こんにちは。traPサウンド班のcyanと申します。
クリスマスもだいぶ近づいて来て、街中では電気代がきらびやかに光る昨今ではありますが、残り少ない2019年を大切に過ごしていきましょう。
今日の記事では、コード進行の中でも、みんな大好き王道進行について扱います。
- この記事で対象となるのは、王道進行の曲中での使われ方についてある程度理解している方になります。王道進行?何ソレオイシイノ?な方は置いてけぼりを食らう可能性があります。
- レア度は著者による独断と偏見で決めています。
- コード進行は普通、
ギリシャ数字 + 和音の種類 ( + テンションコード ) / 分数コード
で書きます。本記事では和音をkey = C の時のコードで表記、テンションコードは数字の左に+, -をつけて、#,♭を表すものとします。
例: ⅣmM7(#9)/Ⅱ → FmM7(+9)/D
王道進行の曲中での使われ方
王道進行には様々な使われ方があります。いくつか紹介しておきます。
王道進行のみを繰り返す
ボカロに多い印象です。
[王道進行] → Dm → G → CM7 → C7
J-popに多い印象です。
C → G → Am → Em → [王道進行] → Dm → G
「カノン進行」の中に王道進行を埋め込んだ形です。たまに見ます。
C → Bm7-5 → Bdim/E → Am → Gm7 → C7 → [王道進行] → Dm → F#dim → G
1つ上の進行をさらにアレンジした形です。
C → Em → [王道進行] → Dm → G
王道進行が中央で分断されます。一見、別の進行に聞こえるかもしれません。
王道進行とその派生の進行
普通の王道進行
F7 → G7 → Em7 → Am レア度:★☆☆☆☆
F → G → Em → Am レア度:★☆☆☆☆
上はネットで検索すると出てくるコードです。下は上のセブンスを無くした単純な形です。様々なジャンルの曲で多用されているために王道進行という名前がついています(多分)。オシャレな進行ですが、多用されすぎたために「ありきたり」「聞き飽きた」という印象を持たれるかもしれません。それを解消するために、少し変化をつけた王道進行が最近ではよく見かけるようになりました。
4小節目変化
F → G → Em → A レア度:★★☆☆☆
最後がマイナーではなくメジャーになっています。
F → G → Em → Asus4, A レア度:★★☆☆☆
4小節目を2つに分解し、Aに行く前にsus4を挟みます。上の進行よりもスムーズにメジャーに移行できます。
F → G → Em → Aaug, A レア度:★★★☆☆
これではAugを挟みます。こちらもスムーズに進行しますが、上の進行よりも稀です。
F → G → Em → E♭dim レア度:★★☆☆☆
王道進行の後にDmが来る場合に、滑らかに繋げることが出来ます。
F → G → Em → A7(-9, -13) レア度:★★★★☆
ジャズに出てくるような複雑な和音です。なかなかお洒落です
3小節目変化
F → G → G#dim → Am レア度:★☆☆☆☆
ルートの音がF→G→G#→Aと滑らかにつながります。
F → G → Em7-5 → A レア度:★★★☆☆
4小節目がメジャーな点に注意。3小節目をEm7-5を挟むと、メジャーに滑らかに進行できます。
2小節目変化
F → G/F → Em → Am レア度:★★☆☆☆
分数コードにするだけですが、中々いいアレンジです。
F → Fm → Em → Am レア度:★★★☆☆
F→Fmに進行します。Fmは、Fm6, Fm7, FmM7に置き換え可能です。
F → B♭7 → Em → Am レア度:★★★★★
普通こんな進行思いつきません。最初に思いついた人は神です。
F → G#aug/B♭ → Em → Am レア度:★★★★★
上の亜種です。
1小節目変化
Dm7 → G → Em → Am レア度:★★☆☆☆
最初を変えることも可能です。
F#m7-5 → F(m) → Em → Am レア度:★★★☆☆
王道進行が含まれるフレーズを繰り返すとき、2回目だけをコレにする使い方をよく見ます。切ない感じになります。
分類不可
王道進行と言えるのかも不明なところです(たぶん言えない)。一応、王道進行と置き換えが可能な進行ということで載せておきます。
Bm7-5 → E → Am → D レア度:★★★☆☆
有名な3大進行「王道進行」「カノン進行」「小室進行」の次くらいにこれを入れてもいいんじゃないかって思います。
F#m7-5 → B7 → B♭M7 → A7 レア度:★★★★★
どうやったらこんなの思いつくの...
進行は他にも存在しますが、とりあえずこれくらいにしておきます。
上の進行は、ものによっては組み合わせても使うことができます。
チャート図
チャート図(?)を作成しました。ヒューマンエラー注意。
おわりに
終わりです。ありがとうございました。
チャート図を作成して理解した気になっている作者ですが、色々な曲を聴いていけば王道進行のパターンはまだまだ見つかると思います。みなさんもよければ上に載っている進行を使って曲をアレンジしたり、新しい進行を探したりしてみてください。
次はramuneさんの記事です。お楽しみに!