この記事は新歓ブログリレー202631日目のものとなります。
はじめに
はじめまして。25BのFragiilaです。より多くの方が小説に触れてくださることを願い、この記事を書かせていただきました。
最近の小説離れ
皆様、今までに小説を読んだ経験があるでしょうか。あるいは執筆経験でも構いません。
……残念ながら、大半の人が入試や学校で取り扱ったきり。ましてや書いたことなど、ほとんどないようです。これはとてももったいない。小説というものは皆様が思うよりずっと価値あるものです。この記事を通じて、ぜひそれを知ってほしいと思います。
漫画・アニメで十分、もう小説は要らない?
こういった言葉はたまに耳にします。これほど攻撃的でなくても、「小説は読まないけど漫画・アニメなら」という人は多いです。
それは食わず嫌いというものです。「人生の半分を損している」と言ってもいいです。小説と漫画・アニメの関係は、音楽で言えばクラシックとジャズ。好みは分かれるかもしれませんが、その2つに優劣をつけることなどできません。もし今までちゃんと小説を読んだことがない方は、騙されたと思って1冊手に取ってみてください。
そろそろ本編
前置きはこれくらいにして、そろそろタイトルの話に入ります。ここからは、小説を読み、そして書くことで得られるメリットをお話します。好奇心で小説に手を出そうと思ってくれるのが一番ですが、折角ですから実益のことも話して、皆様を言いくるめてしまおう。そんな魂胆です。
読書のメリット
これは「新たな表現手段を知る」ことが大部分です。表現手段とは言ってもそこまで大規模なものでも、革新的なものでもありません。新しい語彙だったり、言い回しだったり、そういう小さなことを指しています。
以下は『小説ダークソウル 弁明の仮面劇』(マイケル・A・スタックポール[著] 安田均・羽田紗久椰[訳])からの引用です。
乏しい光の中では、何もかもが淡い影とぼんやりした輝きに見えたものの、自分のいる狭い空間の様子ははっきりした。光は、天井に開いた穴から差している。穴は人が一人どうにか通れるほどの大きさで、縁はぎざぎざだ。そこから流れ込む砂が、乾いた霧のように舞い上がり、砂を運ぶ風はしーっと侮蔑するような声を立てた。サソリの群れは穴から落ちてきたのか、別の入り口を見つけたのだろうか。壁に貼りつき、攻撃の機をうかがって尾を持ち上げている。
「光量が少なくてよく見えない」「天井に穴があって、砂が落ちてきている」「壁にサソリがいる」ということだけのことを、こういう風に描写することもできるのです。
おすすめの本
折角なので、ひとつご紹介します。
上で引用したものですね。フロム・ソフトウェア社のアクションゲーム『DARK SOULS』シリーズを元にした小説です。ジャンルはハイファンタジーで、叙事詩のような重厚な雰囲気と文体が特徴。『DARK SOULS』を元にしてはいますが、小説のストーリーが原作と関わることはありません。ですので「ゲームの外伝」ではなく「設定と雰囲気を共有したオリジナル小説」と言った方が正確です。美麗な描写も、重みのあるストーリーも、まさにファンタジーの傑作と呼べる作品です。創作に携わる方々はぜひご一読。
執筆のメリット
「言葉の制御能力」こそが執筆を通じて得られるメリットです。この言い方では何だか大仰なものに聞こえてしまいますが、実際のところは「伝え方を考える」というだけのことです。同じことを言っているのに、言い方ひとつで聞き手の印象が変わってしまう、もしくは上手く伝わらない……、というのはよくあること。この現象をよく研究して、描写をより印象的にしたり、直接書かずとも雰囲気や心情を表現したり、と利用するのが小説の技です。
プレゼン、スピーチ、ゲーム内のテキストなど、この技を応用できる場面はかなり多いです。「印象に残る言い回し」に小説と同じノウハウを使っているからですね。私もサークル内でのプレゼンで、この知見によく助けられました。
与太話
一般論ではありませんが、小説を書くことが別言語を習得する助けになる場合があります。英語やドイツ語などの外国語から、古文、漢文[1]などの古典語まで、対象は選びません。教科書を睨んでいてもまるでわからなかったものを、自分で書いた途端に理解することもしばしば。私の場合は古文についてかなりの成長が見られました。今の時代はAIがあるので、AIに添削を頼むとより効率的に学習できると思います。
それともうひとつ――実益からはかなり、かなり遠い話ですが――、シンプルに考えましょう。
再掲します。
乏しい光の中では、何もかもが淡い影とぼんやりした輝きに見えたものの、自分のいる狭い空間の様子ははっきりした。光は、天井に開いた穴から差している。穴は人が一人どうにか通れるほどの大きさで、縁はぎざぎざだ。そこから流れ込む砂が、乾いた霧のように舞い上がり、砂を運ぶ風はしーっと侮蔑するような声を立てた。サソリの群れは穴から落ちてきたのか、別の入り口を見つけたのだろうか。壁に貼りつき、攻撃の機をうかがって尾を持ち上げている。
このカッコイイ文章、書きたくないですか? これを書くのに、お高い道具もソフトも不要。文字さえ書ければ誰もができます。誰でも使える石ころで、魅せてやろうじゃないですか。
もし、少しでもそう思ったなら。パソコンを開いて、文書ソフトを開いて、始めましょう。その経験は、きっと貴方の力になります。
おわりに
当記事はこれにてお終いです。既存部員も、これから入部する方も、少しでも小説に興味を持っていただければ幸いです。
明日(4/6)はIda-ji氏の記事です。お楽しみに!
漢文は、正確には中国語の古語であり、「外国語」として英語やドイツ語と並列するべき言語です。しかしながら日本語に与えた影響、及び文科省の定める学習指導要領を加味し、ここでは古文と並べて「古典語」として分類しています。 ↩︎