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2024年12月9日 | ブログ記事

# 【Senirenol】化け物用譜面の作り方【音ゲー】

この記事は、traPアドベントカレンダー2024 9日目の記事です。

はじめに

こんにちは。YHz / イキリ虻です。普段はエロゲのこととか音ゲーのこととか小説のこととか書いていたりしますが、今回も音ゲーのことについて書いていこうと思います。
皆さん、Senirenolという音ゲーをご存知でしょうか。そうですね。今年の工大祭で展示されていた音楽ゲームです。実は、私もあのプロジェクトに楽曲、譜面制作担当として参加していました。
せっかくなので、私が製作した譜面とその難易度などについて一覧で挙げておこうと思います。

lycoris

future

present

parallel

改めて申し上げます。本当に申し訳ございませんでした。
まあとった曲が強かった部分もあるので、私は実のところあまり悪くないです。
今回は、プロジェクトメンバーの許可も得ましたので、これらの制作譜面を作った時に考えていたことを開示していこうと思います。ただ、すべての譜面について解説するとこの記事が多分50000文字くらいになってしまうので、2つの譜面のみをピックアップして解説しようと思います。
できるだけ配慮はしますが、音楽ゲーム上級者向けの専門用語多めの解説になってしまうかと思いますので、フィーリングで読んでください。

譜面思想

まず、Senirenolの譜面を書くうえで僕が意識していたことについていくつか言及しておこうと思います。

Senirenolのボタンの間は遠い

工大祭にいらして実際にSenirenolをプレイした方ならわかるかと思いますが、このゲームのボタンはかなり遠いです。オンゲキで片手で3つ押すことが想定されているボタンを8つ並べているわけですからね。なので、この時点で没になる譜面がいくつかあります。それは、1-2-1-1-2-1の6鍵、1-2-2-2-1の5鍵譜面です。

8鍵のゲームなので、5,6鍵が置きづらい

これは、ボタンの遠さの話にも少しかかわってくる問題です。このゲームでは、ノーツにエイムを合わせるのが非常に難しいです。ボタンを押そうとしてボタンの境目を押してしまう人を去年たくさん見てきました。なので、小粒を置きづらいんですね。小粒にエイムを合わせようとすると明後日の場所を押してしまう可能性があるということです。なので、基本は4鍵主体で、たまに5,6鍵を混ぜるような譜面が理想的なのではないかという風に考えました。

純粋な4鍵だけではつまらない

とはいえ、せっかく横に広いコントローラーがあるので、これを生かさない手はありません。横方向の手の動きが発生しやすい譜面があったりすると楽しいのではないか、という考えが過りました。

結論

これらのことから、どうやら移動4鍵の譜面がこのゲームにおける最適解に近いのではないか、という考えのもと、譜面を製作していきました。この時点での私には大きな見落としがあったのですが、その見落としについては後ほど言及したいと思います。

虚(lyc)

まずは、皆さん気になっているであろう、Senirenol Restartのボス曲である最強譜面の虚です。
私はこの譜面のラストを担当しました。明確にプレイヤーに対する「殺意」をこめた譜面です。
譜面はCHUNITHMの創作譜面制作ツールである「Ched」を用いて制作されているので、譜面確認画像のフォーマットがCHUNITHMのそれに近いのはご了承ください。
譜面画像の赤いノーツがシングルノーツ、黄色いノーツがEXシングルノーツ、橙色の長いノーツがロングノーツです。


譜面画像(Supported by Margrete)

譜面動画

上記の譜面画像は複数回参照しますので、小節の数字と見比べながらご覧ください。
前提として、この譜面にはリファレンスとなる譜面が作曲者から提供されています。この曲はリズムがかなり難しいので、純粋な音取りをしただけの譜面を作曲者の@Cd_48くんからもらってそれを編集する感じで作りました。

譜面があまり難しくない部分(112-115小節)の解説は割愛します。

まずは116-117小節の折り返し階段。ラス殺しへのタメを意識させるような配置を置いたつもりです。このようなタメ方をしている譜面にPhigrosのDistorted Fate(AT)、CHUNITHMのDreadnought(ULT)などがありますね。Dreadnoughtの方は4鍵階段ですが。

そして、118小節目。ここは16分の音しか鳴っていないので、16分の譜面を置きました。ラス殺しにするか、ウィニングランにするかをメンバーに聞いてみた結果、ラス殺し派が多かったので、本気で殺しにかかるために少し複雑な鍵盤を置きました。

119、120小節目は、音が多かったり少なかったりしているので、その音のままに譜面を置きました。119小節目の1,2拍目は、32分階段の後のシングルノーツを逆側に置くと少し簡単になるのですが、「これはラス殺し」という免罪符の元、その慈悲を全て捨て去りました。120小節目の片手4鍵も、慈悲があればトリルになっていました。

121-123小節は飛ばして124小節目。12分の音しかないので、ここまであまりこの譜面で求めていなかった縦連やBOF押し(2つ同時押し主体の譜面)を配置しました。

125小節目はCHUNITHMに収録されているLemegeton -little key of solomon-とほとんど同じリズムの曲になっていたので、その配置を置いてみました。後々考えると、本家の1.23倍速らしいです。

126-130小節はそこまで特異な譜面がないので割愛。131小節の4拍目に注目します。
この配置、かなり意地悪に見えて実はただの16分トリルでも通ってしまいます。まあ、見掛け倒しですね。

最後の特筆すべき配置は134小節でしょうか。2拍目のよくわからない塊ですが、実は非対称両手トリルで通ります。認識難ですね。

以上が虚の譜面解説でした。短い中にかなり詰め込んでいるので、かなり解説が多くなってしまいました。工大祭でこのパートでハードゲージを削られて落ちてしまった方、私の目論見通りです。本当にありがとうございました。

R.I.P. TOKYO TECH

譜面画像(Supported by Sus2image)

譜面動画

次に解説していくのは謎のアーティスト、DJ SCIENCE TOKYOさん制作のR.I.P. TOKYO TECHです。BPM185のハードルネッサンスで、裏で結構ドコドコキックが鳴っているのでやりすぎちゃいました。
とはいえ、BPM185で単純な譜面をさばくのはそんなに難しくないので、移動や同時押し交じりの鍵盤をたくさん置いてみました。
正直虚よりも曲は長いものの、意識したことは少ないため、各所の主要な配置について解説します。

まずは、全体的に意識したことになるのですが、片手に負担が大きくかかるような譜面はあまり作らないようにしました。

曲が、リズム難っぽいキックとリードで構成されていたので、リズム難のキック側とリードを別種のノーツで音取りしました。結果的にキックをロングノーツでとることになりました。
前半の残りは割と普通の4鍵配置ですかね。
特筆すべきはブレイク終わりの †ScienceTokyo† のロゴでしょうか。やりたかったのでやりました。後悔はしていません。

そのあともしばらくただの4鍵配置が続きますが、81小節目の配置は実は修正後です。
元の配置はこれでした。その直前が対称両手トリルなので、その次の小節は当然非対称両手トリルだよな、という単純な発想です。

正直、プレイされている様子を見てこのままでもよかったかな、とは思っています。ノーツを削ったら思ったよりもみんな押せたので…

ここからは一瞬筋肉番付(遅いのでそんなにきつくない)をさばいて、ラストの4鍵発狂をさばいたら譜面終了です。わりと4鍵地力ゲーみたいな譜面になってしまいました。

反省点

さて、これらの譜面は初めに述べた通り、4鍵譜面を作ろうという強い気持ちで制作しました。実際のところ、これらの譜面はまあまあ完成度も高く、皆さん割と楽しんでいただけていた印象があります。
しかし、ほかの譜面制作者が作った4鍵でない譜面も、どうやら思ったよりもプレイに耐えるものだったらしく、4鍵以外にも難易度を上げる方法があったと実感しました。来年譜面を作ることがあればこの辺りを踏まえてさらに完成度の高い譜面を製作したいと思います。

おわりに

以上、化け物用譜面の作り方でした。いかがでしたか?
結局、ある程度音ゲーの地力がないと高難易度の楽しい譜面を作るのは難しいことが分かりました。
去年のReZ0NANCΣは、この点において失敗していたわけですね。
さて、明日の記事はsakuraさんとvPhosくんです!楽しみ~

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この記事を書いた人
YHz_ikiri

Hgameと音ゲーに人生を破壊されている人。 個人サークル「歪んだ扉」もよろしく(こそせん)

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