こちらは新歓ブログリレー13日目の記事です
注意:この記事は2023年度までの情報を元にして書かれています。そのため2024年度以降の正しい情報とは食い違う可能性がありますが予めご了承ください。
結論
前期必修数学は全力でやれはじめに
どうもこんにちは。この前のブログを読んでくれた人はまた会いましたね。姑息な音MAD制作者の非常識です。24Bの皆さん、東工大合格おめでとうございます!過酷な受験戦争を突破した皆さんは今、思う存分に遊び、またこれから始まる新生活に期待を膨らませていることでしょう。しかし、いつまでも浮かれている訳にはいきません。もうすぐ入学式、それが終わればいよいよ授業が始まります。皆さんが合格時に決まったのは「学院」であり、他大学の学科に相当する「系」は2年生に進級する際に1年生の成績によって決定しますから、希望の系に入り自分のしたい勉強を思いっきりするためにも系所属、あるいは授業の履修に関する情報は詳しく知っておかなければなりません。
特に、情報工学系、数学系、情報通信系といった人気の系に行くためには高い系所属点(後述)が必要になります。更に、系所属において自分が所属する院とは違う院の系に進む「転院」という制度もあり、これをするのにも非常に高い系所属点が必要になります。よって、系所属で大きく有利になる必要があるこれら24Bの方々は今の時点からもう情報をかき集めて戦略的な履修を組み、最初から全力で勉強に臨む必要があります。
しかし、東工大に入ったばかりの新入生にこれを求めるのはたいへん酷なことです。そこで、皆さんの助けになるかなと思い私が1年生のときに履修した授業の感想をここに遺します。履修周りの解説も併せてするので是非参考にしてください。
この記事を書いた人について
私は23Bの情報理工学院、系は何事もなければ情報工学系になると思います。(執筆時点では確定していない)1年の通算GPA(後述)は3.95、系所属点は2977点でした。これがどれ程の成績かというと、まあ恐らくかなーり良いんじゃないでしょうか。大学が発表した系所属点の総得点分布表によると1113人中52位だそうです。52位と聞くと全然パッとしませんが、この天下の東工大の同学年の中で上位5%以内に入れていると考えると結構いい感じだということが分かりますね。こんだけの成績をとっても上にまだ50人以上いるのか…(畏怖)
用語解説
履修とかそこら辺関係で新入生の皆さんが知っておいたほうが良い用語について先にまとめておきます。
学修案内
東工大の学修に関する全てが載っている公式wikiです。こ↑こ↓のページに各年度のものがあります。24B用のは執筆時点ではまだありませんがじきに更新されるでしょう。軽視されがちですが本当に重要な書物です。これから説明することも全部ここに載っています。大学は自分から取りにいかないと全然情報が集まらないので必ず一読してください。多分入学式の日に紙のものも配られるはずです。
クォーター
東工大は1年を4つの期に分けるクォーター制を採用しています。それぞれ1Q,2Q,3Q,4Q(いちく、にく、さんく、よんく)と表記され、各Qごとに週時間割を決めます。Qの終わりには期末試験があるので、東工大生には1年間で計4回の期末試験が襲いかかってくることになります。(期末が無い授業もあるし、それより前に中間試験をやる授業もあります)
時限
東工大の時限は1時限から10時限まで存在します。しかし、基本的に授業は2時限1コマで行われます。つまり、他大学における1限、2限…は東工大における1-2限、3-4限…に相当します。なんでも、偶数限から始まる授業もあるからとか…ややこしいもの作るな!
時限 | 時間 |
---|---|
1-2 時限 | 8:50-10:30 |
3-4 時限 | 10:45-12:25 |
昼休み | 12:25-13:30 |
5-6 時限 | 13:30-15:10 |
7-8 時限 | 15:25-17:05 |
9-10 時限 | 17:15-18:55 |
シラバス/OCW
東工大で開講される全授業の詳細を載せたサイトです。一般に公開されていて誰でも閲覧することができます。履修する授業を決めるときにはここで詳細をよく読んで吟味しましょう。しかしシラバスに詳細が全然書かれていない授業もあるので困りもの…
東工大ポータル
東工大生のマイページのようなものです。ここから成績の閲覧や履修登録ができる教務Web、履修している授業の資料や課題が送られてくるT2SCHOLA(てぃーつーすからー、てぃーつーすこら、てぃーつーぺこーら、など学生や教員の間で呼び方に流派があります)、東工大が学生に提供するMicrosoft365アカウントなどにアクセスできます。入学してから使えるようになります。
履修登録
どの授業を取るかの登録をすることです。前期開始前に1,2Qの、後期開始前に3,4Qの授業をまとめて登録します。
履修取り消し
履修登録した授業は一定期間内であれば取り消すことができます。なので一度授業を受けてみて自分に合わないなと思ったら取り消せます。なんか、履修登録をするときに「この登録ボタンを押したら取り消しできません」みたいな文が表示されたりしますが普通に嘘です。もしそのあたりが修正されていたらごめんなさい…
ちなみに履修取り消しを忘れるとその科目を履修しているものと見なされてしまい、普通に成績がついてしまいます。忘れたまま放ったらかしてるといつの間にか不合格になっていて成績に大きな傷を残すことになるので気をつけましょう。
ユニット
東工大は1学年あたり1000人を超えますから、全員を全く同じ授業、全く同じ時間割にするのは到底無理です。そこで、東工大に入ると各学院から人を集めた十数人のグループが80個ほど作られます。これをユニットといい、番号が近い数ユニットごとに違った必修の授業クラス、違った時間割が与えられます。つまり、1年次の授業は同じユニットのメンバーと一緒に受けることになるのです。ですから同ユニの人たちはとても大事な仲間です。ユニットのおかげで東工大で孤立しなかったと言う人も多くいます。特に、例えば情報リテラシやコンピュータサイエンスの授業で困っても同ユニの情報理工学院の人に助けを求めるなんてこともできますね。
必修科目/選択科目
履修する授業にはそれぞれ必修科目、選択科目の2種類あります。
必修科目は読んで字の如く、必ず履修しなければいけない科目です。この授業の単位を取得しないと卒業できないので、例えば1年次の必修科目である線形代数学第一の単位を落としてしまうと再履修となり来年以降新入生に混じって単位が取れるまで授業に出なくてはなりません。更に、再履修の時間割が別の必修科目の時間割と重なっていたら最悪で、両方を履修することはできないので来年また取れなかった方を取る…ということになり、実質留年のような状態になりかねません。なので必修科目は絶対に落とさないようにしましょう。
選択科目は履修が任意の科目で、落単したとしても再履修しなければならないということはありません。楽をしたいならそんなに取らなくてもいいし(卒業できるとは言っていない)、成績や自分の興味関心に応じて履修上限まで取ってもいいです。
ちなみに、1年生の時に必修科目を6単位落とすか、必修と選択を合計した総取得単位数が31未満となった場合、後述する系所属の資格を得ることができません。つまり留年です。頑張って必要な単位を取得しましょう。
教職
希望すれば通常の授業にプラスして中学や高校の先生になれる免許を取るための授業を受けることができます。私は教職についてはあまり詳しくないのですが、土曜日とかも授業があったりするようです。詳細が知りたい方は教職を取った先輩に聞いてみてください…
100番台
東工大の授業には科目コードが割り振られています。その中の3桁の数字の部分はレベルコードといい、特に百の位の数字が授業のレベルを表しています。なので百の位が等しい科目をまとめて100番台、200番台…と呼称します。1年生は原則100番台の授業しか履修できません。
単位
各授業にはそれぞれ単位数が定められています。授業を履修し、合格することでその授業の単位を獲得することができます。卒業するには全ての必修科目の単位とそれを含む合計124単位が必要になってくるので、この単位を落とすか落とさないかが東工大生の命運を握っています。
基本的に1週間のうちに1コマある授業の単位が1単位です(例外あり)。まあつまり、週時間割を作った時に埋まったコマの数がそのQの履修単位数だということです。
成績
東工大の成績は、基本的に履修した各授業ごとに100点満点でつけられます。60点以上で合格となり、単位を獲得できます。つまり59点以下になってしまうと落単です。なので東工大生は何が何でも60点は超えようとあの手この手を尽くします。
成績の付け方は授業や担当教員によって異なります。例えば期末試験のみで成績をつける授業は試験で点が取れるなら最悪授業を全て欠席しても問題ないですし、出席点がある授業はたとえ試験の出来が悪くても授業に出席していれば単位は取れるかもしれません。そういった成績の付け方などは全てシラバスに書いてあります。どの形態が合うかは個々人の好みや戦略によって変わるでしょうから、やはりシラバスをよく確認しましょう。
ここで大事なのは、この成績は相対評価ということです。宗教学Aの先生の口から確かに語られたのですが、大学側は各授業において「〇〇点以上が全体の〇割になるように~」という風に教員に対して要請しているそうです。その要請に従い、教員は学生の点数を調整します。
例えばある授業において、出席点やレポート、期末試験の点数から算出されたあなたの成績の素点が99点だとします。惜しい。しかし、もし同じ授業を受ける人の中に素点が100点の人が大量にいたとしたらどうでしょう。これでは得点分布が満点に大きく偏ってしまいます。しかし満点の人の点数を落とす訳にもいきません。よって、教員は満点に限りなく近いが満点ではないあなたの素点に補正をかけ、最終的な成績を80点とかそこらに落とすでしょう。いくら99点とはいえ、あなたはこの集団の中で「相対的に」低い点数だったのですから。
これは少々誇張が入った例ですが、これが起こり得るのが相対評価の怖いところです。同じ授業を受ける仲間は、共に学び合う友である一方で蹴落とさなければならない敵でもあるのです。受験みたいですね。
そして、更に恐ろしい事実があります。それは、教員はこの大学からの要請をあんまり守っていないということです。相対評価であるということには変わりありませんが、厳しく点数をつける教員がいる一方でほとんど全員に満点を与えるような教員もいます。中には成績の最大値を90点にする教員もいれば、「なぜ我々が学生の成績なんか気にしてやる必要があるんだ」などとのたまう教員もいますし、過去には学生に対して紙に欲しい点数を書かせ、あろうことかその通りに点数をつけるというとんでもない事をした教員もいたといいます。つまるところ、仕方がないといえばそうかもしれませんが残念ながら成績のシステムは全く公平ではありません。それが、後述する系所属が不毛な争いだと言われる所以でもあります。
合否科目/点数科目
成績は基本的に100点満点でつけられる(点数科目)と書きましたが例外もあり、点数をつけるのではなく、合格か、不合格かの2択で成績をつける科目(合否科目)も存在します。合否科目はGPAや系所属点の計算に使用されないなどの違いもあり、注意が必要です。
成績不服申し立て
期末試験が終わり成績が公開されたとき、もしその成績に不服があれば期間内に担当教員に不服申し立てのメールを送ることができます。成績に不服と聞くとろくに勉強しなかった奴の往生際の悪いもがきを想像してしまうかもしれませんが、困ったことに教員が学生の成績をつけ間違えることはかなりよくあります。私なんか情報リテラシの成績が他の人と間違えられていて点数が30点も上がりました。なので成績に少しでも疑問があるならとりあえず不服のメールを送ってみるといいと思います。ただし、闇雲に申し立てをするのも良くありません。学生から送られてくる大量のメールを読む教員も人間なのですから、あまりに軽い気持ちで不服が送られてきては教員も困ってしまいます。最低限の礼儀はわきまえましょう。間違っても件名に「【緊急 返信早く!】」なんて書いてはいけませんよ。(書いた人がいた)
英語科目の単位認定
東工大には必修科目として英語科目が英語第一から第九まであり、1クォーターに1つづつ、つまり3年生あたりまで末永く付き合っていくことになりますが、なんとこれを成績100点換算で免除する神制度があります。以下の成績のうちどれか1つがあれば(成績証明有効期間内のものに限る)、英語第一から第八までのうちまだ履修していない科目が成績100点で「「「全て」」」免除になります!
- 実用英語技能認定試験(日本英語検定協会)1級
- TOEIC Listening & Reading 公開テスト 875点以上
- TOEFL iBT 100点以上
- IELTS 7.0以上
英語が100点で免除になれば日本中の大学生を苦しめるあの1限という存在から1つおさらばできますし、系所属点的にも大変有利になります。また、単位認定を取る前提で必修英語の履修を取り消すという賭けをする人もいます(私です)。単位認定できるのは「まだ履修していない」必修英語なので、単位認定を取る前から履修を取り消すことで本来ならば普通に履修していたはずの授業にも単位認定をかけることができるのです。ちなみに必修科目なので履修取り消しをしたのに単位認定が取れなかったら再履修、または留年です。まずいですよ!実際まずいです。助けて。
オススメはTOEIC L&R 875点です。この4つの中で一番難易度が低く、知名度的にも他のところで使えるからです。頑張りましょう。
文系教養科目
東工大は、単なる理工系専門の教育だけではなく、文系教養(リベラルアーツ)教育にも力を入れています。そのため、文系教養科目が必修科目として定められています。1Qでは全員が立志プロジェクトという科目を履修することになりますが、2,3,4Qでは自分の好きな文系教養科目を選んで履修します。
しかしこれが少し厄介で、文系教養科目は人文学系、社会科学系、融合系の3つに分かれていて、1年のうちにこの3つのカテゴリーからそれぞれ1科目づつ履修する必要があります。更に、開講される文系教養科目はQによって変わってしまいます。するとどうなるかというと、予め取りたい科目とその順番をしっかり計画立てておかなければ希望の科目が取れないのです。
そして更に厄介なのは、履修する文系教養科目は抽選によって選ばれるという点。2Qの前に2Qの科目、3Qの前に3,4Qの科目の志望調査があり、そこで志望順を開講される全てにつけることになります。それを元に抽選が行われ、その結果それぞれの科目に割り振られます。なので、必ずしも第1志望の科目が取れるとは限りません。第17志望の科目に飛ばされている人も普通に見かけました。なのでここでも戦略が必要ということです。
1つの手段として、3,4Qの文系教養科目の中にどうしても取りたくない科目があったとして、各系から1つずつ履修しなくてはいけない仕様を利用し、2Qにその科目が属する系の文系教養を取ることで3,4Qの抽選でその取りたくない科目に割り振られることを必ず回避できるという技があります。実際、授業の難易度が高く落単者が続出する科目もあるので、そういった戦略も1つアリだと思います。…何が好きかより何が嫌いかで自分を語るのはあまり良いことではないですけどね…
GP
大学の話でたびたび登場するGPAですが、それを定義するためにまずはGPというものを定義します。東工大においてGPは履修した各授業に対して以下のように定められます。
つまり、その授業が不合格ならばGPは0、合格ならば成績から55を引いて10で割ったものがGPになります。よって合格の場合GPは0.5から4.5の値をとります。結局のところ、GPは各授業の成績の値を小さくして扱いやすくしたものであり、本質的には成績と同じであると言えます。
また、点数がつかない合否科目はどうなるかというと、合格の場合GPは2.5、不合格は0として扱われます。点数にすると80点換算ですね。良くもないけど悪くもない感じ。
GPA
東工大においてGPAは以下のように定義されます。
ただし、取得した該当授業の総単位数をN、履修した該当授業の数をn、そのうちi番目の授業のGPと単位数をそれぞれGPi、単位数iとします。「該当」と書きましたがGPAの算出から除外される科目もあって、
- 留学, 編入学, 単位互換等における「認定」科目
- 卒業要件の対象とならない科目
- 成績評価が「合格」・「不合格」で行われる科目
- 研究関連科目
は除外されます。新入生に関係がありそうなのは合否科目が対象外ってことくらいですかね。
要はGPの平均をとっている感じですね。なのでGPAの最大値は4.5です。ただ授業によっては週2コマ授業があって単位数が2だったりすることもあるので、その場合は1単位の授業2つ分として計算しているということになります。
つまり、GPAは本質的には履修した授業の成績の平均を表していることになります。その値が4.5に近いほど成績が良いということです。しかし大学によって計算方法が違い、最大値が4.0の大学もありますから(こっちの方が主流…?)、他大学の学生と東工大生のGPAは単純比較できないという点に注意してください。
GPAは結局GPの平均をとっているだけですから、高GPAをとることだけを考えるならば高い成績がくる簡単な授業を数を絞って履修すればいいことになります。逆に授業を多く取れば取るほど全ての授業で高成績を取らないと高GPAを維持することはできないので不利になります。じゃあ授業をあまり取らないで楽ができるかというとそうでもなくて、研究室所属や院試ではGPAの他に後述のGPTも使用したりするのでサボってると後々苦労しますよ。
GPT
GPAと似ていますが全く別のものとしてGPTというのがあります。エンタルピーとエントロピーみたいな。 東工大においてGPTは以下のように定義されます。
また、以下の科目は算出から除外されます。
- 留学, 編入学, 単位互換等における「認定」科目
- 卒業要件の対象とならない科目
GPAとの違いとして、GPTは取得した総単位数に関わらずGPの総和を110で割っています。つまり、本質的には成績の平均を表していたGPAに対し、GPTはただ単に全成績を足し合わせたものに等しいです。
GPTは不合格にならない限りたとえ成績が悪くても授業を取れば取るほど上がっていくため、授業をなるべく取らないことで高くなるGPAとは逆に授業をできるだけ沢山取れば最大化できます。楽はできませんね。研究室所属や院試で参照されるのがGPAなのかGPTなのかは学院や系によって違うので、先輩や教員の話をよく聞きましょう。ちなみに私のとこの情報理工学院はどっちもだそうです。ぐわあ。
キャップ解放
1年間のうちに取得できる単位数は合計48単位までに制限されていて(キャップ制)、これを超えて授業を履修することはできません。しかし1年前期のGPAが3.00以上だった場合、この上限が解放され52単位まで引き上げられます。単に興味のある授業をたくさん取れるだけでなくGPTを稼ぐという意味でもたいへん有利に働きますから、目指してみるといいと思います。
なお、2年生からは前年度の年度GPA3.00以上で上限が56単位にまで増加します。また、前年度の年度GPAが3.00未満でもその年の前期に3.00を超えれば上限が52単位にまで増加します。
系所属
恐らく1年生が最も興味関心を抱く話題だと思います。系所属とは、1年生が2年生に進級するときに自分が所属する学院のいずれかの系に所属することです(学院外の系に所属する転院という制度もあります)。1月から系所属志望申告が始まり、1年次の成績を元に算出された系所属点によって3月末に自分の所属する系が決定します。その鍵を握るのはやはりこの系所属点。1年生はこの系所属点を懸けて聖杯戦争の如く血みどろの戦いに身を投じることになります。そんなに誇張された比喩じゃないと思います。Twitter(現𝕏)を漁れば系所属に人生を狂わされた者の嗚咽が腐るほど出てくることでしょう。公式からの説明の場として秋頃に学院別で系所属オリエンテーションがありますが、正直その時期から系所属について考え始めるようじゃ遅すぎます。系所属は情報戦です。行きたい系に行くために、今のうちから情報を仕入れて計画を立てる必要があります。
系所属の詳しい仕組みを説明します。まず、各系には受入可能予定人数という、まあ受け入れるのはこれくらいなんじゃねーの的な人数が決まっています。これは学修案内に載っています。次に、学院内で系所属の資格がある人の数の1.1倍を受入可能予定人数で比例配分します。このとき配分された数を各系の系最大受入人数といい、これがその系に所属できる最大の人数になります。これは学院内外から所属できる人数の両方を合わせた値で、そのうちの100/110が学院内、10/110が学院外の人が所属できる最大人数となります(それぞれ学院内調整人数、学院外受入上限人数といいます)。この数を定員として、系所属点が高い順に志望の系へと割り振られるのです。
ちなみに系所属の資格というのは、必修科目を17単位以上かつ必修選択合計で31単位以上取得しないと手に入りません。必修の単位は23単位あるので、前にも書きましたが6単位落とすか合計単位が30以下で留年です。
系所属点
系所属の際には基本的に系所属点が高い人から順に希望の系に割り振られます。その系所属点は以下のように計算します。
ただし必修iは履修した全ての必修科目の成績を高い順に並べたときのi番目の成績とし、選択iも同様に履修した全ての選択科目の成績を高い順に並べたときのi番目の成績とします。また例えば2単位の科目はそれと同じ成績の科目が2つある状態と同じように扱います。
つまる話、必修上位17単位と選択上位14単位の得点の合計値が系所属点よって、系所属点は最大3100点ということになります。
転院
先に少し説明した通り、系所属において今いる学院を脱出して外の系に所属する転院という制度があります。皆さんの中には一般受験で第1志望の学院に落ちてしまった人も沢山いるでしょうから、そういった人にとっては浪人せずに実質受験をやり直せる千載一遇のチャンスです。また、東工大で授業を受けるうちに自分のやりたいことが変わった人もいるでしょうから、そういった人にとってもまたとない機会です。
系所属の詳しい説明の中で、学院外から所属することができる専用の枠(学院外受入上限人数)があると書きました。これがその系に転院勢が入れる最大数です。しかしながら計算をしてみるとこの人数は本当に少ない。数人も数人です。この小さな枠を巡って同じくその系に転院を狙っている人々と系所属点で殴り合いをすることになります。しかも、全員が全員この戦いに参加できるとは限りません。なんと、所属している学院から脱出し学院外の系に所属できるのは所属している学院の有資格者の10/100までであると決まっているのです。
つまり転院をしようとした場合、まず今いる学院を脱出することができる枠(今いる学院の有資格者の10/100)を巡って同学院の転院勢と潰し合いをし、それに勝ったら次に志望する系の学院外受入上限人数を巡って殺し合いをし、それにも勝てばようやく転院成功となるのです。このように、転院には学院を出るときと系に入るときの2つのボーダーがあるのです。そんなことになっているため、転院には基本的に学院内の系に所属するときよりもべらぼうに高い系所属点が要求されます。その様子はまさに戦争です
更に、系によっては色々な事情を加味して学院外受入上限人数が減ることもあります。実際、例年情報理工学院の学院外受入上限人数は若干名(1人とか2人とか)であると説明されるほか、私たちの代では工学院の学院外受入上限人数も突然後出しで若干名となり、工学院に転院前提で滑り止めを蹴り東工大に入学した人々を絶望のズンドコに叩き落としたという事件がありました。
さて、系所属点が何点あれば志望の系に行けるのか?ということですが、情報理工学院から工学院のシステム制御系への転院に成功した22Bのほってぃ氏が22Bの系所属点ボーダーについて調査した記事を書いて下さっていてこれが大変参考になります。23Bの系所属についても、発表され次第誰かが調査して記事を書いてくれるかもしれません。
転系
あまり話は聞きませんが、系が決まった後でも系所属をやり直すことができる転系という制度が存在します。その場合、再び系所属に挑むまでの間に履修した科目も系所属点の計算に使うことができます。なので初回よりも高い系所属点で系所属に挑める可能性があります。ただし、今まで一度も書きませんでしたが、系所属で使えるのは基本的に100番台の科目だけです。一度系に所属した後に履修した200番台の科目は使うことができません。
また、学院の教授会による審査で特別に転系が認められることもあるそうです。
授業感想
それでは次に、私が1年次に履修した授業を振り返っていこうと思います。私がした履修は個人的にかなり満足していて、もし時を戻してもう1回履修を決めるとしても恐らく同じ授業を取ると思います。また、これは情報理工学院の私の例ですが、他学院の方でも大いに参考になると思います。
1Q
英語第一
必修科目
単位数:1
成績:91
必修の英語です。受験においてあれだけレベルの高い英語をやってきたにも関わらず、東工大の必修英語でやる内容は高校の英語の授業レベルです。進学校に通っていた人にとってはもっと低くなるかも。ちょっと拍子抜けですが、案外どこの大学でもそんな感じらしいですね。受験勉強で英語をしっかりやっていれば困ることはないと思います。ただ春休み明けということで英語が脳から尽く抜け落ちているかも…?それ以上に語ることはあまりないです。私のクラスの先生は相対評価を徹底するタイプの人だったので成績は91点でした。
線形代数学第一・演習
必修科目
単位数:2
成績:92
必修の数学です。週に2回の講義(主に先生の説明を聞く回)と週1回の演習(講義を元に問題を解く回)がセットになっています。この線形代数学では行列について勉強し、第一では行列式までを取り扱います。必修なだけあってどの分野でも基礎知識として使う大切な内容なのでよく勉強しましょう。また、単位数が2であるため悪い成績をとってしまうとGPAに大きく響くばかりか、必修でもあるため系所属点的にも取り返しのつかない痛手になる恐れがありますから、2Qの微積と併せて心して取り組みましょう。私は期末で少しコケてしまって92点でした。
1年次の必修数学はこれと2Qにある微積で全てで、3,4Qの数学は選択科目になります。数学が苦手だけれど東工大に入ったという人は一定数いて、そういう人は後期の数学は取らなくても全然大丈夫です(その先で苦労するかもしれないけど…)。ただし、系によっては取らないと卒業できないところもありますからちゃんと学修案内を読んで確認しましょう。数理・計算科学系とかがそうですね。
ちなみに、東工大の数学の進度は慶應の2倍速いらしいです。流石は入試数学の配点を300点にするだけありますね。
無機化学基礎
必修科目
単位数:1
成績:81
必修化学は4Qまであり、有機化学、無機化学、量子化学、化学熱力学の4つを学びます。そして唯一、教科書が全クラスで同じです。ですから各クラス扱う内容には大して差はないと思われます。
この無機化学基礎はその教科書を追っていくだけで、独学でも十分追いつける内容でした。内容は原子軌道や結晶、金属、酸塩基あたりを扱いました。私のクラスでは出席点も無く、テストで点が取れるなら授業出なくてもいいよと先生も言っていたので途中から行かなくなってしまいました。1限で起きるのが辛かったので…成績は81点でした。試験は自信があったのですが、もしかしたらどこかでえらい間違いをしていたのかもしれません…
力学基礎1
必修科目
単位数:1
成績:88
運動の法則やエネルギー、惑星の運動について学びました。最初の数回は高校の力学基礎と間違えたかのようなごく当たり前に思われる内容でしたが、こういうのは当たり前だからこそ非常に大切な内容だったりします。そして途中から難易度が豹変するのもまたよく聞く話。この授業もその例に漏れず途中から一気に難しくなりました。なんだ簡単だと高を括っていてはいけませんね。試験は教科書の例題レベルの問題がほとんどでしたが、1問とても難しい問題があり解けませんでした…
ちなみに、とあるw先生の授業は地獄のような難易度だという噂を聞いたことがあります。東工大生の間ではかなり有名です。
生命科学基礎第一1
必修科目
単位数:1
成績:79
東工大の一般入試の科目に生物はありませんが、1年生は必修で1,2Qに生物の授業があります。一応生物未履修でも大丈夫なようにDNAやRNAのような基礎的な内容から始まりますが、期末試験はちゃんと難しいです。マークシート式で、共テ化学の正誤問題みたいな感じでした。その問題もある程度過去問を踏襲しているので東工大生の間では生命は過去問をいかに手に入れるかの情報戦だと言われています。私は過去問は手に入ったのですが本質的な部分をよく理解していなかったので79点を取ってしまいました…1年次の成績ではこれが1番低いです。
ちなみに、この生命科学基礎では期末試験が落第だった場合再試験を受けることができます。そこで合格すれば点数は60点になってしまいますが単位はもらえます。再試験の会場には留学生が多かったという話を聞いたことがありますが、その意味を考えるとなんだかやるせない気持ちになります…
東工大立志プロジェクト
必修科目
単位数:2
成績:合格
文系教養科目第1弾ということで、1年生は全員この立志プロジェクトというものを受けます。内容は、池上彰先生(実は東工大の特命教授!)を初めとするリベラルアーツ研究教育院の様々な先生のお話を聞いてそれを元にみんなで議論をするというディスカッション主体の授業です。
ちなみにこれは合否科目です。点数はつきません。よほどのことが無い限り落単はしませんが、授業に欠席しまくると普通に落とされるのでしっかりと出席しましょう。
情報リテラシ第一
選択科目
単位数:1
成績:100
東工大生は全員お世話になる東工大ポータル周りの説明、東工大の図書館についての説明、あとはインターネットに関する軽いリテラシーの話がされる授業です。選択科目ですが、最初の何回かは必ず出席しなくてはいけなかったはずです。例年ほぼ全員取ってる授業だと思うので、特に理由がない限り取りましょう。
成績についてですが、情報リテラシの授業は少なくとも私の代では先生によって格差が大きかったです。私の成績が100なように簡単な課題を全て提出していれば100点がくる先生もいれば、内容が面倒くさい上に成績も渋いという先生もいます。他の授業に比べてかなり格差が感じられました。ただ点数が渋い先生に当たらなければ基本的に貴重な高得点生成源となりとても美味しいです。
環境安全論A
選択科目
単位数:1
成績:96
科学の営みが環境に与える影響について学びます。70周年記念講堂で行われ、毎回違う学院の先生が授業をするというオムニバス形式の授業でした。講堂の二酸化炭素濃度が高いのか内容があまり面白くないのか眠ってしまう人がちらほらいましたが、基本的には高い点数がくるとして人気の授業です。
成績は期末試験のみでつけられ、その内容が過去問をかなり踏襲しているためそこが高得点の鍵となります。ただ、過去問が集められないようならば難易度は一気に跳ね上がりますので注意してください。
TOEIC対策セミナー第一
選択科目
単位数:1
成績:95
TOEIC対策のテキストを先生と一緒にやる授業です。TOEICといえば875点で必修英語が100点免除になるとして東工大生が目指しているものですが、この授業では600点を目指す系のテキストを使いました。なのでTOEICの対策がしたくて取ったというよりは系所属点を稼ぐために取った授業ですね。私のクラスでは毎回の小テストで成績がつけられましたが、受験でしっかり単語や文法を勉強していれば難なく解けるレベルでした。点数もおいしかったので稼ぎとしては良いですね。東工大生は比較的英語が苦手な傾向があるから英語が苦手じゃないというだけでアドバンテージだったという可能性も微レ存…?
科学・技術の最前線
選択科目
単位数:1
成績:合格
「サイゼ」と略され東工大近くのサイゼリヤとしばし混同することで有名な授業です。シアタールームで毎回違う学院の先生、時には外部から有識者をお招きして色々な科学のお話が聞ける授業です。毎回講演に関する簡単な問題に答えるだけで単位がきます。
しかしちょっと問題があって、それはこいつが合否科目だということです。つまり点数がつかず、系所属点に使うことができません。にも関わらず、あたかも全員が履修するべきというような顔をしています。なので系所属点が必要な転院ガチ勢の間ではこれを履修しないことが攻略ルートとして確立されています。ただまあ、色々なお話が聞ける上に簡単な課題を出すだけで単位がもらえるので、そこまでしてまで系所属点を求めていない人は素直に履修していいんじゃないでしょうか。
情報理工学リテラシー
選択科目
単位数:1
成績:98
これは情報理工学院の専門科目ですね。内容としては最初の方の回では情報理工学院の先生のお話を聞き、後の回ではグループに分かれて議題を考え、グループ対抗でひろゆきの如くいわゆるレスバトルをします。なにこれ…私のクラスでは「1限は廃止すべきである」みたいな議題が出たりして、それについてレスバをしたりしました。まあ、結構緩い感じです。
前半の先生のお話を聞く回ではそれについて感想文を提出しなくてはいけないのですが、成績を左右するのは恐らくこれなのでサボらず大量に書きましょう。これをサボった人はあんまり点がもらえなかったとかなんとか…?
物理学演習第一
選択科目
単位数:1
成績:87
講義メインの必修物理に対してこちらはその演習メインバージョンの授業です。必修物理の講義とある程度内容が連動していて、問題を解き、その解説を学生自身が前に書く感じで進んでいきました。どこの演習のクラスも大体こんな風に学生が前に出ていく登壇のシステムだったと思います。
内容はちょっと難しいですが、この演習の内容が必修物理の期末の対策にもなってお得なので履修をおすすめします。まあ、ちょっと厳しい先生もいるのでその時はその時で履修取り消しするなりなんなり…
ちなみに物理学演習、そして次の物理学実験は開講のされ方が少々特殊で、1週間ごとに物理学演習と物理学実験が交互に開講されます。つまり物理学演習は2週間に1回開講するということですね。なので回数の問題から物理学演習第一は2Qまで続きます。2Qが終わってようやく1単位獲得です。第二の方もこんな感じです。
物理学実験第二
選択科目
単位数:1
成績:96
物理に関する実験をする授業です第一は力学、第二は電磁気学の実験をします。前に書いた通り2週間に1回の開講です。演習と違って実験の方はQをまたがず、3回の授業で終了です。
履修の仕方はちょっと特殊で、教務Webから一定期間内に履修希望のアンケートに答え、抽選の結果当たれば履修が認められます。このとき第一と第二どちらになるかは運ですね。ただ後期にもう一度アンケートがあり、そこで受けてない方の実験が取れるので心配は無用です。むしろ心配するべきは抽選に当たるかどうかです。運が悪いとどちらも履修できません。しかもアンケートの期間も短いので、例年情報を仕入れるのが遅くて答えそびれる人が続出します。気をつけましょう。ちなみにアンケートには教職を取るか、とか物理学系を志望しているか、の質問があります。多分はいと答えたら抽選の確率が上がります。でも嘘をついてはいけませんよ。
抽選になる理由は、この物理学実験が楽な上に高得点がくるからです。この授業ではコロナによる影響をまだ食らっていて、感染対策のためにか実験が非常に簡略化されています。装置もほとんどセットされていて、20分とかそこらで実験が終わります。そしたら締め切りまでにレポートを出して終了。点もくるし時間も短い、しかも週2。なので誰もがこぞって取りたがるのです。ちょっと履修の理由が不純ですねぇ…
2Q
英語第二
必修科目
単位数:1
成績:88
成績ちょっと落ちちゃった。あんまり語ることはありません。必修英語って結構先生によるので、点がこないと言っている人もいればめっちゃ高得点くるって言ってる人もいます。
微分積分学第一・演習
必修科目
単位数:2
成績:100
みんな大好き微積です。多変数の微積までやりますが、ε-δ論法は使いません。厳密にやるというよりかは道具としての側面を意識してるんですかね。ε-δは後期の数学でやります。選択なので取らなくてもいいです。
私のクラスのm先生は少々癖の強い先生で、期末試験がとても難しいと評判です。実際に落単した人、成績が芳しくなかった人は多くいました。しかし私は鬼教員だとは思いません。試験前に出す分野を教えてくれましたし、試験の傾向は過去問をかなり踏襲している感じで、過去問を集めてじっくり対策をすれば攻略可能です。むしろその努力が他の授業と比べてよく成績に反映される先生だと思います。実際に私は100点をもらえました。必修科目の2単位なのでこれはアツい。
有機化学基礎
必修科目
単位数:1
成績:89
無機同様に授業には出ませんでした。ここで1限に出るより睡眠時間を増やした方が成績が上がるという判断です。褒められたことではないですが先生自身が許可を出しているのでまあ…
内容としては有機化学の反応、例えばSN2反応やSN1反応などをやりました。
力学基礎2
必修科目
単位数:1
成績:98
1Qの続きです。角運動量などについてやりました。1Qに引き続き期末試験は教科書の例題レベル(簡単とは言っていない)だったので教科書での勉強がそのまま試験に活かせて助かりました。相変わらず他のクラスからは悲鳴が聞こえてきましたね…
生命科学基礎第一2
必修科目
単位数:1
成績:89
1Qの続きです。書き忘れていましたが生命もオムニバス形式の授業で回によって先生が変わります。相変わらず試験も正誤や選択問題で、みんな過去問での対策に明け暮れていました。が、やはり過去問暗記ではだめですね。それだけで解けるような問題ではありませんでした。ただ必修の生物科目はこれ以降ありません。私は生物分野は不学なものなのでほっとしました。
国際関係論A(文系教養)
必修科目
単位数:1
成績:99
自由に選べる文系教養です(抽選に当たるとは言っていない)。第1志望がこれだったのでうまく抽選に当たれてラッキーでした。内容としては戦後の安保理、米軍基地問題あたりをやります。私がそういう話題にかなり興味があるのもありますが、先生の語りも面白く、授業が楽しい。HoI4を嗜んでる人らは目を輝かせていましたね。しかも最初の3回以降はオンデマンド形式となり、我々は歓喜しました。
期末のレポートは国会の議事録を漁って鳩山政権が米軍基地県外移設に失敗した理由について考察しました。オタク君早口で草ですね。ただ、レポートの内容は先生の考えにそぐわないものはあんまり評価されないと噂されていて、実際に大量に書いたけど点数がこなかった友人もいました。先生の本を行き帰りの電車の中で読んでいたので偶然にも回避できました。でも満点にはならなかった…見た感じ100点がきている人はいなさそうでした。こんな風に、教員の論文レベルのレポートを書いてこない限り学生に頑なに100点を渡さない先生もたまにいます。
情報リテラシ第二
選択科目
単位数:1
成績:100
情リテです。第二では数式を綺麗に出すことができるLaTeXというものを学びます。これは理系学生にとってほとんど必須といってもいいツールです。論文を書くときだけでなく、レポートを書くときにも大活躍します。実際に私は物理学実験を初めとする沢山の授業のレポートでLaTeXを使いました。なので是非履修して使えるようになりましょう。
ちなみに似たことはWordでもできます。何を使うかは結局宗教の領域です。
科学・技術の創造プロセス【情報理工学院】
選択科目
単位数:1
成績:99
サイゼの情報理工学院バージョンです。先生方やYahooなどの大手企業の技術者のお話が聞けます。その道に興味津々の人にとってはたまらないでしょう。
TOEIC対策セミナー第二
選択科目
単位数:1
成績:94
第一の続きです。でも第一を取っていなかったからといって何か不都合があるわけではありません。いい感じに成績がきてくれて良かったです。
健康科学概論
選択科目
単位数:1
成績:90
高校の保健体育みたいな感じで、ざっくり言って運動や健康について学びます。成績は期末レポートでついて、授業で扱った内容について何か更に調べてこいという内容でした。しかし、成績の付け方にちょっと疑問があって、というのも先生が「まぁ…10ページくらい書けば90点はくるんじゃないですか?」と発言し、講義室は(え…そんなに書いてたった90…?)と戦慄しました。私は図書館の本を読んでそれを参考にしながらレポートを書いたのでクオリティには多少自身があったのですが、宣言通り90点しか貰えなかったあたり、もしかすると成績は高くつけてくれるけれど90点以上は絶対につけないタイプの先生だったのかもしれません。そういう先生も、います。
情報理工学基礎1
選択科目
単位数:1
成績:100
情報基礎数学という教科書を元に、集合論や命題論理などについて学びます。ちなみに情報理工学院の院試の問題もこの情報基礎数学の内容から出る部分があるらしいです。情報理工学院以外の学院の人でも時間が合えば履修できるので、他学院の人もちらほらいました。
授業の詳細は先生の方から止められているのであまり深掘りはできませんが、期末レポートで私はガロア体を用いた誤り訂正符号の数学的技術について書きました。一見凄そうなことをしてますが、私は何か特別知識があるわけではないです。図書館で初学者向けの数学書を借りてきてヒィヒィ言いながら書いてあることを解読し、やっと書き終えました。なので100点がきてくれて嬉しいです。
3Q
英語第三
必修科目
単位数:1
成績:履修取り消し
単位認定を狙って英語第三は切りました。第四もです。でもTOEICの勉強は順調かと言われたら、こいつ空いた時間で音MADとか作ってるんですよ。困っちゃいますね。そんなんで単位認定取れるんですか?わ、わかんないっピ…
量子化学基礎
必修科目
単位数:1
成績:99
量子化学です。有機無機で扱った原子軌道について、シュレディンガー方程式を用いて数学的に追っていきます。化学というかゴリゴリ物理です。ムズいです。有機無機と比べて言っていることが初見じゃ本当に分からない。こればっかりは教科書を何度も読んで理解するしかありませんね。
ちなみにこの授業は授業の最初に紙で提出する課題があったので欠席しませんでした。眠かった…
電磁気学基礎1
必修科目
単位数:1
成績:90
後期からの必修物理は電磁気学です。3Qではクーロンの法則や電場に関するガウスの法則について勉強しました。先生は「期末は基礎的な問題を出します」と言っていましたが、これでもかって位ドロドロ濃厚期末試験の最後の問題には特殊相対性理論が入っており、怒りのあまり卓上調味料を全部倒してしまいました~!そんな風なネタツイをしたところ、4Qの授業で先生が「期末試験に特殊相対性理論を出したことを怒るツイートが教員の間で話題で…」ってそれ私やないか(絶句)
統計学A(文系教養)
必修科目
単位数:1
成績:91
統計学は先生が面白く、雑談学Aと呼ばれるほど雑談をしていました。授業の半分とかそこらが雑談だったのを覚えています。課題は毎回の小さな課題と期末のレポートで成績もみんな良かった印象だったのですが、残念ながら私はうっかり小課題を1つ出し忘れてしまい、そのせいか期末レポートは頑張りましたが成績は91点でした…提出忘れには気をつけよう!
コンピュータサイエンス第一
選択科目
単位数:1
成績:100
情リテの続編みたいな感じの授業です。主にpythonを勉強します。Jupyter Notebookで講義資料が配られ、最後にちょっとした課題をやってそのコードを提出する感じで進んでいきました。たまにちょっと大きめのレポート課題も発生しましたが、情リテのノリで課題を全部提出していれば100点がきました。
変数や四則演算のあたりから丁寧に教えてくれるのでプログラミング未経験でも大丈夫です。困ったら同ユニの情報理工学院の人を頼りましょう。
線形代数学第二
選択科目
単位数:2
成績:90
前期の第一の続きです。ここから数学は選択科目になりますね。また、それに伴い講義と演習が別々の科目になります。つまり片方だけ取ることもできるようになります。内容としてはベクトル空間から対角化のあたりまでをやりました。ジョルダン標準形は残念ながらやっていません…
難易度は…普通ですね。期末試験は自信があったのですが成績は90と控えめでした。なんでやろなぁ…
線形代数学演習第二
選択科目
単位数:1
成績:92
数学が選択科目になることで1つの科目として独立した演習の授業です。これも…普通でした。あんまり語ることは無いです。
宇宙地球科学B
選択科目
単位数:2
成績:100
宇宙について学びます。内容的には高校の地学に近いですね。週2回授業があって、出席確認はありましたがあくまで救済用で、成績はレポートによってつけると言っていました。中間と期末の2回レポート課題が出されたのですが、この内容が面白い。中間は「授業でやった内容で仮想の試験問題を作れ」、期末は「宇宙のどこかを調査する探査計画を自分で立ててみよ」でした。
しかしこの授業、成績が激渋ということで大きな話題となりました。点数が思ったよりきていないというのです。そのせいで、「うちかにGPAを破壊された」「うちかに系所属を狂わされた」という被害者の声がTwitterで続出しました。どれくらいかというと、成績の内訳を問い合わせ、「あなたのレポートは上位数%の出来だ」と返ってきた人の点数が90点前後でした。ちょっとおかしくないですか?だって私には100点がきてるんですよ!?余計にわけがわかりません…確かに人よりかは出来の良いレポートを書いた自負はありますが、点数が渋いのが本当だとしてそんな大層なものを書いたつもりはないです…宇宙分野に詳しいわけでもないです…本当に、謎です。
結局履修すべきかどうかという問題ですが、私はそんなに怖がらなくてもいいんじゃないかなと思います。今回点数が渋いと騒がれた原因の1つに、その前の代の授業がいわゆる楽単で、その評判を聞きつけたのかは分かりませんが私らの代から履修者が急増したというのがあると思います。確か500人位いたと思います。でかい講義室にも入りきっていませんでした。なので点数が渋かったのは、履修者が多いせいでそれだけ点数が芳しくない人の数も多く、結果的にその声が強くなったというだけかもしれません。もしあなたが宇宙に興味があるのなら躊躇わずに取るべきです。
ウェルネス実習
選択科目
単位数:1
成績:94
高校の体育のような授業です。スポーツをします。私はバドミントンを選びました。ただ、人が多いとじゃんけんになり、負けるとウェルネス自体履修できません。私は運良く勝つことができました。
ウェルネスは高得点がくると先生自身が言っている通り、点数目当てで多くの人が履修します。しかし履修の仕組みがちょっと複雑で、例えば普通の授業は週1回の授業で1単位ですが、ウェルネスは0.5単位です。つまり、3Qでウェルネスを取ったのなら4Qでもウェルネスを取らないと1単位になりません。1年が終了した時点で0.5単位分しか履修していないと、なんと成績が0点扱いとなりGPAに大きく響きますから注意しましょう。
ちなみにウェルネスは3-4Qにかけて取った方がいいと個人的には思います。なぜなら1-2Qは暑いからです。
情報理工学基礎2
選択科目
単位数:1
成績:100
1の続きです。期末レポートのテーマを何にしようか迷っていたところ、オセロが弱解決されたという論文がTLに流れてきたので飛びつき、それについてサーベイ論文を書きました。1と同じく大苦戦しましたがなんとか100点が取れてよかったです。
図形科学とCG1
選択科目
単位数:1
成績:100
主にCGの技術について数学的に迫る授業です。最初の3回は3面図などの作図の授業です。定規とコンパスを用いて正確に作図していきます。ちょっとでもズレると減点されてしまいます。それからは定規などは一切使わず、先生が用意したVisual Basicのプログラムを用いて授業が進みました。
ここで問題だったのが、そのプログラムはwindowsでしか動作しないという点でした。私は情報理工学院で大学用のPCはMacだったので困りました。一応windowsノートパソコンの貸出もありましたが、やっぱり自分の端末でやりたいじゃないですか。なので私は講義には出ず、講義資料片手に家にあるメイン機(windows)で課題をこなしました。出席点は無かったので。今年もそうなるかどうかは分かりません。
物理学演習第二
選択科目
単位数:1
成績:96
第一の電磁気版です。同じく実験と交互に開講されます。
物理学実験第一
選択科目
単位数:1
成績:97
後期も抽選に当たったので実験が取れました。電磁気の第二に対して第一は力学です。
4Q
化学熱力学基礎
必修科目
単位数:1
成績:91
熱力学です。やはり化学というより物理のように微積で数式を追っていきます。量子化学とどっちが難しいかというのはよく議論されていましたが、個人的にはこっちの方が難しかったです。ただ丁度この分野を解説するヨビノリの動画があるのでかなり助かりましたね。
電磁気学基礎2
必修科目
単位数:1
成績:100
1の続きで、最終的にはマクスウェル方程式までやります。そうそう、この2から先生が出席率を憂いて抜き打ちテストを実施し始めました。一応今まで出席点は無かったんですけどね。ただ、何か書けばその抜き打ちは満点になるという、テストというより実質出席確認でしたね。今回のテストは入念に準備をして挑み、流石の私も厨房に入って行ってしまうことなく満点を取ることができました。サブチャンネルは特に無いです。
宗教学A(文系教養)
必修科目
単位数:1
成績:90
宗教について学びます。しかし、キリスト教がどうとかイスラム教がどうとかそういう世界史の授業みたいな暗記はしません。先生は、「そんなのwikipediaを見れば書いてある。わざわざ授業でやる必要はない。」と言っておられました。そうではなく、この授業では毎回のテーマについて先生の軽い説明があったのち、グループに分かれて学生同士でディスカッションをすることで進行していきます。つまり立志プロジェクトみたいな感じです。
この担当の先生、前に書きましたが、かつて学生に欲しい点数を書かせたあの先生です。しかし今では流石にそんな事はしておらず、文句を言いながら最終授業で確認テストを実施しました。しかしこれがかなり難しい。一応、今までの授業に関する問題の穴埋めなのですが、先生が穴開きの問題文を全て読み終えるまでに答えを書かなくてはいけません。私は結構勉強したつもりでしたが、答えを書き終えることができませんでした…しかし完答した人が結構いたらしく、その影響であえなく90点です。かなちい。
コンピュータサイエンス第二
選択科目
単位数:1
成績:100
第一の続きです。特にやることに変化はないです。100点がおいしい。あ、ちなみに情リテ第一第二、根菜第一はユニットによって受けるクラスが決まっていますが、この根菜第二ではなぜか自由です。なので点が取れると評判の先生のところに人が集中したと聞きました。
微分積分学第二
選択科目
単位数:2
成績:95
第一の続きです。第一でやった内容について、ε-δ論法を用いて厳密に定義し直していきます。難しいとよく言われるε-δ論法ですが、やってみるとそうでもないですね。あ、今回私は演習の方を取っていません。理由は、演習の先生が厳しいという噂を聞いたからです。こんな風に、後期数学は演習を取らずに講義だけ取る、というようなこともできます。
基礎データサイエンス・AI
選択科目
単位数:1
成績:100
データサイエンスとAIに関する基礎的な内容の授業です。根菜と何が違うのかと言われたら正直対して変わりません。根菜と同じようにpytohnを用いてJupyterの講義資料で授業が進行します。この授業はなぜかオンラインでした。zoomで先生が授業をする感じです。
根菜と内容が被っていると言いましたが、進度はこっちの方が圧倒的に速いです。3Qに根菜でやったことをこいつは1回の授業で終わらせました。ただ課題は案外簡単で、穴開きのプログラムが配られて、それが上手く動作するようにそこに当てはまるコードを書くというものでした。更にそれが合ってるかどうかをある程度判定するセルフチェックのライブラリまで配布されました。しかしそれでもプログラミング未経験の人はいくらか苦戦している印象でしたね。まあそれは同ユニの情報理工学院の人をこき使えば済む話です。
情報理工学基礎3
選択科目
単位数:1
成績:93
1,2とは内容が変わり、情報理工学院の色々な先生の話を聞く授業になりました。要はソープ情の授業に戻ったような感じですね。なので期末レポートで殴って100点をもぎ取る戦法が使えませんでした。
図形科学とCG2
選択科目
単位数:1
成績:96
1の続きです。特に変わったことはありません。相変わらず私は家でやってました。
系所属点のお気持ち
私は転院erではないので、系所属がいかに過酷かを伝えることはできません。きっとこの記事に触発された23B転院erが記事を書いてくれるでしょう。それよりも、ここでは系所属点を稼ぐにはどうすればいいのか考察して終わりにしようと思います。こちらをご覧ください。
これは私の100番台の全科目の成績について必修と選択で分けて点数の高い順に並べたものです。赤い線は系所属点に使われるラインを表していて、この線より上の科目が系所属点に使われます。では右の選択科目に注目してください。これを見ると、枠のほとんどが100点、またはそれに準ずる点数で埋まっていることが分かるでしょう。選択科目は点数がくる科目を自由に選べるために、必修科目と比べて平均成績が高くなる傾向があります。そのため高い系所属点を取ろうとするならば必然的に14個の枠が全て100点に近い点数で埋まります。なのでこの状態で更に1つ選択科目で100点を取ったとしても、系所属点はたったの4点しか上がりません。つまり何が言いたいか。選択科目ではあまり差がつかないのです。
一方で必修科目の枠はどうでしょうか。100点はあれど、下の方はまだまだ低い点数の科目が枠に入っています。伸びしろがあるということです。しかも系所属点の計算に使う科目は必修科目の方が多い上に必修科目の数は限られています。なので選択科目と比べて必修科目は系所属点に使わない科目、捨て科目がはるかに少ないです。実際、必修科目で系所属点に使わずに済むのは4つまでです。履修取り消しをすれば更に減ります。つまりこのことから、
系所属点を左右するのは必修科目の成績
と言うことができるでしょう。先輩方が新入生に「必修科目は頑張れ」と言う理由の1つはこれです。必修科目で悪い成績をとってしまうと系所属点的に取り返しがつかないからです。特に必修科目は前期に集中しています。その中でも2単位を握る数学科目は落とせません。しかし必修科目で良い点を取ろうとしても、そう簡単にはいきません。前に成績のシステムは全く公平じゃないと言いました。先生によって授業の難易度も違えば点のきやすさも違います。しかも必修科目だからそう簡単に履修取り消しはできません。自分の必修の担当教員が点をくれる先生であることを祈るしかないのです。つまり、運です。系所属点を左右する要素として、運も大きく絡んでいるのです。
終わりに
高い系所属点を取るにはどうすればいいか。結論としてここでは
「運による要素も大きいが、必修科目で高い成績を取ること。特に前期、その中でも数学は何が何でも落としてはいけない」
とさせていただきます。なんだか新入生を怖がらせてしまうような殺伐とした文章を書いてしまいましたが、そう堅く構える必要はありません。やってみれば案外なんとかなるかもしれませんよ。知らんけど。それでは1年後、皆さんが希望の系に無事進めることを願っています。サラダバー!