こんにちは。Advent Calender 10月29日目担当のSaltnです。
この記事では今年の夏に買ったゲーム『悪魔城ドラキュラ Circle of the moon』(以下『Circle of the moon』)の紹介をしたいと思います。去年に引き続き技術系の記事ではないので、そっち方面の知識の無い人も楽しんで見ていってください。
(パッケージ。右から順に主人公のネイサン=グレーブス,兄弟子のヒュー=ボールドウィン,魔王ドラキュラ)
悪魔城ドラキュラとは?
(第1作『悪魔城ドラキュラ』のパッケージ)
『悪魔城ドラキュラ』シリーズは、コナミのアクションゲームシリーズだ。1986年の『悪魔城ドラキュラ(欧米版:Castlevania)』から、2Dアクションゲームを主軸に続いてきたシリーズで、動画サイト等ではTAS動画が有名だろう。2001年発売の『Circle of the moon』はゲームボーイアドバンス(GBA)と同時に発売されたソフトで、サイドビュー型2D探索型アクションゲームである。現在、Wii Uのダウンロード版ソフトとして702円(税込)で販売しているので、この記事を見て興味を持って頂けたなら是非プレイしてみて欲しい。WiiUを持っていない人でも、中古ショップに行けば売っていることがあるので、足を運んでみるのはいかがだろうか。以下に簡単なゲームシステムと、『Circle of the moon』の魅力を紹介しよう。
ゲームシステム
(赤いゲージがHP,青いゲージがMP,その下にサブウェポンと,その使用に必要なハートの残り数)
このゲームは2D探索型アクションゲームであり、ステージを探索→ボスと戦う→先に進む為の移動方法を手に入れる→新たなエリアへ→…といった流れで、最終的にドラキュラを倒すことを目的とする。手に入れた移動方法は次のエリアに進む以外にも、今までのエリアで行けなかった所を探索するのにも使える。探索では敵を倒して経験値やアイテムを手に入れたり、隠されたレベルアップアイテムでHPやMP,ハートの最大数を増やしたり、セーブポイントやワープゾーンを見つけたりする。これから探索中に使う幾つかの要素を見ていこう。
攻撃
悪魔城シリーズの武器はムチが基本であり、『Circle of the moon』ではムチを伸ばしたり振り回して攻撃する他、スライディング等の体術でも攻撃できる。このほかに手に入れたサブウェポンをハートを消費して使ったり、後述するDSSを用いたりと、GBA初期のゲームとしては多彩な攻撃が可能である。攻撃は敵を倒すだけで無く、ロウソクを壊してハート等のアイテムを手に入れたり、隠し部屋を見つけたりするのにも使われる。
デュアルセットアップシステム(DSS)
(DSS「MERCURY」+「SALAMANDER」、ムチが炎のムチになる)
本作独自の要素として、DSSというものがある。これは敵が落とす「属性カード」と「動作カード」を組み合わせることで、プレイヤーに様々な特殊能力を付けることができる。ムチに属性を付ける、ステータスを上げる、身を守る、ムチを他の武器に変える、遠距離攻撃を撃つ、使い魔を召喚するなど多彩な効果を発揮し、攻撃にも防御にも回復にも移動にも使用できるものとなっている。使用するとMPを消費するが、MPは自然に少しずつ回復する他、アイテムやセーブポイントで瞬時に回復できる。強力な効果を持つカードを手に入れられるかが攻略の鍵を握ると言っても過言では無い。
アイテム
(ハート(大)、サブウェポン使用時に消費するハートを5得る)
アイテムは敵を倒したり、ロウソクを壊すことなどで手に入る。サブウェポンを切り替えたり、体力や状態異常を回復したり、装備してステータスを上げたりと様々な効果を発揮する。このゲームにはショップの概念が無いため、レベル上げやDSSのカードを集めるついでに収集しておきたい。
ボスを倒すなどして特殊アイテムを手に入れると、ダッシュや空中ジャンプ等の特殊移動ができるようになり、行動範囲が広がる。中には攻撃にも使えるものがあり、一つ手に入れるだけで行動の幅が大きく広がる。色々な特殊アイテムを入手したら、探索済みのエリアに戻ってみるのも良いかもしれない。
悪魔城ドラキュラ Circle of the moonのここがいいぞ
1.シンプルかつ多彩なアクション
(脆い岩を破壊できる特殊移動、タックル。攻撃にも使える)
『Circle of the moon』では先述のDSSを初め多彩なアクションがある一方で、クリアに必須のアクションはムチによる攻撃や特殊移動程度で、サブウェポンやDSSを使わずにクリアすることも不可能ではない。DSSの操作も一部を除きステータス画面から予めセットしておけば煩雑なコマンド入力無しに使える。そのため「最近のゲームは操作が複雑で分からない」といった人でも問題なく遊べる。
2.統一された世界観
(地下墓地のゾンビとポイズンワーム)
背景、敵共に悪魔城ドラキュラシリーズ特有のゴシックホラーを基調とした世界観に統一されており、雰囲気が分かりやすい。しかしながらその中でエリア毎の特徴を出すことにも成功しており、実際に広大な古城を探索している気分に浸ることができる。BGMも歴代の悪魔城シリーズのものを中心に雰囲気を盛り上げる。新規BGMの数が少ないとも言われるが、新旧共にBGMのクオリティは高く、GBA末期のゲームとも引けを取らない。BGMに関して一部ではGBAの悪魔城シリーズの中でも最高と言われることもある。
3.手応えのある難易度
本作の難易度はGBAの悪魔城シリーズで最高とも言われる。実際に事前知識無しにクリアするのは難しく、ゲームをやりこんでいる人向けと思われる人もいるかもしれない。しかしながら、強力なDSSを知っていたり、レベル上げを徹底することで初心者でも時間をかければクリアできる作りになっている。これはレベル制を採用している多くの作品に言えることだが、自分でレベルを調整して自分好みの難易度でプレイできるのは一つの利点である。
4.やり込み要素
(マップ、赤い部分はセーブポイント)
本作では一度訪れた場所がマップに表示され、マップがどれだけ埋まったかがレートとして表示される。これを埋めるためには隠し部屋を見つけたり、MPが0になる闘技場をクリアする必要があるため、普通にクリアを目指すだけでは難しい。また一部のDSSカードや装備アイテムは特殊な敵が落とすため、それを見つけることもやり込み要素の一つとなる。
さらに一度クリアする毎に、新たなゲームモードが追加される。最初から全てのDSSカードを持っているマジシャンモード、各ステータスが高いがDSSカードを入手できないファイターモードなど、2周目以降を遊ぶときでも飽きないように工夫がなされている。セーブデータは8つまで作れるので、気軽に新しいモードに挑戦することができる。
他にも自分で縛りを考えてプレイしたり、リアルタイムアタック(RTA)に挑戦してみるのも良いだろう。
5.ゲームの幅を広げる?壊れ仕様とバグ
(歩くより早いスライディングで移動するネイサン)
壊れ仕様やバグと聞くとあまり良い思いをしない人もいるかもしれないが、悪魔城シリーズの壊れ仕様やバグは普通にプレイする分には無害であり、意図的に活用するには面白い効果があることが多い。悪魔城シリーズがTAS(ツールアシステッドスピードラン/スーパープレイ)と相性が良い原因の一つがこれである。
『Circle of the moon』では入手していないDSSカードが使用できるバグや、上のマップにワープするバグなどがある。バグ無しで楽しみたい方に配慮してこれ以上は書かないが、興味がある方は自分で調べてみて欲しい。
まとめ
今回は単純な紹介記事となってしまったが、この作品の魅力は伝わっただろうか。上に挙げた魅力はどれも、ゲームを制作する上で重要なポイントでもあり、ゲーム制作をメインとするサークルの一員としては参考にしたいことばかりである。この他にもGBAには面白いアクションゲームがあるので、ただの古いゲームと思わずに、色々探してみて欲しい。もし皆さんも面白いゲームを知っているなら、それが古いゲームでも是非周りの人に布教しよう。
明日のAdventCalenderはwaniさんとyamadaさんの記事となります。そちらもご覧ください。