はじめに
2023年工大祭のtraPの企画「traP Expo」にて音ゲー「Senirenol Chronicle」を制作し展示したのでここに紹介します。なお出展時の名称は「Senirenol」でしたが、歴史的に複数のバージョンが存在するため区別するために2023年の工大祭のテーマ「chronicle」をとって「Senirenol Chronicle」と呼称することにしました。アーケードの音ゲーのタイトルがしばしば「ゲーム名+バージョン名」になってるのと同じです。
今回は工大祭の振り返り記事になります。Senirenol開発秘話は別ブログでまとめてあるのでそちら是非どうぞ。
ゲーム概要
Senirenol Chronicleは8個のボタンでプレイする新感覚の音ゲーです。一応キーボードでもプレイできますが、自作のコントローラーと27インチモニターでプレイすることを想定しています。
DLリンク
一応配布はしておきますが、キーボードで本気でプレイすることは想定していません。それでもよければどうぞ。詳しい遊び方はREADMEを参照してください。自分で曲を追加することもできます。
遊び方
遊び方は一般の音ゲーと大して変わりません。曲に合わせてレーン上にノーツが流れてくるので、ノーツが判定ラインに重なった時にそのレーンに対応するボタンを押します。しかし最大の特徴は、ノーツが複数のレーンに跨って流れてくることがあるという点です。その場合、範囲内のどれか1つのボタンを押せばOKです。流れてくるノーツは3種類あります。
シングルノーツ
最も基本的なノーツです。ノーツが流れてきたレーンに対応するボタンを押します。
ロングノーツ
長いノーツです。ノーツが判定ラインを通過し終わるまでボタンを押し続けます。始点はシングルノーツと同じで、タイミングよくボタンを押す必要があります。終点に判定は無く、ボタンをタイミング良く離す必要はありません。
EXシングルノーツ
シングルノーツと同じくボタンを押すほか、ボタンを押しっぱなしにしていてもOKなノーツです。取れば確定でPERFECTが得られます。
収録楽曲
全てtraP部員のオリジナル楽曲です。
楽曲タイトル | アーティスト |
---|---|
Bu9 0f 7oo H1GH Fr3quency | YHz / イキリ虻 |
Confront Game remix | Cd |
hallucination | shogotin |
I CAN BE A HERO | vPhos |
ReZ0NANCΣ | vPhos |
工大祭当日の様子
ノートパソコン1つで遊べるゲームではないので、展示するゲームを集めたtraP Collectionに入れずに独自展示という形で入口付近に隔離して展示しました。当初はちょっとの人数にゆるく楽しんでもらえたらなと考えていたのですが、蓋を開けてみれば行列も行列の大盛況。一人一曲交代で回していたにも関わらず行列が絶えることはありませんでした。プレイヤー層も様々で、小さな子どもから大人まで、音ゲーに初めて触れる人から音ゲー狂信者まで幅広い人に遊んで頂けました。途中で2回展示場所を変更したり、一日目のフィードバックを元に二日目にはアップデートを施したりと色々ありましたが、特に大きな問題もなく無事大成功に終わりました。
成功した理由
成功理由として、ゲームの質の話は置いておいて、
- 自作コントローラーを含むビジュアルが目立つものだったこと
- 入口付近のため展示場所に入ってすぐ目につくこと
- 音ゲーであるため合法的に大きな音が出せ、注意を引くこと
- 一曲2~3分で回転効率が良いこと
- プロセカなどの影響で音ゲーが世に普及しており多くの人の心を掴めること
が挙げられます。特に最後に関して、幼稚園か小学校低学年くらいの女の子ですら「プロセカみたい!」と言って遊んでくれたので、ゲーム性にある程度馴染みがあるというのはデカいなと思いました。プロセカってそんな低年齢層にも広まってるんだ…
最高難易度の引力
驚いたのは、やばい音ゲーマーを満足させる用に作った最高難易度のReZ0NANCΣ(Lycoris レベル∞)がやたらプレイされることです。やばい音ゲーマーが沢山来たという訳でもなく、プレイヤーレベルに関わらずとにかくみんな最高難易度に特攻していきます。予想では当日主にプレイされるのは低難易度の譜面だと踏んでいただけに、この結果には度肝を抜かれました。あくまで最強音ゲーマーを黙らせるためのものなので、「なんやこのゲームむっず!!!クソゲー!!!」と言われないか心底不安でしたがそんな様子もなく、ちょっとよく分からないです。
最終的な最高スコアはこのようになりました。実はこの中に1日目のデータは含まれていませんが、それは2日目に判定周りにアプデを入れたので比較できなくなっているのと単にデータをとっていないためです。このスコア、はっきり言って頭おかしいです。たった2日間の限られた時間、しかも既存の音ゲーと感覚が大きく異なる中、最高難易度がここまで攻略されるとは想定していませんでした。自分も一応弱くはない部類に入る音ゲーマーですが、本物の音ゲーマーに「わからせられた」気分です。本当に凄かった。最高難易度は一般大衆だけでなくヤバい人たちも引き寄せるようです。
反省点
成功したからといって反省点が無かった訳ではありません。
譜面が難しい
まず大きなものとして、譜面制作者が全員つよい音ゲーマーだったため一番下の難易度でも音ゲーの経験が少ない人からするとかなりの難易度があった点です。これは音ゲーマーの悪い癖が出たなと思いました。1日目にプレイする人を観察していてこれはなんとかしなくてはと思い、2日目に一番下にもう1つ本当に初心者用の譜面を追加することで解決しました。また低難易度に限らず、自分も自分でプレイヤーに配慮のないソフランを入れてメンバーに批判されるなど調子に乗った行動がありました。これらを受けて譜面の推敲をもっとしっかりするべきだったと思いました。
判定がFASTに偏る
自分は音ゲーの判定タイミングが人と比べて違っていて、例えばチュウニズムでは判定タイミングAは+1.8、maimaiでは+1.5、オンゲキでは+2.0にするほど圧倒的にLATEに偏る人間です。ゆえに一般人の感覚が分からず、Senirenolの判定タイミングを自分に合わせて調節してしまいました。LATEに寄る自分がプレイしてFASTとLATEが均衡するように調節したので、一般人がプレイするとそれはもう大量にFASTが出ます。2日目に再度調節し直しましたがそれでも足りませんでした。これも予め他の人に試遊させて意見を募るべきでした。
細かい点の未実装
人間誰しも直前にならないとやる気が出ないもので、自分も工大祭直前になるまで大した進捗を生んでいませんでした。当然直前になって慌てて徹夜する羽目に。それゆえにノーツを処理したときのエフェクトやコンボが増えるときのアニメーション、UIの配置などが未実装または中途半端な状態で当日を迎えることになりました。
直前になっての依頼
訳あってギリギリまで譜面制作や楽曲提供の依頼を仲間にしていなかったので、直前にタスクを振ったりしてかなり申し訳ない事をしてしまったなと思いました。一人でなんでもしようと思わないほうがいい…
最後に
えー、たった今このゲームのデータが吹っ飛びました。具体的には10月25日時点の状態に戻ってしまいました。悲しいです。頑張って戻します。
制作陣
hijoushiki
やったこと
サウンド以外全部
コメント
このゲームを企画した非常識(固有名詞)です。サウンド以外大体全部やっているというのは、元々訳あってこのゲームを一人で作ろうとしていたからです。ですが、思い切って楽曲提供の依頼を送ったことと、イキリ虻さんが自ら協力を申し出てきたことをきっかけに多くの人が集まり、結果として内外から予想を遥かに超える反響を頂く大成功を収めることができました。多くの人の協力がありながらも工大祭直前は徹夜をする羽目になるギリギリの状態になったので、もしあのまま一人で突っ走っていたらどうなっていたか考えるだけでも恐ろしい…その辺りの開発秘話は別でブログにするのでそちらもご参照下さい。開発に協力して下さった方々、当日遊んで下さった方々、本当にありがとうございました!音ゲーこそがナンバーワン!
YHz_ikiri
やったこと
譜面制作、楽曲提供
コメント
ReZ0NANCΣの譜面を担当したYHz / イキリ虻です。実はBu9 0f 7oo H1GH Fr3quencyの作者でもあります。Confrontのレベルを「?」にしようといったのも私です。それなりの譜面を作ろうとしたら最強の譜面ができて最強の人に最強のスコアを出されました。最高難易度の譜面には謎の引力があり、たくさんの人が遊んでくれましたが、たくさんの人に遊ばせる譜面はしていないので困惑しています。
s9
やったこと
譜面制作
コメント
Confrontの譜面制作に関わりました。楽しんでもらえていたらうれしいです。
minagumo
やったこと
譜面制作
コメント
Bu9 0f 7oo H1GH Fr3quencyの全難易度の譜面制作を担当しました。Despair難易度に関しては、初見では陰湿にしか見えないが分かれば楽しい譜面を目指して作りました。想定運指、読み取ってくれたかな?
Cd_48
やったこと
楽曲提供、譜面制作
コメント
Confrontの楽曲提供と、I CAN BE A HEROおよびhallucinationの譜面制作を担当しました。工大祭当日、音ゲーに自分の曲、譜面が入っているのを見てとても感動しました。最高の場を企画、提供してくれた非常識君に超絶感謝です。来年は最強の楽曲を提供します やります
vPhos
やったこと
楽曲提供
コメント
ReZ0NANCΣとI CAN BE A HEROを提供しました。どちらも多くの方に楽しんでもらえたようで、作曲者冥利に尽きます。ありがとうございました。次回があるならば、もっといい曲を提供したいですね。
shogotin
やったこと
楽曲提供
コメント
hallucinationを作らせていただきました、しょーごです!今回非常識君からお声をかけて頂き新たに書き下ろしました。自分の曲が音ゲーに収録され、筐体から流れてくるのがものすごく感動し、プレイして泣きそうになりました…楽しんで頂けたら幸いです!