応用基礎データサイエンス・AI第二
成績:86
1Qのデーサイからの続きです。応用なのか基礎なのかはっきりせい。そこから大きく発展してニューラルネットワークなどを扱ったそうですが、正直に言うと私には何も分かりませんでした……これでも情工の学生です(2度目)。
一応この内容は後期の機械学習と大体被っていて、そっちは割とちゃんと勉強したのでまあ耐えかな。
宗教学B
成績:100
宗教学を担当するymym先生はカルト的人気を得ており、一部ではymym教とまで言われるほど熱狂的なファンがいます。私もその一人で、なんとか抽選に勝ち履修できました。
宗教学と言ってもキリストだとかイスラムだとかの歴史を学ぶのではなく(本人曰くwikipediaを読めば済むから)、昔の日本で起きたスピリチュアルブームやジブリ作品などを通して「宗教とは何か」についての自らの解を得るべく討論するといった内容です。私は宗教学の方向にも非常に興味があり、科学が発達したこの世の中において宗教の為す役割とは何かと日々自問自答してるような人間なので非常に楽しめました。一限でしたが喜んで行きました。
ドイツ語初級2
成績:88
引き続きドイツ語ですが流石に一向に覚えられない言語に触れ続けるのは苦痛だったので、今期で履修を辞めることにしました。余った分はB3に繰り越して、新しく韓国語を勉強しようと思います。
英語第四 再
成績:80
再履修クラスって結構失踪する人多いんだなって思いました。
3Q

ここから後期になりますが、後期になるとかなりたるんできて授業に出席しないことが多くなりました。というか殆ど出席していなかった。友人から「お前なんかずっと居なくね?」って言われて苦笑いするしかありませんでした。出席取らない授業だと愚かな人間は更に愚かになります。
関数型プログラミング基礎
成績:88
Racketという言語を使用して関数型プログラミングというものを学びました。今までやってきたc言語やらpythonやらとはまた違った形態の言語で、関数を組み合わせてコードを記述します。
問題はちゃんと解けはしましたが、結局関数型プログラミングが他とどう違って何が嬉しいのかはあまり理解することなく終わってしまいました。
期末試験はコードを解答用紙に手書きしないといけなく、嫌な予感がしたのですが案の定括弧を余計につけてしまって大幅に減点されてしまいました。コードエディタだと勝手につけてくれるからね……悲しい。
そういえばオプショナルな課題をやっても成績には入らないことが後から発覚してtraP内では不平不満の嵐でしたが、私はやっていなかったので低みの見物をしていました。
動的システム
成績:85
これは300番台の科目で普通はB3の人が取る科目ですが、この時期にtraPの情工メンバーの間で300番台の科目を取ることが流行っていたので便乗しました。内容は実は2Qの線形システム論と被っている部分が多く、ラプラス変換を使ったりしながらシステム制御について学びました。
内容は一度やったことのあるものだし、試験は授業資料を持ち込めるしで全く勉強をしないでいたら試験は全然解けませんでした。そもそも線形システム論の時点でシステム制御についてよく理解していなかったので当たり前ですが。勿体無いことをしてしまったと後悔していますが、工大祭準備で忙しかったのだと言い訳をしておきます。
アセンブリ言語
成績:100
x86-64のアセンブリ言語を学びました。機械語と高級言語の中間にある言語ですね。そしてこの講義もレジェンドとして語り継がれています。
まず、成績は最終課題が10割で、内容は電卓の計算を実行するアセンブリコードを出力するプログラムを書けというものでした。なのでこの課題一つを終わらせられるのであれば最悪講義は出席しなくても良い。しかし内容が難しいだけに普通はしっかり講義に出なくてはいけません。
そして私はというと当然アセンブリ言語なんて知りませんから講義に出ようとするのですが、ここで問題発生。講義が全く理解できません。次から次に出てくる未知のワード。命令って何?レジスタって何?なんで%raxって名前なの?なにが理由でこんなことしなくちゃいけないの?疑問が止まらず、何が分からないのかも分かりませんし、周りの人もなぜこれが理解できているのか全く謎です。
とにかく、私には授業を理解するための根本的知識から欠けていたようでした。もっと体系的に勉強したいのですが、講義資料はいかんせん箇条書きのまとめ形式なためゼロから理解するのには向きません。結局、出席しても内容を理解することができないので講義にはすぐに行かなくなりました。
その代わり、一冊教科書を購入して独学でアセンブリ言語を理解しようと試みました。その時に使用したのがこの「独習アセンブラ」という本です。

この本はアセンブリ言語の前にプログラムとは何か、コンピュータの構造、2進数と2の補数表現、文字コードなどといった本当に基礎の基礎から丁寧な説明がされており、それを土台にアセンブリコードの構造や命令をサンプルコードを交えながら少しずつ解説していました。どういう理由でその操作が行われるのかや、なぜそうなったのかの歴史的経緯までしっかりと説明されており、これは私の知識の穴を驚くほど正確に埋めてくれました。
講義に出ない代わりに毎日この教科書を読み進め、読了してようやく皆と同じ土俵に立った上で改めて課題に目を向けてみると、そのなんと簡単なことか。結局のところ今までc言語でやってきたことと雰囲気は何も変わらない事に気づき、一晩で最終課題を討伐することができました。
情工の友人の中にも私と同じように何もかも分からないという人がいくらかいたので、この教科書を勧めてみました。もしあなたが今同じようにこの講義で苦しんでいるのなら、是非購入してみてはいかがでしょうか。
情報論理
成績:90
主に命題を中心に、完全性だとか述語論理だとかそういったことを詰めていきました。
スライドの量がかなり多くて勉強に苦労しましたが、B1の情報理工学基礎だったりこの後の論理回路理論と内容が被っていたりしたのもあって見た目ほど苦労はしませんでした。
論理回路理論
成績:95
名の通り論理回路について詳しく学びます。
授業が早く終わることが多く、内容も興味があったので結構力を抜くことができました。期末試験ではでかい回路を設計してそれを手書きしないといけなかったので少し大変でしたが、対策したので特に問題にはなりませんでした。
代数系と符号理論
成績:87
情報通信系の専門科目で、主に暗号通信について学びます。その道具として群論などについても詳しく学ぶので、情工では中々触れない久々の純粋数学に歓喜しました。
周りからは「重いので系外の人にはオススメできない」との声が多かったのですが、私は暗号通信にも興味があり、B1の課題でガロア体を用いた誤り訂正符号について調べた経験もあったので履修しました。評判通り毎回膨大な量の数学が襲いかかってきて理解するのに多くの時間を要しましたが、そもそもそれを目的に来ているので何ら問題ではありませんでした。
しかし途中からダレてきて演習は解けるが理論は分からない状態に再びなってしまい、試験も簡単な問題ほど配点が高いのを忘れて普通に順番通りに解いていったことで大量失点してこの微妙な成績になりました。しかしやる気さえ保てていればとても楽しい講義だったと思います。
英語第五 再
成績:89
尻拭いは続くよどこまでも
英語第七
成績:85
再履修クラスを取るだけでは溜め込んだ負債は消せないので、並行して通常のクラスも受講することになりました。再履クラスと合わせて週2回の英語です。
4Q

なんと、4Qは一限がありませんでした。一限アンチ委員会大歓喜です。しかしそんなことをしなくても結局3Qから引き続き講義は欠席がちになっていました。
オブジェクト指向プログラミング
成績:98
Javaを用いてオブジェクト指向について学びました。
私はOOPにはかなり馴染みがありました。というのもunityでゲーム制作をする際に使うc#がまさにオブジェクト指向言語で、継承やカプセル化といったOOP特有の概念はしょっちゅう使っていたからです。初学者が躓きやすいポイントを予めクリアしていたというのは大きい。講義も面白く、最終課題も指定されたゲームを作るという内容で、時間を忘れて実装を楽しみました。
関数型とは違ってこっちのオプショナル課題はしっかり加点されるようで、前の一件で点数がつかないと思ってやっていなかった勢がやはり怒っていました。
データ構造とアルゴリズム
成績:93
探索や整列、グラフなどのアルゴリズムを中心に学びました。内容はB2どころかB1で既に習ったものが結構あり、復習感覚で取り組めました。
退屈そうにしている人も多かったですが、情弱の私にとっては復習はなんぼあってもいいですからね。また、グラフの部分については後述の離散アルゴと同じ内容だったのでそれも助かりました。
機械学習
成績:94
名の通り機械学習を学びました。機械学習は応用基礎データサイエンス・AIでまさに扱って私が全然理解しなかった内容なので、復習のチャンスです。
最初はやはりなにも分からん状態になりましたが、講義資料が非常に丁寧だったこともあって最終的には理論の部分までなんとなく理解することができました。
ちなみに加点がもらえる発表は一度もしませんでした。クネクネしていたのでね。
離散構造とアルゴリズム
成績:90
情報通信系の専門科目で、主にグラフ理論について学びます。データアルゴと名前が似ていたので、しめしめ一石二鳥かなと思ったら向こうではグラフについて一回しか触れなかったので全くそんなことはありませんでした。
グラフ理論はまだ詳しく触れたことがなかったのでとても面白かったです。ただ、しっかり勉強したのですが中間試験での大失敗が響いてしまいなんとも言えない成績になってしまいました。
一つ気になったのは、演習問題の難易度が凄まじかったことです。到底一時限で終わる内容ではありませんでした。ただ成績にはあまり入らないようだったのでそこは安心でした。
データ科学基礎
成績:91
システム制御系の専門科目で、内容はそのまんま確率統計です。
情工では既に1Qで確率統計をやっていたので内容はモロ被りですが、私はその時全然理解しなかったのでまたもや復習チャンスということで履修しました。最後の方の内容は少し異なっていたのですが、結果的には確率統計についてちゃんと理解することができたのでよかったです。
英語第六 再
成績:88
これで過去に履修取り消しした分を取り返すことができました。
英語第八
成績:89
このQに本来取るべき方の英語です。しっかり取りました。
総評

なんとか一年生き延びることができてホッとしています。56単位取った割には大して忙しくなく、普通に遊び呆ける時間がありました。まあ、他の人たちはその時間で更に技術を磨いているのでしょうから距離は離される一方ですけどね。
時間があると言いましたが、時間割を見てもらうと分かるように実際情工の専門科目は全然無く、系外科目を取らなければスケジュールはスカスカです。私はどの系外を取って穴を埋めようかかなり困りました。その時間で自己研鑽をしなさいということでしょうか……?
まあ成績だけ見れば、全体を見ても80点を下回っている科目が無かったのでマシかな。この年のGPAは3.57とかなり下がってしまいましたが……これからは空いた時間で学業とはプラスアルファで知識・技術を高めていくべく、心を入れ替えようと思います。さあ果たして何日続くかな?
さて、【ワイ将「プログラミング?よく分からんけど情報工学系入ったろ!」←結果www】B3編はまた1年後。次回「非常識死す」デュエルスタンバイ!