こんにちは。2021年春ハッカソンに参加した、チーム「プラんQ」です。
今回はハッカソンでの制作物と、制作の過程を振り返ってみたいと思います。
「座・大岡山合戦 ~瀧の城下町の覇者となれ!~」
ーここは戦国乱世、大岡山にある瀧之城。
その城下町では東西南北、4つの座が存在し、
市場の独占権をめぐり日々争いを繰り広げていた。
あなたは座を取りまとめる長として、戦いを指揮しなくてはいけない。
とれる選択肢は多岐にわたる。
一時的に敵と協力して一つの座を潰すもよし。全てを敵に回すもよし。
ただし争いを好まぬものは、一方的に搾取される運命にある。
ここは大岡山、戦の場。
プライドをかけて戦い、瀧之城下町の覇者となれ…!
「たき」「ぷら」「ざ」という今回のお題の要素がふんだんに詰まったキャッチー(?)な紹介文とともに登場したこの厳つそうなゲームが、今回プラんQが発表した制作物です。
- 10ターン制の4人用オンライン対戦ストラテジーゲーム です。
- 東西南北の4つの座に分かれて戦います。
- ターンごとに得られる座の収入(小判)を使って兵士を雇い、自分以外の3つの座と戦います(1対1の戦闘が1ターンで計6か所起きます)。勝利すると負けた座から小判をGET!
- 終了時に最も多くの小判を有していた座が勝者となります。
大量の小判を敵陣から奪い、大岡山の覇者となれ!
メンバー
プログラム
- Hinaruhi (4年) …TA
- kocoon (1年)
- supersova (1年)
グラフィック
- logica (2年) …UI・ロゴ担当
- Osman (1年) …イラスト担当
チーム名の決定経緯
はじめは「メンバーのイニシャルを取って並べる」、「戦国武将からとる」などと考えてましたが、なかなか良いのが無く決まりませんでした。
なかなか決まらなかったのでフリースタイルでチーム名の案を書き出してた時、supersovaの「プラんQ (ぷらんく)」が今回のお題「たき」「ぷら」「ざ」のうち「ぷら」を満たしている上に響きがしっくりくるということで、「これ良くね?」と他2~3人が推したため「プラんQ」に決定しました。
※ちなみに最初の話し合いの段階でTAを〇そうとした流れがあったのは秘密です。
開発の方針
- 「ざ」→座(商工会)→ストラテジー?→店を扱うということで、対戦ゲームがいいかなって感じになりました。
- 「たき」「ぷら」「ざ」→東工大で、座を取り扱うことから、昔(江戸時代ぐらい)の東工大を舞台にしようと考えました。
そのあとの話合いで、1週間で完成させる必要、ルールの単純化などの観点から、以下のようになりました。
- 4人がそれぞれ東西南北のどれかの領域に所属している
- 小判を互いに取り合い、10ターン後に最も小判を持っている人が優勝。
- 毎ターン初めに小判を10枚得られる。
- 1ターンごとに持っている小判を使って、敵3領域にそれぞれ兵士を何人送るか決め、それぞれの領域同士でその数で各勝敗が決まる。
- 自分が送った数が相手より多い土地に対してはそこから小判を奪え、逆に少なければ小判を奪われる。
- (実装できず)ターンによっては大名行列が来るため、北に対して攻めることも、北が攻めることもできない、のようなイベントが発生する。
やったこと
プログラムサイド
- 開発期間が一週間と短いため、ゲームエンジンを使おうという話になり、そのうえで全員が(微々たる差でしたが)一番馴染みあるものにしようとのことで、Unityを使うことにしました。
- オンラインのゲームを作ろうということでしたが、サーバーサイドまでしっかり扱っている時間はないということで、Photon Unity Networking 2を利用することにしました。
- 通信の部分がおそらくネックになると踏んだため、最初は通信周りを、部屋を建てる周りから実装を始めました。
- 通信と同時に、通信からまだ切り離せる部分であったUIイベントの実装を並行でやっていきました。
- 最後の2,3日ほどでこの2つを合わせて、対戦の部分を実装していきました。
グラフィックサイド
イラスト
これまで落書きくらいの気持ちでイラストを描くことはあったのですが、きちんとした作品として、しかもチームの絵を描くという責任を伴ってイラストを制作した経験がなかったため、最初はただただ緊張してました。
- 背景
イラスト制作で一番初めに取り掛かったのは、プレイ画面の背景となる大岡山マップでした。マップに取り組み始めた際にはまだゲームの世界観や雰囲気が定まっていなかったのですが、「座」という言葉から日本の古地図のように作ろうと決めました。その結果、テクスチャ素材に助けられていい感じのものが作れました。 - 兵士
兵士のイラストはまず槍兵から書き始めました。ハッカソンが終わったこれを書いている現在もそうなんですが、いまいち兵の種類の違いによる強さの関係が分からず、最終的に槍兵、忍者、騎馬兵、鉄砲兵の4種類を描きました。表情をゲームの世界観に合わせる自身がなかったので、顔のないキャラクターとさせていただきました。
UI・ロゴ
今回のUI・ロゴは、フォントを全て昭和書体さんの「ksw闘龍」に統一しました。こいつはめちゃくちゃ質のいい有料の毛筆フォントで、クセのほとんどないベーシックな筆文字なので、和風感とその迫力による可読性がぴったりでした。マジでありがとう闘龍。
- ロゴ系統
ゲームの仕様(何の情報を表示したいか)がわからないとUIを作るのはキツいので、まずは「東」「西」「南」「北」のロゴを作るところから始めました(それを表示するはどう転んでも変わらないので)。メタリックな光の反射線と縁取り&ドロップシャドウでの強調で力強い印象に仕上がりました。個人的には大分うまいこと言ってくれたんじゃないかと思います。
また、木曜(制作4日目)にしてようやくタイトルが決まったので、タイトルロゴを爆速で作りました。カーニング、文字サイズ、配置。全てに対して細かい調整を詰め込んだ、今回一番のこだわりの一品です。
- UI系統
タイトルロゴ以降はひたすらUI作成でした。タイトル画面、ゲーム画面、リザルト画面の順にボタンやインターフェースを作りこみました。
大きなポイントとして、サイバーな雰囲気にならないようにできるだけ直線を排除したというのがあります。すべての線に「ラフ」というエフェクトをかけ、うねうねにすることでやわらかい印象を出しました。
発表の実に2時間前まで調整を繰り返し、ゲームに「見た目」を与えるため頑張っていました。
成果物・プレゼン
発表時点では…
当初はWebGL版でリリースする予定だったのですが、なぜかそれに付随して発生したエラーの原因が特定できなかったので、直前に予定変更でWindows版に切り替えました。
また、ゲームの主要部分のバグが取り切れておらず、とりあえず致命的なエラーが発生しないような操作をすることで、なんとかプレゼンを成功させようという考えに至り、logicaがプレゼンターとして発表しました。危惧していたようなことは起こらず、無事終えることができました。
その後
TAのHinaruhiが最後の詰めをやって、表彰式前のお試しで遊ぶ期間内に一通り遊べるようになりました、本当にお疲れ様でした。
結果
アツい紹介文とゲーム性の面白さを活かしたプレゼンで、プレゼン賞をもぎとることができました!
景品がハーゲンダッツという何ともQOLの高い代物で困惑しております。
メンバーの感想
kocoon
初めはPhotonでの通信を担当すると言ったものの、ゲームで必要な最低限の知識が得られるまでに結構手こずり、結局はマッチングのルームを実装し終わったところあたりで終了期限が迫ってしまい、同じ1年のsupersova君や、TAのHinaruhiさんに結構な仕事量を回してしまったのは反省です。ただその一方で、他のメンバーから様々な分野の知見を吸収できたのはとても良い経験でした。これからはプロジェクトの活動等で更なる成長を目指します。
supersova
ほとんど知識がない状態からスタートしましたが、TAのHinaruhiさんなどから教わりながらひとつのものに取り組めたのはとてもいい経験だったと思います。私は通信関係は一切いじらずボタンなどを作っていました。kocoonさんは通信関係もやっていてすごいなと思ってました。私がやっている段階では無機的な画面で作業していたのが、Hinaruhiさんに投げた翌日には完成度が段違いに高くなっていて、兵士がぴょんぴょん跳ねるようになってたのは驚きました。
Osman
これまで完成した作品を提出するという経験がなかったため、イラストの担当が自分一人に決まった時はかなり不安でした。しかし、いざやってみると当初の予想よりもいい感じのものが完成したのでとても安堵しました。これからはイラストに一層磨きをかけるとともに、logicaのようにUIのデザインも頑張りたいと思います。
logica
最初は少しプログラムの相談、中盤はUI、終盤はスライドと実際のプレゼンなど、色んな事やってました。21の子から「マジで何でも屋ですね」って言ってもらえたときは今までやってきたことは無駄じゃなかったなって少しジーンと来ちゃいました。
Discordの通話から垣間見えていた、Hinaruhiさんの経験値から来る的確なアドバイスとkocoon君・supersova君の成長速度は素晴らしかったです。UIを配置しやすいように工夫していたのがHinaruhiさんに伝わっていたのはすごく嬉しかったですね。
集中するとゾーンに入りやすく急速に消耗するという体質もあって、ひっきりなしに体調と相談してましたがすごく楽しい一週間でした。プレゼン担当として賞をもぎ取ってみんなに努力の成果を還元できたのが何よりの喜びです。ダッツ奪取でガッツポーズ(激ウマギャグ)
Hinaruhi
1年生が多いのに仕事量膨大に回してしまったり、使ったことのない(実は3~4時間ぐらいならあった)Photonを使った初めてのオンラインゲームに挑戦してみたりと、何かと無茶を強いてしまった分は申し訳なかったです。
ただ、このように1ゲームとして形になってくれたので、皆さんとても頑張ってくれてよかったです。
ハーゲンダッツ、ゲットだぜ!!(プレゼン賞の景品)