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2016年12月5日 | ブログ記事

マリオメーカーで学ぶステージ作り考察

アドベントカレンダー5日目ですね!dermasと申します。
ゲーム制作の工程の一つであるマップデザインについて考えていきたいと思います。

マリオメーカー単体で「こんなコースを作るといいよ!」という記事はネット上に114514件ほどありますが、
私はマリオメーカーのステージ作りから学んだ「2Dアクションゲーム」に通ずるようなポイントを挙げていこうと思います。
何せ既出の記事の数が多いので被りも多いと思いますが、ご容赦ください。

この記事の目指すコースづくりの目的は「プレイヤーが面白いと思える」コースづくりです。
「制作者側が面白いと思う事」と「プレイヤーが面白いと思う事」は結構ズレてたりするので気を付けましょう。
あと、ここで考察するのはいわゆる「鬼畜ゲーム」と呼ばれる、やられる事自体に楽しみを求めるゲームでないということにもお気を付けください。

大まかに

テーマを明確にして活かしたい仕組みを考えよう

そのコース全体に通ずる大きなテーマを決めましょう。この敵をたくさん出したい、この地形を使いたい、一つのテクニックで攻めたい…
テーマがあることで全体としてまとまりのあるコースができるようになります。
あと、仮でも名前を付けてあげるとコースに愛着が沸き、よりよいコースづくりを心掛けられるようになりますよ。20161204_171205

先の読めない展開のコースにしよう

コース全体に通ずるテーマを決めたとはいえ、マンネリはつらいです。無意味な繰り返しは避けて、
テーマに対するアプローチを変え、「そうきたか」と思ってもらえるようにしましょう。

一歩先の読めるコースにしよう

一見↑と言っていることが逆ですが、こちらは「一歩」がついています。

これは「動作の終着点が明確なコース」「プレイヤーの期待通りに自機が動けるコース」ということができますね。
例えば地面の見えない高い山から右方向にジャンプしたとき、地面が無くてそのまま落下死したというのは結構ストレスが溜まります。
ジャンプの着地点、安全地帯、回復ポイントなど、プレイヤーが次の目標地点を定めることができて、そこに期待通りいくことができる(その過程の難易度は問いません)と気持ちよくプレイできます。
穴の前に隠しブロックを置く行為はこれに反するので「ジャンプすれば向こう岸に着ける」というプレイヤーの期待を裏切り、「何だそれ」となってしまうわけです。

「製作者がやって面白い」は「プレイヤーがやって面白い」の必要条件

自分が作っていて面白くないと思うコースはたぶん他の人がプレイしても面白くないです。
まずは自分が楽しいコースを作ること。他人の評価はその次です。
(ただ、自分は面白いけど他人はつまらない、ということはあるので身近な人にプレイして意見を求めましょう。)

制作者が出来ないことをプレイヤーが出来るわけない

ステージ製作者は大抵の場合そのゲームの操作が上手いものです。
また、作りながら何度もチェックしているので、そのコースに対してのスキルがどんどん上がっていきます。
完成後のテストプレイで1発クリアできないコースは既に「難関コース」
テストプレイでなかなかクリアできないコースは「まずクリアできないコース」となってしまっていることが多いです。

ゆとりを持たせて難易度を下げましょう。

↓は僕が15時間かけて作ったコース。自分では調整出来たと思いましたが、残念ながら難しすぎます。20161204_171518

ギリギリ感は大事。ギリギリはやめよう

プレイヤーはクリアするまでにかかったストレスが大きいほどクリアしたときに大きな喜びを味わいます。
喜びを増幅させるための「ストレス」は一通りでは無いでしょう。
パッと思いつくのは時間とか難易度でしょうか。しかしあまりに難しかったり長かったりするとクリアする前にプレイをやめられてしまう…
プレイヤーごとの力量がバラバラなのでそれにピッタリ合ったコースを作るのは難しいです。
もっと手軽にストレスを与える方法はないのでしょうか。

それは「緊張感」です。(見出しにギリギリ感とあるのでバレバレでしょうか)
クリアできるんだろうか…という**「ギリギリ感」は"実際の難易度にかかわらず"プレイヤーに適度なストレスを与え、クリアしたときの喜びを増幅させます。**
後ろから迫る溶岩(基本的には当たらないよ)
高所でのジャンプ(実は画面下部の見えないところに床があるよ)
すごく遠い向こう岸(やってみると意外と離れてないよ)などなど。

ただ、本当にギリギリでフレーム単位で精密な動きをしないと間に合わないとか、ドット単位でみてジャンプしないと届かない、というのは話が別です。
それはもうギリギリ感とかではなく単純に難易度が高くて必然的に繰り返しが無限に要求されるだけなので。
あくまで「実際はわりと簡単にできるけどそれ以上に緊張する」というのが大事なわけです。

↓の画像、見た目はチャンス一回のように見えますが、大砲より奥に行ってしまえば今見えない場所に足場があります。20161204_171409

製作者がプレイヤーの横でアドバイスするようなコースは最悪

仮完成したコースを世に出す前に身近な人にプレイしてもらう、という機会があると思います。
身近な人がなかなか上手く進めない場所があっても製作者は横から「こうすればいいんだよ」と教えて満足していてはいけません。
多くのプレイヤーは製作者のいないところでプレイするわけですから、一目で、(出来れば文字なしで)伝わるデザインを考えましょう。
(実際なかなか難しいもので、僕が作ったコースにも結構分かりづらい部分があって、反省の連続です。)

細かいところですが

コインは全て取れるように配置しよう・ゴールの最高点をとれるようにしよう

一部のプレイヤーは見えているコインを全部取りたいし、ゴールはてっぺんにつかまりたいものです。
取れそうなのに取れないコインをむやみに配置するのは止めましょう。(左の画像のコインは足場用なので区別されます。)
あと、ゴールのてっぺんを蓋しているコースをたまに見かけますが、意味が分からないですね。
必ずてっぺんの魅力を残しておきましょう。僕はこんな感じに一工夫必要な感じにしています。
20161204_17182120161204_172251

全てのコースでタイムアタックができるように作ろう

基本的にテンポは大事です。スタートして右に走っているとちょうどのタイミングでトゲが出てきて通行止めになる…というのはストレスですね。
普通のアクションにしても謎解き系にしても、進み方さえ分かって入れば基本的にダッシュボタン長押しでぐいぐい進める、というのが理想でしょう。
(そういう意味で強制スクロールのステージを嫌う人も多い)

特定の技術に偏りすぎたステージを作るのは控えよう(クリアしないと進めない系のゲームの場合)

例えばマリオ(マリオメーカーにあらず)のようなゲームクリアへの道が基本的に一本道で、ほぼすべてのコースをクリアしないといけないようなデザインの場合
あるテクニック(壁キックみたいな)を酷使しすぎるコースを間に置くのはやめた方がいいでしょう。テクニックが足りていなくてもなんとかほかの方法でもって前に進んでいける…というのが排除されているとただの壁になってしまい、そこから進めなくなってしまいますからね。
脇道とかエキストラコースみたいな扱いで出すのはおおいにありだとは思います。

個人的に気にかけているのはこんなところでしょうかね。
ぶっちゃけただ難しいコースは誰にでも作れるので、絶妙な難易度で楽しいコースを作りましょう。

すべてのブロックに意味がある!

これが私の信条です。

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この記事を書いた人
dermas

四六時中様々なゲームをしています。 ステージ作りの自信があります。 音ゲー制作経験アリ

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