この記事は新歓ブログリレー7日目の記事です。
新入生の皆さんこんにちは。24Bの @zoi_dayo です。いつもはWebとか競プロとかをしています。
さて、この記事をご覧になられている方の中には、traPに入るかどうかを悩んでいる人もそれなりにいると思います。部費があるので「入るだけならタダ!」とは言えないわけです。ということで、「traPに入るとこんないいことがあるよ」というのを列挙していく布教記事となっています。
これらをうまく活用すれば部費以上のなにかを得られるかも?
traPとは?
この記事を開く人ならすでにご存知かもしれませんが、最初にすこしだけtraPの説明をしておきます。
traPは正式には「東京科学大学デジタル創作同好会traP」であり、デジタル創作をしています。traが小文字、Pが大文字です。
「ゲーム班」「グラフィック班」「サウンド班」「アルゴリズム班」「CTF班」「SysAd班」「Kaggle班」の7つの班があります。いろいろしてます。
現在は500人くらい部員がいる巨大なサークルです。
これ以上詳しい説明が欲しい人は、「新歓特設ページ」を見ると幸せになれます。

講習会
この記事のメインです。traPが一番誇っていいところなんじゃないかと勝手に思っています。
入部すると、4月末くらいから無限の講習会が開催されることになります。各班が様々な講習会を開くので、おそらく6月中旬までぎっしりと埋まっています。去年は30以上の講習会が開かれました。この講習会をできるだけ受けるようにすれば、それだけで確実に部費の元は取れます。
いくつか紹介しましょう。 (以下は去年の情報であり、今年開催されなかったり内容が変わったりする可能性があります)
あと、僕がプログラミング系ばっかりやってるのでちょっと偏ってるかもです... ごめん...
プログラミング基礎講習会 (プ基礎)
ここからテキストを閲覧できます↓
traPの中でも重要度の高い講習会です。未経験者を2週間で「プログラミングできます」人間に変える講習会です。
ネットに色々記事あるし、プログラミングくらい独学できるだろ〜、授業でやったぞ、という気持ちがあるかもしれませんが、自分のPCでコードを動かすためにはいろいろ操作が必要です。そしてこれが非常に難しいです。
この講習会では、環境構築からプログラミングの基礎的な知識までを解説・演習します。演習時間はTAが無数にうろついているので、わからないことがあればとりあえず手を挙げると解決します。
この講習会でプログラミングを始めた人も、今はWebをガリガリ書いたりAtCoder青色になったりしています。一番オススメです。受けそびれた人は2年で受けましょう。
開催記事もあります↓

Git講習会
ここからテキストを閲覧できます↓
https://trap-jp.github.io/git-lecture-slide/
Gitって聞いたことありますか...? 高校からプログラミングをかなり熱心にやっていた人なら聞いたことあるかもしれません。
一言でいうとバージョン管理ツールです。プログラミングするとき、コードをちょっと編集して、戻して、他人の変更と組み合わせて...みたいなことができます。チーム開発だとほとんど回避不能です。めっちゃ重要。
のわりに、チーム開発用の機能という側面があるので、一人で学習するのはかなりしんどいです。
Gitできないとチーム開発できず、チーム開発できないとGitできない、理不尽〜
特になにかをチーム開発したい人は必ず受けましょう。
開催記事はこちら↓

Webエンジニアになろう講習会 (なろう)
ここからテキストを閲覧できます↓
めちゃくちゃ難しいと評判です。僕も第一部しか理解してません...
それもそのはずで、これはプ基礎を受けた人間を「Webエンジニア」にできるレベルの講習会となっています。traPは日本でトップレベルにWeb分野に強いサークルで、部内で様々なサービスが公開されたり、外部の大会で上位を独占したりしています。これだけのレベルの内容がまとまっている講習会はかなり珍しいはずです。
Web系の何かをしたいな、Webサービスの開発をしたいな、という人は、とりあえず第一部だけでも受けておきましょう。第一部を受ければWebサービスを作るくらいはできます。
開催記事はこちら↓

アルゴリズム基礎講習会
競技プログラミング関連の講習会です。競技プログラミングって何? という人は、AtCoder Infoさんのページを見ると良いかもしれません。 (AtCoderは競プロの問題が掲載されているサイトです)
ご存知かもしれませんが、東京科学大学は日本有数の競プロ強豪校です。日本内では東大・京大に次ぐ人数・レベルであり、日本トップレベルの選手もいっぱいいます。
所属を公開しているアカウントだけでも下記の画像のようになっています。(左の28, 33, ...がAtCoderの世界順位です)

ちなみに多分このうち9割くらいがtraPです。すごいですね。
こうして強い人が大量にいて、その上でコミュニティとしてまとまっている環境というのはかなり珍しいです。(競プロは個人競技の面が強く、traPみたいに他の創作活動もしているサークルでないとまとまりづらい気がしています)
というわけで、前置きが長くなりましたが、この人々に競技プログラミングを教えてもらえるのが「アルゴリズム基礎講習会」です。
プ基礎を受けたくらいの人間を対象に、マスターすれば緑色くらいになれそうな内容(独断と偏見)までを解説します。ちょっとでも興味があれば受けてみましょう。
Unity講習会
読んでいる人の中には「ゲーム作りたいな」と考えている人も多いと思います。
実際、ゲーム班はtraPの班のなかではアルゴリズム班に次いで2番目に人数が多い班となっています。
ところが、ゲーム開発はただ単純なプログラミングができればいいというだけではなく、グラフィックや物理演算、画面切り替えなど様々な処理が必要です。
ということで、ゲーム開発のため、プ基礎で不足している部分を補うのがUnity講習会です。(Unityというのはゲーム開発でよく使われる便利ツールです。VRChatなどで聞いたことがある人もいるかもしれません)
半分完成したプロジェクトを改造していく感じで進めるので、プ基礎を受けただけの知識で受けられるようになっています。ゲーム制作に興味がある人はとりあえずこれを受けて、後述する「春ハッカソン」でゲームを作ってみるという流れが良いと思います。
DTM基礎講習会
DTMというより、音楽の「基礎」を教える講習会です。traPはプログラミングサークルみたいなイメージがあるかもしれませんが、ぜんぜん作曲しています。部内のゲームに利用されたり、外部の音ゲーに採用されたりしています。
この講習会はかなり基礎的な知識を扱っていて、作曲してみたいというだけの初心者でもついていけるはずです。(筆者は音楽経験ゼロなのですが、講義資料をざっと見て理解できました)
ちなみに若葉祭に合わせてサウンド体験会が開かれると思うので、ぜひそれにも足を運んでみてください!
グラフィックス講習会
traPはグラフィック関連の創作もしています。いわゆる「イラスト」以外にも、ドット絵や3DCG、ロゴのデザインまでやっています。広い!
もちろんゲームに利用されることもありますし、新歓用のパンフレットやクリアファイルの表紙になったり、画集になって発行されたりしています。
各分野の講習会が立っているのですが、その全体像を説明している講習会です。各分野で使われているアプリの紹介くらいから始めてくれるので未経験でもまったく問題ないです。
これも若葉祭でグラフィックス体験会をやると思うので、興味ある人は是非行ってみてください!
機械学習講習会
ここからテキストを閲覧できます↓
これは夏くらいに開催される気がします。行列の積や偏微分くらいまでわかっていれば読めます。Kaggleというサイトで「精度のいいAIを作る」コンテストが開かれており、これに参加できるようになることを目標にしています。
いまChatGPTなどでAI関連はめちゃくちゃ人気ですが、実際に学習しようとなるとまあまあ大変です。情理の情工では2年4Qくらいに開講されるので、それを一度1年夏に触れておけるというのはめちゃくちゃ大きいです。データサイエンス系のことに興味がある人はぜひ受けてみましょう!
大会
traPはたまに大会を主催していたり、部内戦が開かれたり、また外部の大会に出たりしています。出るだけでもめちゃくちゃいい経験になりますし、ここで良い成績を残すと景品がもらえることもあります。
CPCTF
毎年4月半ばごろ、CPCTFという大会が開かれています。主にCTF(ハッキング・暗号など)や競技プログラミングに関する問題が出ます。部外の人々も参加できるオープンなコンテストです。
このコンテストでは、例年は上位+「新規入部者内」上位に賞が与えられます。(今年のものは多分まだ情報が公開されていないので何も言えません)
そして、年度最初のほうのコンテストですが、(少なくとも去年は) 年間トップレベルで景品が豪華です。というわけで、ここの新入生枠がかなり狙い目です。
...当然、「CTFなんて知らないです」「AtCoderやったことないです」「無理では?」という気持ちになると思います。が、新入生とだけ戦えば良いというのがポイントです。
まずCTF部分。高校生までにCTFをやったことある人は、(少なくとも競プロよりは)かなり少ないです。ので、おそらく1~2人の例外を除けば全員スタートラインが同じです。あとはググる力があって時間をかければ、かなり戦えます。
次に競プロ部分。競プロはそれなりに経験者がいるので厳しい...と思いきや、CTF部門より問題数が少ないので差がつきづらいです。CTF部門が5分野以上あるのに「PPC」(競プロ部分のこと)は1部門なので偏ります。
去年の問題がここにあるので見てもいいかもです。

また、(去年は)CPCTFには数段階の「ヒント」があり、これを押すとヒントがもらえます。(その代わりに得点が減ります)
去年のコンテスト時間は30時間と非常に長いので、解けそうなものはGoogle叩いて粘り、無理そうなものはヒントを少しずつ開けるようにすれば、かなり点数が取れます。
参考までに、去年の新入生の参加記をいくつか置いておきます。



春ハッカソン
6月半ばごろ、講習会ラッシュが終わったあたりに配置されているイベントです。大雑把に言うと「チームで2日間でなにか作ろう」というイベントとなっています。traP内でも有数の巨大イベントであり、この時期の講習会自体がこれのために置かれていると言っても過言ではないと思います。
基本、新入生数人+既存部員数人でチームとなって作ることになっているので、わからないことはちゃんと教えてもらえます。
何を作ってもOKで、例年はゲームやWebサービス、動画、音楽などが作られています。詳しくは下のリンクから作品紹介を閲覧できます。
ほとんどの人にとって最初に「作品」を作る機会になると思います。しかも作ったゲームやサービスは「試遊会」で他の部員に遊んでもらえます。こんな機会ほとんどないので、とりあえず賞関係なく参加してみましょう。
ICPC
世界規模の競技プログラミングの大会です。国内予選が6月くらいにあり、3人チームで参加することになります。他の大学だと、あまり競技プログラミングのコミュニティがなかったりして3人チームを集めるのが大変なことも多いらしいのですが、traPではとりあえずアンケートに答えておけばだいたい同じくらいのレベルの人とチームを組んでくれます。(もちろん、自分たちで組んでも大丈夫です)
去年は30チームが国内予選に参加したらしいです。90人ということでめちゃくちゃ多い。競技プログラミングではチーム戦の機会が少ないと思うのでおすすめです。
1-Monthon
夏休みを使って、期間一ヶ月で開催されるハッカソンです。当然、春ハッカソンよりかなり大規模な開発になりますし、保守性なども考えながら作らないといけないので春とは少し違った視点から楽しめると思います。
去年から始まったイベントですが、去年はここからプロジェクト化してSteamに出されているゲームもあります。ぜひ。
ISUCON
SysAd系の有名な大会です。「Webサービスがあります。いい感じに高速化してください。」というコンテストで、自分でWebサービス作れるくらいの知識がいるかもしれない、まあまあ難易度の高い大会です。
しかし、traPはISUCONに強いです。去年もtraPのチームが学生内3,5,10,13,...位を取っていますし、作問者がtraPのOBです。というわけで、ISUCON用の講習会や模擬戦が開かれますし、部内wikiなどに大量の知見が詰まっています。前期でいろいろ学んだ後なら、たぶん参戦できるレベルになってると思います。申込みはかなり厳しい(数分で埋まる)ので頑張りましょう。
コミュニティ
体感的にはめちゃくちゃ大きいです。
まず、traP内にはtraQというSNSがあり、これを用いてコミュニケーションが行われています。SlackやDiscordみたいなものです。最近画面共有もできるようになりました。(traP民が入部後Twitterで静かになるのはだいたいこれのせいです)
また、「特定の班員しか見れないチャンネル」のようなものは存在せず、自分のみたいチャンネルに通知をつけるという運用がなされています。ので、自分と全く違う分野の話題も流れてくるようにすることができ、いい刺激になります。
さまざまな分野のメンバーがいるので、ゲーム開発のプロジェクトなども行いやすいです。キャラクター、サウンド、プログラマがすべて同時に募集され、共同で制作できるようになっています。自分一人で作れない作品でも、その不足を埋めてくれるような人を簡単に募集できるようになっているわけです。
また、単純にサークルとして共通の趣味を持つ人々と繋がれるというのは楽しいです。作品を作ってprogressチャンネルでアピールすると大量のリアクションがもらえるし、急に専門的な話をしてもみんな楽しくついてきてくれます。競技系の分野であれば、無数にライバルを見つけることができます。
まとめ
さて長々と書いてきたわけですが、これらすべてを吸い尽くすというのは非常に難しいです。まず講習会の時点で、全部受けるのは(すくなくとも体力的な面で)ほとんど不可能でしょう、とは思います。
しかし、traPで行われているイベントはだいたい高品質・大規模で、traP外で経験するのはまあまあ難しいだろうな、と思わせられるものばかりです。自分のキャパシティと相談しつつ、面白そうなものから吸っていくと良いと思います!
皆さんが自分の趣味を突き詰められることを願っています。
新歓ブログリレー、明日の担当は @hayatroid さんです!