この記事はAdC2020 4日目の記事です。
こんにちは。trapサウンド藩士リキッド(@liquid1224)です。
今回はM3-2020秋で頒布した、ソロ1stアルバム「Optima Firmament」収録曲を題材に、音作りの手法を公開したいと思います。部の内外問わず、「音作りが独特で面白い」と言われ続けて早1年半とちょっと。そろそろ公開しちゃってもいいかな、という気分になったので、書いていて飽きない程度に公開しちゃいたいと思います。
こういうと大げさに聞こえますが、実はどれも単純な効果の組み合わせで出来ており、蓋を開けてみるとがっかりするタイプのものばかりなので、あまり期待はしないでください。
それでは早速
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tr2「Bionik Slope」, tr3「H.L.V.」
まずサンプル音源です。
で、今回見せびらかすのはこの音。
はい、誰がどう聴いてもSynth1の音ですね。レシピドン!
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Synth1
ベースとユニゾンしてるだけの音なんですが、フィルターのレゾナンスが強く掛かっている+矩形波のP/Wが動いているので、うねうねした音が乗っかているように聴こえます。このウネウネが、キーボードを押すごとに途切れてしまわないように、Legatoモードになっているのがミソです。
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brainworx bx_console SSL4000E
ローカットして8k以上をシェルビングで上げています。そんだけですね...。
tr6 「山雨欲来風満楼(内在する神性への開眼)」
サンプルドン!
で、解説するのはコレ。
はい、スネアですね。最近になってようやくスネアの処理がテンプレ化してきたので、ざざっと公開してしまいます。
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Steven Slate Drums 5.5
今年の夏に値付けミスで49ドルになってたので導入しました。録り音がとても良いので、加工次第でどうにでも化けます。プリセットも大量にありますしね。
スネアのプリセットは「Snare NaC 6 ALB」です。パラアウトして加工していきます。
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brainworx bx_console N
プリセット「Snare Moderate」をそのまま使ってます。多分。いじっててもコンプの掛かり具合とかローカットの具合とかを若干いじったくらいだと思います。
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Softube Saturation Knob
無料です。ノブを捻るだけで音が良くなる最高のヤツです。Velocity=127のときにアタックがガッツリ引っかかるくらい、を基準に調整してます。ミックスしてみたらトランジェントが死んでてアになることがあるので、掛け過ぎは禁物。
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SSL X-Saturator
最近になってコイツを導入したので、こっちにお株を奪われています。Softubeよりも太くてカッコいいです。偶数倍音と奇数倍音の混ぜ具合や、倍音成分の量などを作り込めるので、汚し具合の調節がしやすく、大変便利です。
デモ音源もSSL使ってるので一応注意。
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Audio Damage Rough Rider 2
アタックは出してやりましょう。ただちょっと回すだけでガッツリ出るので注意。真ん中のゲージが半周するくらい潰したら、MAKEUPで好きなだけ音をデカくすれば良いと思います。正直コンプ部分よりもMAKEUPがキモです。
3じゃなくて2が好きです。理由はこの記事を読んでくださいね。
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最後にもう一回console_Nです。ローカットしてるだけ。通すだけで音が重たくなるのに負荷は重たくないので、こういう贅沢な使い方もできちゃうのです。
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で、コイツを別のトラックにセンドして、ルームリバーブを掛けます。画像のtr4→tr5が丁度それです。テールが短めのリバーブが良いです。ローカットを忘れるな。
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iZotope Trash 2
これだけだとフェーダーバランスとっても浮いちゃうので、リバーブにだけディストーション掛けます。マルチバンドのディストーションがベスト。中域をバリバリに割って、DRY/WETで違和感ない感じに調整して、最後にバランスが元と同じくらいになるようにします。馴染むぞ。
で、DRYの音とバランスを取ってやると音が太くなってカッコよくなるぞ!
聴き比べをしてみましょう。
素のSSD
SSD加工済みDRYのみ
SSD加工済みWET入り
tr7 「狭霧の円転自在たればこそ」、tr10「opto」
こちらサンプルの方となります。
この「ポンッ!」っていう音の解説します。
T-Force Alpha Plus
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まずオシレータ画面です。サイン波を同位相で8つ重ねた音を、毎回同じタイミングで出すのがOSC1、味付けで倍音成分を乗っけてるのがOSC2ですね。FM合成とか色々できるんですけど、今回は何も使ってないです。全体を若干サチらせて、うるさくなった高域を削って、一丁上がり。
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次にモジュレーション画面です。フィルタは全開、LFOも動いてません。OSC1のピッチにだけモジュレーションが掛かっており、コレがアタックを作っています。
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最後にエフェクト画面。何も掛かってません。
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iZotope DDLY
ディレイです。最終的にリバーブを掛けて、なが~いテールを作るのが目的なので、控えめな感じで良きです。
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Melda Production MConvolutionEZ
リバーブです。センドリターンで掛けるのがセオリーですが、音作りのときはDRY/WETでやっちゃうことも多いです。めんどくさいので。
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Native Instruments Raum
またリバーブです。コレはミックスの段階で、シンセサイザーパート全体に掛けるリバーブです。こっちはちゃんとセンドリターンで掛けてます。Raumは余りに非現実的な広いリバーブがお手軽に作れるので、重宝してます。Modulationの効き方がだいぶエモくて好きです。
おわりに
まぁ比較的面白いのはこんなもんでしょう。どうです?別段特別なことやってないんです。
他にもtr4のグリッチが気になるという声も頂いていたのですが、アレは素材を切って並べただけなので語りどころが無いんですよね...。
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そんなわけで、今回題材にした曲はすべてこちらのCDに収録されていますので、気になる方は買うと良いんじゃないかと思います。
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じゃあね。