この記事は新歓ブログリレー2019 21日目、3/29の記事です。
こんにちは。
ぱそこんおままごとのひとのFourmsushiです。
今回は ぱそこんおままごとの中でも、LinuxをメインOSとして使うことについて紹介します。
記事の内容を試す際は自己責任で、よく調べてから試してください。
想定読者
- 「LinuxとかWSLでちょっと触ったことがあるだけなんだが?」みたいなひと
- Windowsに不満は感じているが、LinuxもmacOSも使ったことないひと
- ぱそこんマジでわからないけどTwitterに流れてきたからとりあえずクリックしたひと
Linuxのディレクトリ構造とかsystemdとかSELinuxとかそういう難しいやつについては書いていません。
おままごとなので。
あと、コマンドひとつひとつを細かく解説することもしていません。私が説明するよりも自分で調べたほうが良い結果を得られるでしょう。
Linuxって何…?
Linux® は、オープンソースのオペレーティング・システム (OS) および IT インフラストラクチャ・プラットフォームです。Linux は元々、1991 年に Linus Torvalds 氏が趣味として考案し開発したものです。Linus 氏は大学在学中、Unix の原則と設計に基づいた MINIX オペレーティング・システムの代わりとなる、無料のオープンソース版を作成したいと考えました。その趣味が高じて開発されたシステムは、今や最大のユーザーベースを持つ OS、公開中のインターネット・サーバーで最も使用されている OS、そしてトップ 500 の最速スーパーコンピュータで使用されている唯一の OS となっています。
Red Hat「Linux とは」(https://www.redhat.com/ja/topics/linux) より 最終閲覧日:2019/03/09
Linuxはプログラミングの環境やサーバーなどで広く用いられているので、そのような世界に足を踏み入れるにあたって接触は避けられないOSだといえるでしょう。
この、タイトルにあるArcoLinuxっていうのはなんですか
それについて説明する前に、Linuxについてもう少し説明しておきます。
Linuxは、狭義でLinuxカーネルのことを指し、ハードウェアの管理、プログラムの実行などをはじめとして様々な機能を受け持っています。
Linuxカーネルだけでは使うのがむずかしいので、ほとんどの場合はGNUプロジェクトのプログラムと組み合わせて使い、しばしば「GNU/Linux」と呼びます。
実際、「Linuxコマンド」と呼ばれるものの多くはGNUプロジェクトのプログラムであり、これからそのいくつかを使っていきます。
GNU/Linuxに更に様々なプログラムを追加し、多くの人々にとって使える形にしたものをLinuxディストリビューションといいます。それらのうち代表的なものを、いくつかここに書いておきましょう。
- Debian
- パッケージ管理システムにAPTを使用する、多くの派生をもつディストリ。
- Ubuntu
- Debianの派生で、利用者が多い。日本語情報が多くて検索しやすい。
- Linux Mint
- Ubuntu、Debianの派生で、利用者が多いらしい。
- Red Hat Enterprise Linux
- Red Hat社による、商用OS。安定性、セキュリティ、サポートなどが売りらしい。
- CentOS
- ↑のRHELから由来するが、商用サポートなどはない。無料。
- Fedora
- 最新の技術を積極的に取り入れる、革新的なディストリ。RHEL系。不安定?
- Arch Linux
- シンプルで、かつ使いやすい、ローリングリリースベースのディストリ。
- openSUSE
- よくわからないですごめんなさい カメレオンがかわいい?
- Android
- ドロイドくんがかわいい。
様々なディストリビューションがあり、ユーザーはその中から自分の用途・好みに適したものを選択することができます。
そろそろArcoLinuxについて話をしましょう。
ArcoLinuxはArch Linuxから派生したディストリで、Arch LinuxはArchWikiに莫大な量の情報を持つため、わからないことがあったらすぐに参照することができます。
また、ローリングリリースモデルをベースとしているため大型アップデートのたびに頭を悩ませるということもありません。
Arch Linuxの派生にはいくつかの選択肢がありますが、その中でもArcoLinuxは素のArch Linuxに近く、カスタマイズするのに適しています。
ArcoLinuxはArch Linuxをユーザーが学習することを目標として作られたディストリで、おままごとにはうってつけといえるでしょう。
VirtualBoxにインストールしてみよう(蛇足)
これを読んでいる方の多くはWindowsかmacOSを使っているでしょうから、VirtualBoxにインストールする方法をまずは紹介しましょう。
Windowsを用いて紹介しますが、macOSをお使いの方もほぼ同様の手順で問題ないはずです。
0. 仮想化支援機能を有効化する
お使いのPCのBIOSを開き、仮想化支援を有効にしてください。
1. VirtualBoxをインストールする
してください。特に難しい手順は必要ないはずです。
2. ArcoLinuxのISOを入手する
こちらからArcoLinuxのISOをダウンロードします。いくつか種類があると思いますが、緑色の「Download Latest Version」から最新版をダウンロードするのがよいでしょう。
3. VirtualBoxで仮想マシンを作成し、インストールする
VirtualBoxを起動し、仮想マシンを新規作成します。タイプは「Linux」、バージョンを「Arch Linux (64-bit)」とします。メモリはお使いのPCのスペックに合わせて調整してください。
私は4096MB割り当てました。仮想ハードディスクはVDIで可変サイズ、32.0GBとしました。
仮想マシンの作成が完了したら、起動ボタンをクリックして起動ハードディスクに先ほどダウンロードしたISOを指定します。
しばらく待っているとインストーラが起動するので、画面の指示に従ってインストールを進めていきましょう。パーティションの項目では、「ディスクの消去」を選択してください。
インストールが完了したら、再起動せずに一度右下の「liveuser」をクリックしてシャットダウンしてください。VirtualBoxの「設定」から「ストレージ」の項目にあるISOの割り当てを除去し、起動してみましょう。仮想マシンにインストールされたArcoLinuxを使うことができます。
4. (任意)(本編)自分のためのISOをビルドする
しばらく使ってみると、「このソフトウェアは余計だな」とか「このシステムじゃなくてあのシステムが使いたいな」、「ここどうなってるのかわからない」と思うことがあるでしょう。
そのようなときには、多くのソフトウェアが入った状態よりも最低限のソフトウェアしか入っていない状態で作業したほうがよいことがあります。
したがって、ここではそのようなArcoLinuxのISOを生成する方法について解説します。
ArcoLinuxがインストールされた仮想マシン上で作業を行うのがよいでしょう。
また、ストレージの割り当てを多めにしておかないと空き容量が足りずに失敗することがあるので注意しましょう。
まず、ビルドするISOのデスクトップ環境を選びます。ここでは /post/425/ で紹介されているi3wmを選ぶことにします。
- ビルドスクリプトをダウンロードする
https://github.com/arcolinuxb から arco-i3 または arco-i3-minimal をホームディレクトリにクローンします(クローンって何?という方は"git clone"で検索してみましょう) - インストールするソフトウェアを決める
クローンしてきたディレクトリに入り、archiso/packages.x86_64
を書き換えます。
自分に必要ないソフトウェアの行をコメントアウト、または消去しましょう。
必要かどうかわからないソフトウェアは残しておくといいかもしれません。
私は
atom、simplescreenrecorder、vivaldi、vivaldi-codecs-ffmpeg-extra-bin、sublime-text-dev、geany、qt5-styleplugins
を消去して
otf-ipafont、scribes、obs-studio
追加することにしました。 - ビルドする
ビルドする前に、yay -Sy
を実行しておきましょう。
installation-scripts
のディレクトリに入り、30-build-the-iso-local-v3.sh
を実行します。
ビルドにはしばらく時間がかかりますので、何か他のことをやっておくとよいでしょう。 - ISOをホストOSに引っ張ってくる
VirtualBoxの共有フォルダ機能を用いてホストOSにISOファイルを持ってきます。
これで、自分のためのISOがビルドできました。
今度は実際に、WindowsがインストールされたPCにインストールしてみましょう。
実際のマシンへのインストール(蛇足)
わたしはmacOSが搭載されたPCを持っていないため、そちらの方法については記していません。
0. インストール用USBの用意
ダウンロード、またはビルドしたISOファイルをUSBメモリに書き込みます。
WindowsならRufusを使って書き込むのがよいでしょう。
1. USBを起動、インストール
USBメモリをPCに挿し、F12キーなどを押してUSBメモリから起動します。
インストールはVirtualBoxでしたものとほとんど同じ手順でできますが、Windowsとのデュアルブートをする場合は「共存してインストール」を選択しましょう。
おままごと 実例集
わたしが普段やっているLinuxおままごとの一部を紹介します。
ウィンドウマネージャはi3wmを使っています。
0. 日本語入力
日本人の多くは日本語を使うでしょうし、Twitterをやっているならなおさらですね。
fictx-mozcを導入します。
$ sudo pacman -S fcitx-mozc fcitx-im fcitx-configtool
で必要なものをインストールしたら、
~/.xprofile
に
export GTK_IM_MODULE=fcitx
export QT_IM_MODULE=fcitx
export XMODIFIERS="@im=fcitx"
fcitx-autostart &
と記入してログアウト・ログインやらなんやらをしてXを再起動しましょう。
日本語入力ができるようになっているはず…
参考:https://wiki.archlinux.jp/index.php/Fcitx
1. AURヘルパーの導入
ArcoLinuxを入れた人はおそらく必要ありませんが、Arch User Repository(AUR)にあるアプリケーションをインストールしまくるにはAURヘルパーを導入する必要があります。
今回は 最近イケてるGolangを使って作られたyayを導入します。
AURのアプリケーションをインストールするにはbase-develパッケージグループとgitをインストールする必要があるので、します。base-develにはAURのインストールに必要なものが含まれており、gitはAURのファイルをダウンロードするのに使うためです。
$ sudo pacman -S --needed base-devel git
準備ができたら適当なフォルダを作り、そこに https://aur.archlinux.org/yay-bin.git をクローンします。
$ mkdir ~/neko
$ cd ~/neko
$ git clone https://aur.archlinux.org/yay-bin.git
(yay-bin
ではなくyay
をダウンロードしてきてもよいですが、コンパイル済みでは無いためGolangの環境が必要になります。)
~/neko/yay-bin
内で$ makepkg -si
を実行するとyayがインストールされます。
yayはpacmanの代わりにも使えるので、インストールしたいソフトウェアがあったらとりあえず使うと幸せになれるでしょう。
参考:https://wiki.archlinux.jp/index.php/Arch_User_Repository
https://wiki.archlinux.jp/index.php/Makepkg
2. VSCodeを入れる
VimやEmacs、Spacemacsなどもいいですが、VSCodeは設定を頑張らなくていいのが嬉しいのでわたしは好きです。
$ yay -S visual-studio-code-bin
で入ります。
3. VSCodeを半透明に
壁紙をいい感じにしたらテキストエディタを半透明にしたくなりますよね。しましょう。
comptonを導入していない人はしてください。
導入したらi3wmのconfig(ここでは~/.config/i3/config
)に
exec_always --no-startup-id compton --config ~/.config/i3/compton.conf
と書いてから
~/.config/i3/compton.conf
を編集します。
opacity-rule = ["85:class_g = 'Code'"];
と書くとVSCodeが半透明になります。
class_g
ははxprop
コマンドを使って取得できるWM_CLASS
の2つ目の項目なので、他にも半透明にしたりなど特殊効果を加えたいアプリケーションがあったら使ってみてください。
参考:https://wiki.archlinux.jp/index.php/Compton
4. なんか起動時に無線LANがオフになるので無理やり直す
ノートPCにLinuxをインストールすると、思いがけないトラブルに見舞われることがあります。
わたしの場合は起動時に無線LANがオフになったりそもそも無線LANのドライバがなかったりしました。今回は前者を直した方法について書きます。
無線LANを:on:にするには、rfkill
コマンドを使います。
いくつか試してみたところ、起動時に# rfkill unblock wifi
を実行すれば問題が解決できるとわかりました。
したがって、systemdのserviceを雑に書いて無理やり解決します。
まず、/opt/rfkill-unblock-wifi.sh
に
#!/bin/bash
/usr/bin/rfkill unblock wifi
と書いてから、# chmod +x /opt/rfkill-unblock-wifi.sh
で実行可能にします。
次に、/etc/systemd/system/rfkill-unblock-wifi.service
に
[Unit]
Description = Enables Wifi
[Service]
ExecStart = /opt/rfkill-unblock-wifi.sh
Type = idle
[Install]
WantedBy = multi-user.target
と書いて保存、# systemctl enable rfkill-unblock-wifi
で有効化します。
これにより、起動時に無線LANが:on:になります。
5. :q
でexit
する
普段はそこまで使いませんが、Vimを使っているとbashも:q
で終了したくなります。
そのようなときは~/.bashrc
にalias ':q'='exit'
と書き込むとできるようになります。
インターネット上では沢山の人が自分の.bashrcを公開しているので、参考にして自分だけの最強の.bashrcを目指してもよいでしょう。
おわりに
この記事の内容は以上となります。
テンションが高い日とそうでない日で書く内容が違ったり、構成を考えずに書いたりしたため滅茶苦茶な内容になってしまいましたが、Linux系OSで遊ぶのが楽しいということが伝わっていれば幸いです。
ちなみに今日私は19時にお風呂に入りました。
明日は@ranさんの記事です!お楽しみに!!!