この記事は新歓ブログリレー2025 26日目の記事です。
合格おめでとう。次は教員だ。
25Bの皆様、この度は東京科学大学への合格及びご入学、おめでとうございます。一在学生として心よりお祝い申し上げますとともに、教職をとれ。
はじめに言っておくが、東工大の教職はキツい。
教職について
教職って?
そもそも教職とは何か?一言でまとめるなら、
「教員になるために学業ハードモードをプレイする」 ことである。
あとで解説するが、本来取らなくてもいい実験などが必修に変身したり、教職のためだけの講義が出現したりする。大学やり込み要素 の一つと言ってもいい。
ただし、このハードモード、いつでもやめられる。 単位が取れなければ自動的に教職からコースアウトするので、辛かったら脱落すればいい、これもあとで解説するが、脱落してもなんのペナルティもない。 なので、まぁ講義を覗くだけ覗いてみるのもアリだろう。
以下では、とりあえず教職とはなんなのか、その始め方、取らなければならない単位などについて説明する。その後、引っかかりがちなトラップについて、実体験を交えて説明する。
始め方
教職ガイダンスに出よう!
おそらく今年は4/9に、W9-324で教職ガイダンスが開催される。昼休み返上のガイダンスかつ、そのまま午後に教職の授業の第一回目が始まるので、軽食持参必須である。
まぁ初っ端からカスなことが露呈しているわけだが、このガイダンスには絶対に出よう。
なぜならば、今後教職課程終了まで使い続けるガイドブックが配布されるためだ。
これには、各科目の教員になるためにはなんの、どんな単位をいつ取らなければならないか、が全て載っている。絶対に確保しよう。
なお、日程はうろ覚えによる予測であるので、できれば鵜呑みにしないで、今年度の教職ガイダンスのお知らせをご確認いただきたい。
取ることのできる免許
教職を取ると教員免許が取れる。 ここだけ聞くと当たり前だが、実はこの言葉はいろいろなことが省略されている。
免許の種類
教科以外にも、さまざまな種類がある。表にした。
一種 | 専修 | |
---|---|---|
中学 | ハードモード、四年終了 | ハードモード、院進必須 |
高校 | イージー、四年終了 | イージー、院進必須 |
なお、「一種」とは、授業のみ可能な教員を指す。皆さんの通われた中高にも、担任を持たず、特定の教科のみを教えに来られた先生方がいらっしゃったかと思うが、おそらく一種のみ持っていた先生であろう。一方で、「専修」とは、担任を持つことができる免許である。ただし修士教育でないと該当する単位が取れないので、院進が必須となる。なので私は特に研究したいこととかないが、院進だけ確定している。
さらに、基本中学教員の免許の方がハードモードである。義務教育だからね。しかし、中学教員免許の条件をクリアすれば、自動的に高校教員の免許も取ることができる。
学院に依存した免許の種類
そしてここからさらにややこしいのが、原則、学院ごとに取れる教員免許の教科は決まっているということだ。これも表にした。
中学 | 高校 | |
---|---|---|
理学院 | 数学、理科 | 数学、理科 |
工学院 | なし | 情報、工業 |
物質理工学院 | 理科 | 理科、工業 |
情報理工学院 | 数学 | 数学、情報 |
生命理工学院 | 理科 | 理科 |
環境・社会理工学院 | なし | 工業 |
「なしってなんだよ!!」 ←わかる。ただし、「原則」としたのは、一応学院外の授業を頑張ってとれば、取れないことはないためである。が、労力がエグすぎるので基本考えない方がいい。
実際周りの教職をとっている者たちをみると、ほとんどが中高の免許の取得を考えているが、一種か専修かはまばらである。また、 学院外の教科の免許を取ろうとしているものは見たことがない、というような状況である。
取得しなければならない単位
さて、以上の免許を取るためには、どのような単位を取得すればいいのだろうか。以下に大別できる。
- 他の人も取るような一般的な単位(ここでは一般単位と呼ぶことにする)
- 教職に特化した、特殊な単位(ここでは教職単位と呼ぶことにする)
ひとつづつ解説する。
一般単位
教職をとっていない人間であっても、その学年ごとに必ず履修しなければならない必修単位は決まっている。教職では、その範囲が拡大するイメージだ。その中でも、取りたい免許の教科に依存して変わるものと、共通しているものがある。
- 共通
- 外国語
まぁ普通に英語、そして二年生から始まる二外をとっていれば大丈夫である。 - 体育
いわゆる体育であるウェルネス実習だけでなく、座学の健康科学概論などでもオッケーである。合計2単位あればよし。 - 憲法
二年生の3Qか4Qに文系教養としてやってくる。新入生が心配する必要はない。
- 外国語
- 教科依存
ぶっちゃけると教職ガイドブックを確認してほしい。 ここに書き切れるバリエーションではないためだ。教職ガイドブックp.6くらいから、免許の教科、所属している学院の順にソートされて情報が載っている。教職ガイドブックで最も重要なパートであるので、ぜひ確認してほしい。
参考までに、理科の免許のためには、一年生の間では理科全科目の座学と実験のコンプリートが必須である。 生命も、宇宙地球科学も、物理実験も、化学実験も、全部。ただし、実験についてはどれか一つのクォーターだけ取ればいい。(化学と生命は2クォーター連続) まぁキツイっちゃきついが死人は出ないので大丈夫。
あと、「物理実験は楽」とかいうデマが飛び交うが、別に他の実験と比べても楽ではない、普通である。そのくせ受講のためのくじ引きがある。必ず応募しておこう。
教職単位
基本カスの単位である。GPAにも卒業単位のカウントにも入らないからである。 つまり本当に教職志望者のためのエクストラステージである。だが、逆に言えばこれは単位を落としてもノーダメージということと等しい。初めに「何のペナルティもない」と言ったのはこのためだ。
教職単位は、以下のように大別できる。
- 水曜の午後にある科目
- 土日などに集中講義としてある科目(カス)
それぞれ解説する。
水曜午後にある科目
実は大学生というものは、基本水曜午後は授業がない。 そこにつけ込んだのが教職である。しかし、そこまで辛いものではないので、安心して受けよう。
- 発達と学習(1,2Q、水曜56限)
発達心理学なるものを学ぶ。去年より担当教員は交代となった。かなり面白い授業なので、受けるだけでも価値がある。 期末があるが、資料の持ち込み可能な上、問題も難しくなかったので、楽に受けよう。 - 教職概論AB、教育基礎A、教育制度(年間、水曜78限)
それぞれ名前は違うが、内容は同じ。教育に関する文献を読んで、疑問に思ったことや面白かった点をグループワークで話し合うものである。が、そのうち文献がスッと英語になり、リーディングの授業が始まる。期末はないが、週に一本のミニレポートと、期末レポートがある。が、内容はクソでもなぜが70点は来る。その上、どんなに頑張っても天井は95点 という、謎科目である。こちらもキツくはない。
土日などに集中講義としてある科目
カス。 かなり多いのでここに列挙はしないが、とにかくカスである。ここから日程、種類が確認できる。本当に多い上に、取り忘れると来年取り直しなので、今のうちにカレンダーなどに書いておこう。実は夏休みにもある。 本当に気をつけよう。
が、よっぽど酷いことをしない限りは出席していれば単位はくる。問題は土日に早起きできるか、拘束されていられるか、ということだ。がんばれ。
教職トラップ
以下は、「生命理工学院から中高理科免許を取得しようとしている二年生」 が、一年生の間に引っかかったトラップを列挙する。参考になれば幸いである。
ガイダンスに飯を持って行かない
先ほども書いたが、教職ガイダンスは昼休み返上の上、そのまま教職の授業の第一回が始まる。 直後に始まる発達と学習は資料がまとめてネットに置いてある感じではなく、多分毎回の配布なので、出なかった授業の分の資料は手に入れられない。(普通にメールすれば大丈夫だけど)
話を聞きながらサンドイッチ食べるくらいなら大丈夫な雰囲気なので、飯を持って行こう。 で、そのまま第一回の授業に出よう。
宇宙地球科学を取り忘れる
これは普通に俺がバカだった案件。
言い訳をすると、物化は受験で使ったし、生命理工に入ったからには生物の教科も大事だなということはわかるが、地学とかもう何年もやってなかったので完全に忘れた。
今、取り忘れた結果、多分三年にならないと取れないことが確定しているので、絶対に取り忘れないようにしよう。
なお再度強調するが、理科教員志望に限った話である。教職ガイドブックを各自確認してほしい。
理科教育法を忘れる
夏休みにある集中講義である!! こんなん忘れてまうやろ......
しかし、これも取り忘れた結果、二年生1Qの教育工学の前提試験を受けなければならなくなった。非常に辛い。絶対に忘れないようにしよう。
ちなみに集中講義が終わった後、3Qの授業として夏休み明けに履修申告を行うシステムである。とりあえず授業にだけ行けばいい。
再掲するが、このページは頻繁に確認しておこう。万が一履修申告を忘れても、授業さえ出れば追加申告で単位はくる。
それはそれとして、忘れちゃうから2Qの授業として申告させてほしいです。マジで。
生命実験ガイダンスを忘れかける
生命実験は34Qから始まる。 その前提として生命実験のガイダンスがある。ここで履修希望のアンケートがあるので、これに出忘れると生命実験は取ることができない。
なお、実は化学実験にも同じガイダンスがある。ここのページの中ほどに、「化学実験第一履修希望者へ」というものがあるので、そちらで確認しよう。
冬ハッカソンと集中講義が被る
集中講義とサークルのイベントの被りがないか、あらかじめ確認しておこう!!大体どっちも土日だぞ!!
危うく落としかけた。あぶねー。たまに集中講義のラストにテストが待ち構えているものがあるので、こういったものと他のイベントが被ってしまうとまぁ大変である。絶対に確認しよう。
まとめ
ここまで教職の辛さを列挙してきたが、一年間受けた感想としては、一つサークルに入っているイメージ である。水曜午後や休日に授業があることや、また基本少人数の同じメンバーでさまざまな辛い授業を乗り越えていくので、ちょっとした連帯感も生まれることなどは、まさにサークルそのものである。
唐突に宣伝するが、この教職サークルと無理なく兼サーできるのはtraPくらいのものだろう。 教職希望者で、サークルに迷っているものには本サークルをぜひお勧めしておきたい。なぜならばこのサークル、基本義務がない。部費の振込程度である。 なので、教職と非常に相性がいい。さらに言えば、基本水曜午後に活動だとか、土日は大会があるなどのサークルとの相性は非常に悪い。休日は休める雰囲気があるとか、活動日が水曜でないような、そう言ったサークルを探そう。
ただし、長期休みは手加減してくれる。私はこの春休みに超短期留学に参加したが、教職には何の支障もなかった。その点は安心していいだろう。
とりあえず、授業を覗いてみるだけ覗いてみるのもありだろう。ひょっとしたら、教員になるのも案外アリかもしれない。
明日のブログ
新歓ブログリレーは4月も続きます!明日は
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以上三名の記事です!お楽しみに!
traP部員一同、新入生の皆様の入部をお待ちしています!