こんにちは、18B改め22Mのoribeです。
普段はイラストを描いたりweb開発をしたりしています。
最近はCPCTF22楽しかった〜って感想落書きが運営に見つかって、公式Writeupの投稿イメージに使われてしまうなどしました。怖いですね。
さて、みなさん、T2SCHOLA使ってますか?
講義資料をダウンロードしたり、課題を提出しようとすると使うことになりますよね。
ほぼ毎日触ることになるT2SCHOLAですが、正直「使いにくいな……」って思うこともあったりしませんか?
そんなみなさんに朗報です!
なんとT2SCHOLAの開発には誰でも参加できるんですね。
T2SCHOLAの開発にどんどん参加して、自分たちの手でT2SCHOLAを使いやすくしていきましょう!
T2SCHOLAとは
T2SCHOLAは2021年4月から東工大で使用されている学修管理システムです。
オープンソースのMoodleがベースになっており、その上に独自の機能が実装されています。[1]
学生ごとの受講状況が管理されており、講義資料や課題といったリソースを教員と学生がやり取りするプラットフォームでもあります。
以前そのようなプラットフォームとしてはOCW-iという別のサービスがありました。
1年間の並行稼働期間を経て2022年3月25日にサービスを終了し、今年度からはT2SCHOLA一本になりました。
本当にT2SCHOLAの開発に関われるの?
正確には、T2SCHOLAそのもの開発に関わることは難しいです。(運用・保守の請負は入札制[2]なので不可能ではないですが)
しかし、そのベースとして使われているMoodleはオープンソースであり、誰もが開発に参加することが可能です。
T2SCHOLAは独自機能が追加されているもののコアの部分はほぼMoodleそのままなので、Moodleの開発に参加することで間接的にT2SCHOLAの改善に貢献することになります。
ちなみにUIデザインまわりについては独自に実装されているため[3]、Moodle上で変更してもT2SHOLAには反映されない可能性が高いです。
Moodleにコントリビュートするには
オープンソースプロジェクトの開発に参加することを「コントリビュートする(貢献する)」と言います。
Moodleは様々な観点でのでのコントリビューターを広く募集しています。
Contributing to Moodle - MoodleDocs
募集されている主なものは以下の通りです。
- Development: プログラミングによる貢献。新機能の開発、バグ修正などを行う。
- Documentation: ドキュメント執筆による貢献。ユーザー向けの使い方ガイドや開発者向けのガイドなど。
- Translation: 翻訳による貢献。Moodle上で表示されるテキストの多言語対応、改善を行う。
ここではプログラミングなどの知識がなくてもできる、Transltaionについて紹介します。
Moodleに翻訳コントリビュートしてみよう
Moodleのデフォルトの言語は英語ですが、100言語以上でlanguage packが用意されています。[4]
T2SCHOLAではその中の日本語のlanguage packが使用されています。
このlanguage packに収録されている日本語訳を追加・改善することで、T2SCHOLA上のテキストがよりわかりやすいものとなります。
では、実際の翻訳コントリビュートの流れを見ていきましょう。
アカウントを作成する
まずはlang.moodle.orgでアカウントを作成しましょう。
Moodleの翻訳作業はこのプラットフォーム上で行われています。
翻訳作業を行う対象を選ぶ
ログインして翻訳作業ページを開いてみましょう。
「Languages」で「Japanese」を選択すると、英語の原文とその日本語訳がずらっと表示されます。
現在「Components」のフィルターで「core」にだけチェックを入れているのですが、対象のテキストは2129個。多いですね……。
ここから適当に対象を探してもいいのですが、今回は明確に改善したい対象が決まっている前提で進めていきます。
対象として選んだのはこちら。
ヘッダーにある検索欄に表示されている文字です。
この「あなたの検索クエリを入力してください。」という文章、めっちゃ直訳感がありますよね……。
機能を説明する文章として間違ってはないのだけど、もっとシンプルにわかりやすい日本語表現あるよね?みたいな。
これを改善していこうと思います。
「Components」フィルターでは「All」ボタンをクリックして全てにチェックを入れ、「Substring」で日本語訳の文章を入れて検索すると……。
見つかりました!
翻訳を改善する
原文の「Enter your search query」はいい感じにシンプルでわかりやすいですね。
日本語訳もこれくらい簡潔なものにしましょう。
今回提案する「検索クエリを入力」を、もとの日本語訳が入っていたテキストボックスに入力します。
今回は1つのテキストの改善のみで終了しますが、複数のテキストの改善提案をまとめて行っても構いません。
一通り改善作業が行えたら、「Go to the stage」をクリックして提案の提出操作に移行します。
改善案が間違っていないことを確認し、どういった改善をしたのかを英語で簡単に書いて提出します。
レビューを待つ
日本語のlanguage packのメンテナーにレビューされるのを待ちます。
どうやら日本語のメンテナーは少ないようなので、レビュー結果が返ってくるまでしばらくかかるかもしれません。
レビューされたらアカウント登録に使用したメールアドレス宛に通知メールが来るので、のんびり気長に待ちましょう。
2週間ほどでレビュー結果が返ってきました! Acceptedです!
採用(Accepted)されればそのままlanguage packに反映されますが、もちろんここで却下(Rejected)されることもあります。
却下の理由は「訳として間違っている/不適切」以外に、「他と用語を統一しているので変えたくない」などもあるので、あまり落ち込まないようにしましょう。
T2SCHOLAに反映されるのを待つ
レビューされてすぐT2SCHOLAにまで反映されるわけではありません。
課題の提出ついでに該当箇所をのぞきに行ったりしながら待ちましょう。
……反映されてる!!!
終わりに
オープンソース活動というと実際にコードを書いての貢献ばかりがイメージされがちですが、こういった翻訳作業やバグ報告、新機能提案なども立派な貢献です。
スキマ時間にサクッとオープンソース活動をして、T2SCHOLAをもっと使いやすくしていきましょう!