この記事はtraP Advent Calendar 2022 最終日の記事です。無事遅刻しました。
こんにちは。19Bの@kegraといいます。今日は僕が最近ハマっているゲームの話をしましょう。
それはぷよぷよです。
え?ぷよぷよなら知ってるって?
いえいえ。今日話すのは...
その初代です。
今のぷよぷよと何が違うかというと...
ぷよぷよの対戦と言えば、お互いに連鎖を作って「おじゃまぷよ」を送りあい相手のフィールドを埋めるゲームですが、初代ぷよぷよは「ぷよ通」以降のぷよぷよと違い相殺がありません。そのため5連鎖を撃てば必ず決着が付きます。6連鎖を超える大連鎖はまず作る意味がない仕様となっています。
このように書くとなんだか発展性のないゲームのように聞こえますが、実は十数手で終わる勝負の中にとんでもないドラマがあるゲームなのです。
初代ぷよぷよのここがアツい!
初代ぷよぷよははっきり言ってぷよ通以降とは別ゲーです。
初代ぷよぷよ特有の面白みのいくつかを紹介しましょう。
連鎖短縮がアツい!
初代ぷよぷよは「いかに相手より先に致死量のおじゃまぷよを届けるか」のスピード勝負です。そしてその速さは「起爆した瞬間」ではなく、「起爆して連鎖が終了し全てのぷよが停止した瞬間」が基準になります。
何が言いたいかというと、連鎖にかかる時間がバカになりません。致死の5連鎖を撃ったのに、後から撃った4連鎖ダブルや3連鎖トリプルに追い抜かれて負けるといったことがあるのです。 そのため初代ぷよぷよでは連鎖を不必要に伸ばさない技術、ひいては連鎖数を圧縮する技術が重要になってきます。
5連鎖が4ダブに追い抜かれて負けた例
出来るだけ分かりやすい例を用意してみました。起爆は左の方が少し早かったのに、連鎖終了は右の方が早く、追い抜いたのが分かるかと思います。このように同じ威力かつ同じ手数ならば連鎖数は少ない方が良く、単に5連鎖を作れば良いというものではないことが分かります。
初代ぷよぷよを語るにあたって外せないのは 「デスタワー」 と呼ばれる連鎖法です。これは鍵型の発火点を作って上に伸ばしていく致死2連鎖で、初代ぷよぷよにおける最も強力な戦法の一つです。後から発火したデスタワーに今までいくつの5連鎖が追い抜かれてきたことでしょう。
特に 12手ちぎり無し完全致死クイックデスタワー が飛んで来たらどんな連鎖も絶対に勝てません。人々は恐れおののき、全ては焦土と化します。
じゃあ常に致死2連鎖を作れば最強じゃん、という話になりそうですが、デスタワーを毎回効率よく作れるかというとそうでもなく。タワーを組みあぐねたときの連鎖移行であるとか、逆に相手が爆速デスタワーを撃ちそうなときの潰しであるとか、潰し対応の裏発火だとか、そこには様々な戦術が広がっています。
自分はただの最近練習を始めた初心者なのでそのレベルの戦いはまず無理ですが。
完全致死or不完全致死の選択がアツい!
ぷよぷよは相手のフィールドにおじゃまぷよを降らせて埋めるゲームです。相手のフィールドを全て埋めることができるようなおじゃまぷよの量を「致死量」と言いますが、致死量にも幅があります。
ぷよぷよのフィールドの広さは横6列×縦12段です。この12段を全て埋めればもちろん勝てるのですが、10段や11段でもゴミぷよの影響でかさが増えたり、画面上部に消せないぷよが溜まることによって最終的に死ぬことがほとんどです。このような微妙な量のお邪魔ぷよを指して 「不完全致死」 と呼びます。これに対して12段以上のお邪魔ぷよを 「完全致死」 と呼びます。
不完全致死でも最終的に死ぬなら完全致死とどう違うのか?という話ですが、死ぬまでにかかる時間が違います。
完全致死であれば3回お邪魔ぷよが降った段階で確実に死にますが、不完全致死であれば最終的に死ぬにしてもぷよを何度か置いてから死ぬことになります。ゴミぷよが全くなければ生き延びてしまうこともあります。この差が勝負の明暗を分けるのです。
5連鎖を4ダブで追い抜いたが、4-5の4ダブは不完全なので負けた例
左はおじゃまぷよが全て降った後も死んでいないのに対し、右は3回降って即死しているのが分かりますね。
速さを求めて不完全致死を撃つと、完全致死を撃った相手にまわし勝負で負けることがあります。かといって完全致死にするために手を遅らせれば速度で負けることもあり、連鎖後に残ったゴミぷよの量次第で不完全致死が致死になってしまうこともあり...
互いに致死量を送りあった後も、いかに相手より1秒でも長く生きるか。そしてそのための下準備をいかに行うか。こうした駆け引きを一瞬で行うのが初代ぷよです。
初代ぷよぷよは全く違う光景が見られるぞ
通以降では「いかに効率よく連鎖を伸ばすか」が主眼のため、大連結や大量のマルチといった消し方はなかなか使われませんが、初代は「いかに速く致死量のおじゃまぷよを相手に届けるか」の勝負であることに加え、不完全致死への対抗策として「小さい連鎖数でなるべく多くのぷよを消す(=ゴミぷよ回収)」という努力軸があるため、通以降ではまず使われないような消し方が行使されます。
5連鎖や4連鎖ダブル以外にも3トリ、3ダブ4連、2ダブ3ダブ、多連結4連鎖、分割法...先述したデスタワーももちろんあります。初代ぷよでは大連鎖が出てこないと書きましたが、逆に言えば大連鎖以外のあらゆる連鎖が登場するのが初代ぷよです。
どうですか?初代ぷよのことをもっと知りたくなってきませんか?
とりあえずこれを見ろ!!!!
初代ぷよぷよについて楽しむために見ておきたい動画を紹介します。とにかくこれは見ておけ!!!
ぷよm@s
初代ぷよぷよ界におけるバイブルです。こんな記事読んでないで今すぐこれを見てください。
「アイドルマスター」のキャラクターの面々がぷよぷよで対戦したら...という体の創作作品なのですが、この動画こそが初代ぷよのゲーム性が再評価されるきっかけとなった全ての震源地です。
歴史的価値ももちろんなのですが、各登場人物たちが扱うそれぞれに違った連鎖法、そしてそれを緻密に織り込んだストーリーは間違いなく一級品です。アイドル達の熱い戦いをその目で確かみてみろ!
Part1の投稿はもうかれこれ10年以上前であり、正直令和のノリじゃないなみたいな箇所もちょこちょこありますがそれはそれ。優れた物語には時代を超えて通じるものがあります。
ちなみに現在Part36まで投稿されていますが、未だに未完結です。小鳥vs雪歩のマッチも見たいし、怪物と化した美希も真美もまだまだ出て来ていないので、続きを心待ちにしています。
BぷよS級リーグ傑作選
後述する初代ぷよルールでの対戦ソフト「Bぷよ」を用いたトッププレイヤーの対戦の場として 「BぷよS級リーグ」 というものが開催されています。
現在までに全8回が開催されており、その傑作選が動画にまとめられています。本当に意味の分からないド変態の連鎖が繰り広げられており、ぷよぷよプレイヤーは必見の動画です。
個人的には「電気イルカ」さんや「のし」さんの使う中央不定形連鎖が非常に好きで何度も見返しています。4Wと2W3Wの切り替えマジ変態。最近では「フェニ」さんという方が拡散不定形と呼ばれる型を開発している模様です。今も初代ぷよの世界は発展を続けています。
「AC初代ぷよ頂上決定戦」も合わせて見るとよいでしょう。
これから初代ぷよぷよを遊ぶ方法
初代ぷよぷよを遊びたくなってきましたか?
遊びたくなってきましたね?
では初代ぷよをプレイする方法をお教えしましょう。
方法その1. 実機を買う
中古でSFCと「す~ぱ~ぷよぷよ」のカセットを購入します。
ちょっとハードルは高いですが、現実的でないというほどではありません。中古のSFCは割と容易に手に入ります。
ハードオフなどでジャンク扱いのSFCとカセットを買えれば、運が良ければ2000円もしないで揃えられます(自分はそれで揃えました)。ちゃんと動作保証のあるものを買おうと思ったらもう少しお金を出すことになるかもしれません?
なお、SFCの映像出力はRCA端子です。今の時代だとHDMIとの変換(あるいはキャプチャボード)なども追加で入手しなければならないかもしれませんね。
また、当然ネット対戦などできないので、人と対戦するにはリアルで会わないといけません。
僕は実機を買いましたが家に呼ぶ友人などいないのでずっとひとりでぷよぷよしています。
方法その2. Switchの「SEGA AGES ぷよぷよ」を遊ぶ
https://archives.sega.jp/segaages/puyo/
AC版初代ぷよぷよの移植版がSEGAから出されています。 Switchを持っているなら良い選択肢の一つだと思われます。(自分はSwitchを持っていないのでちょっとなんとも言えない部分がありますが)
ネット対戦も可能なようです。レートやランクなどのシステムはありませんが気軽にランダムマッチ対戦が出来ます。フレンド同士の対戦も出来る模様です。アーケード版の移植にオンライン対戦を後付けって地味に技術的にやべーことしてませんか?
SEGA AGES ぷよぷよの特筆すべき点として、「左回転+クイックターン」のオンオフが出来る点が挙げられます。
どういう意味かというと、そもそもアーケード版初代ぷよには左回転がないのです。 左に90度回すためには右回転を3回行う必要があります。驚きですね。SEGA AGES ぷよぷよではAC版準拠で右回転のみの設定と、左回転とクイックターン(180度回転)が付いたぷよ通に近い設定を切り替えることが出来ます。ネット対戦では同じ設定の人とだけマッチングする親切仕様。至れり尽くせりですね。
SFC版は左回転+右回転のみでクイックターンはないので、SFC版準拠な操作設定に出来ないのはちょっと残念といったところでしょうか。
自分はSwitchを持ってないので、不正確な情報があればどなたか指摘してくださると幸いです。
方法その3. Bぷよを遊ぶ
「Bぷよ」はBさんという方が開発した、SFC版初代ぷよとおおよそ同じルールでの対戦が出来るソフトです。かなりおすすめ。
完全な再現という訳ではなく操作性を重視した調整が為されていますが、おじゃまぷよの計算式や、左回転・右回転のみでクイックターンはないことなど、基本的な部分は準拠しています。何よりフリーソフトなので気軽に遊べるのは大きいでしょう。
ネット対戦も可能です。レート戦もあり、ちょいちょい対戦が行われているようです。
もう一つ自分が推したいところに 「AIとの対戦」 があります。もちろんオリジナルの初代ぷよぷよにもCPUと対戦するストーリーモードがありますが、5色+終盤は高速落下でちょっと実際の対人戦とは毛色が違うんですよね。BぷよのAI対戦は対人戦と全く同じルールで遊べます。標準で搭載されているTEST_AIが普通に強く、かなり良い練習台になります。
難点はWindows環境でしか遊べないというところでしょうか。WINEとかVirtualBoxの類を使えば他のOSでも遊べるかもしれませんが確かめてません。
方法その4. 「魔導物語 超きゅ~きょく大全 ぷよぷよ入り」を購入する
魔導物語というのはぷよぷよの元となったRPGのシリーズです。ぷよぷよの主人公として有名なアルルは実は元々この魔導物語シリーズの主人公で、外伝的作品として作られたぷよぷよだけが後から有名になったという経緯があります。「魔導物語 超きゅ~きょく大全」はこの今ではほぼ遊ぶ方法がなくなってしまった魔導物語シリーズを40作品収録した移植版で、ここに初代ぷよぷよも付いているというわけです。SFC版ではなくMSX2版とPC-98版の移植なので細かい挙動は違いそうですが、大まかな挙動は恐らく変わらないと思われます。
「超きゅ~きょく大全」は2022年内の発売が予定されていましたが一度延期が告知され、現在発売予定日は2023年3月15日となっています。およそ3か月後ですね。現在予約受付中です。
その価格税込み25,600円。初代ぷよぷよを遊ぶだけなら中古のSFCを買った方がまだ安上がりですし、MSX仕様のぷよぷよを遊んでみたいとかでなければちょっと気軽におすすめは出来ませんが、一緒に魔導物語も付いてくるので(というかそっちが本体)そこに魅力を感じられれば選択肢に入ってくるでしょう。ぷよぷよ以前のアルルの姿を見たくば買うのじゃ...
まとめ
初代ぷよの魅力は伝わりましたでしょうか?文字で伝わるわけないですね。
ぷよm@sとBぷよS級リーグを見よう!!!!!!!