この記事は夏のプログリレー9日目の記事です
こんにちは。21Bのいろりです。普段はグラフィック班で絶望的なセンスの無さに泣きながら絵を描いたり、SysAd班でVScodeってどうやって使うんだっけとか言いながら部内のWebサービスの改善に取り組んで(もうとして)います。
Web小説
Web小説? 小説家になろう? 異世界転生? となるのが普通の反応だと思いますが、ファンタジーを読まずに恋愛ジャンルばかりを読みふける人も中にはいます。私です。
頭の中で「なろうの恋愛 = 幼馴染ざまぁ」となったあなた、ちょっと待ってください。小説家になろうのランキング(現実世界〔恋愛〕)には確かに幼馴染ざまぁも沢山並んでいますが(そして名作もたくさんありますが)、それ以外の名作もたくさんありますよ。
そして2次創作がメインのWeb小説サイト、ハーメルンにもオリジナル作品の名作はあります。
その名作達は紹介してもしきれないのですが、今回は「世界観に引き込まれるWebオリジナル短編小説」というテーマに合うものを紹介していきたいと思います。その割には現代恋愛や中編も若干入っていますが...
前置きはこれくらいにして、
さぁ、Webオリジナル短編小説を読もう!
一話完結
1.ディラックの海に溺れて
これ最高ですよ。私にはぶっ刺さりました。テキストエディタのみで交わされる会話。近いようで遠い距離感。
恋愛というよりSFですね。恋愛しか読まないと言ったな、あれは嘘だ。
じゃあ、あまあま恋愛小説はないのかって? ここにありますよ。きっとあなたのお眼鏡にかなうはずです
2.推し声優が結婚して落ち込んでいたら声真似が上手な幼馴染に慰めてもらった
かわいい^^。なんといってもヒロインの無愛想な毒舌とあまあまな声真似のギャップが良さ。声優というテーマがうまく生かされている良作です。
えっ、ハーメルンばっかだって? なろうはやはりテンプレものしかないのかって? そんなことはないですよ、この小説はどうですか?
3.転生者の私に挑んでくる無謀で有望な少女の話

天才になりたかった私、天才が故に孤立していた少女。
Web短編小説紹介でこれは外せませんね。ただ書籍化しているので知っている人も多いかもしれません。私は買いました。買って損はさせませんよ。
なろう+小説化っていうと、「俺Tueee」とか、「異世界でハーレム築いたったわwww」ばかりなイメージがあるかもしれませんが、全肯定奴隷少女(MF文庫J)をはじめとした流行と異なる小説もあったりします。全肯定奴隷少女も小説家になろう上で読めるので是非是非読んでみてください。(無論俺Tueee等も面白い小説はたくさんありますよ)
ちょっと嗜好を変えてみてこれは?
4. 彼女は『異世界小説』がきらいだった

うーん。余韻が素晴らしい。好き。
二人きりの終末的な世界観、そして意志を持って「僕」の世話をする彼女が最高にかっこいい。好き。
口直しにあまあまなやつをどうぞ。
5. 幼馴染があからさまな嘘をつく。素直クールな女の子。

素直クール系ヒロインに「嘘をつきやすい」という属性を持ち込むのは斬新ですね。そしてそれがこの話のテンポの良さを出しています。そして何よりヒロインがかわいい。
この作者は素直クール幼馴染ばかり書いてますが、その全てがいいです。神か? 砂糖まみれなのに、あっさりしていていくらでもいけますよ。
6.「ねぇ先輩、『かわいい』だけじゃダメですか?」

私は少女の葛藤や感情を読むのがすごい好きなんですが、この小説ではヒロインの「先輩」に対する執着が丁寧に描かれていています。最後まで目が離せません。ごちそうさまでした。
メリーさん
7.私メリーさん。今、標的が月にいるの。
掲示板形式ってハーメルンならではですよね。
ハーメルンは個人運営で書籍化のコンテストもありませんが、ハーメルンならではの機能が多く実装されています。だからハーメルンならではのオリジナル小説がたくさん生まれるんですね。
メリーさん傑作多くないか?
一話完結の最後にはこれを
8.僕は結局、朝宮珊瑚には勝てなかった

ある意味王道ですし、中盤で結末は予想できてしまう(まぁハッピーエンドって書いてあるし)ものの、王道だからこその良さがあると思います。「僕」の心情を丁寧に描き切っている。泣きました。大好きです。
短編
9.独裁者な幼馴染みを辱める話
独裁者系幼馴染み。その世界観をうまく活かしたコメディ(時にシリアス)が繰り広げられています。そしてヒロインがかわいい^^。
次はちょっとシリアス。恋愛というよりヒューマンドラマかな?
10.妹のためなら死ねる
最初の方、なかなかぶっ飛んだ人物が出てきますが、最初の方のシュールさが重い日常を中和していると考えると、すごくよく考えられた作品だと思います。
終盤への疾走感、そして最後のレシートを渡すシーン。感動不可避。
メリーさんその2
11.徒歩でくるメリーさん
素晴らしい。大事なものを思い出させてくれる気がします。尊い。
今度は何かを「創り出す」というコトについて。短編というより中編かな。
12.わたしはかつて、Vtuberだった。
綺麗〜。この小説には描写の中に一種の生々しさや毒が含まれています。でもそれが主人公達のクリエイターとしてのリアリティや深みを感じさせます。そしてそれを綺麗なタッチで描き切っている。私がかなり影響を受けた作品です。
13.三体系のエントロピー
こういうの好き。
まだ読んでいない人がいるかもしれないので、あまり深入りはしませんが
「私と彼女はインコヒーレントな光なんだよ。きっと、彼女とは干渉できない。そして、私も彼女もいたって理性的なのだけれど、余人からみれば不条理な判断しかできていないように見えるんだ」
のあたりとか、物理系美少女が憂鬱げに話しているところを想像するとゾクゾクしません?
え、シリアスが過剰? そう思って、何も考えずに読める小説を持ってきましたよ
14.幼なじみがヤンデレ

ジョークと壊れっぷりと優しさがいい感じに調和しています。小説内で流れている雰囲気が心地よい。
一話一話が宝箱に詰まった宝石の数々のように感じさせます。綺麗。各話のタイトルでもセンスが光ってますね。
次は、日常生活の中での「愛」を正面から描き切ろうとした作品です。
15.青い鳥症候群

超能力。手の内にある幸せを代償に、願いを叶える能力。
いい作品じゃないわけないんだよなぁ。
「いつかきっと、柚希のことをもう一度好きになる。思い出も全部思いだしてみせる。だから、それまであたしの側にいてね」
この記事の最後はこの小説で締めくくりましょう
16.聖剣は抜けない
いかがでしたか
たかがWeb小説と侮るなかれ、この記事の中で一つでもぶっ刺さった作品があれば幸いです。
どの作品も短いながらも(だからこそ)、多すぎず少なすぎず、全てが完成されているように感じます。この点が商用小説にない、Webオリジナル短編ならではの良さだと思います。おすすめの小説があれば是非私に絡んでくださいね。
では、Web小説でよい夏休みを!
次回はreyuさんです。楽しみ〜