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2020年4月21日 | ブログ記事

マスタリングMastering

この番組はフィクションです。実在するマスタリングTCP/IPとは一切関係がありません。
また、この番組は専門家の指導の下、安全には十分配慮して制作しておりません。多分エンジニアが見たら怒ります。

この記事は20新歓ブログリレー44日目の記事です。

またお前か

そうです。私が19のリキッドです。

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今日はマスタリングをしてみましょう。

DTMにちょっと慣れてくると、作編曲以降のエンジニアリングに目が行きがちですが、手早く見つかる日本語の情報でマスタリングを学ぼうとすると「リミッター挿して音圧上げてウェーイwwwwww」ってなりがちです。確かに始めのうちはそれでも良いんですが、traPや○クネなどに入るとコンピレーションのマスタリングをやることも増えてきます。

まぁ「Ozone挿してウェーイwwwwww」でも良いですし、それで済ませてる人も大勢いるので否定はしないですが、どうせなら手間暇かけて自分好みの音を作ったほうが面白いですし、僕はOzone8 elementsしか持ってないので自力でやるしかないんだよ。オイ。

注意

冒頭でも言いましたが、今回紹介する手法はプロの方から教わったものでも、教科書を読んで得たものでもないです。少ない経験の中から、特に不満が出なかったときの手法を紹介しているだけです。この手法を現場に持っていって叱られても僕を叱らないでください。

課題曲 : Jonbar Firmament

今回は新歓コンピの曲を用います。

新歓コンピのマスタリングは僕ではなくカシワデ先生です。SoundCloudに上がってるのは正に彼のマスタリングなので、コレと聴き比べるのも面白いですよ。結論から言うと、彼のやり方のほうが重みが出ます。僕のほうがスッキリです。

ビフォーアフター

一応音量注意で。

BEFORE

AFTER

やっていき

下準備

まずは2mixをよく聴きましょう。マスタリングでは楽曲の雰囲気を壊さないことが大切です。オーケストラのしっとりしたような曲でガンガン音圧上げたら作者に殺されます。キックが歪んでるような類の音楽はガッツリ潰さないとクラブで流したときに悶死します。

アルバム全体のマスタリングをするときは、全曲通しで聞いてどうするか考えます。最近のテ○ネみたいなオールジャンル系を担当すると自動的に死にます。諦めましょう。

真面目な話、最近のテク○はクラブミュージック一辺倒ではなく、ロックやオーケストラ、エクスペリメンタルみたいなのもかなり混ざってきており、マスタリングは非常に難しいです。このなかではどうやったってオーケストラが一番音圧上げづらいので、自動的にコレに合わせることになるのですが、そうするとハウス系は寂しい感じになります。仕方ないので、ガッツリ潰れるまで音圧稼いだ後にアウトプットで音量を下げて対応してますが、ええんかコレ...?

曲を聴きながら必要なプラグインを挿していきます。筆者はいつもこんな感じです。

マスタートラック

各トラック

常にすべて使うわけではないので、中でも使用頻度の高いものには*を付けておきました。ほとんどじゃねえかって?はい。

目標ラウドネス値の設定

ラウドネスというのは、要は音のデカさです。より詳しいことを知りたい方はggってみましょう。よく宗教戦争になる話題なので、記事は腐るほどあります。個人的にはこちらの記事がおすすめです。

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昔は収録メディアや放送の関係で、デカければデカいほど良いみたいな風潮があったのですが、今はなんでもインターネットに乗せればいい時代なので、適正な大きさにした方が評価が高いです。

何が適正なのかは、曲のジャンルはもちろんのこと、投稿・配信するプラットフォームによっても違うので一概には言えません。今回は荒目の曲調ですし、SoundCloudにもYoutubeにもおなじ音源で投稿してしまいたい、という場合を想定して、サビなどの音の大きい部分で-10LUFSとなるようにします。ちょっと大きめですね。ちなみにカシワデ先生のマスターもだいたいこんな感じだったっぽいです。

ラウドネスは、マスタートラックに挿したMLoudnessAnalyzerで計測します。丸で囲ったTARGETツマミを-10.00LUFSにしてやればOKです。

コンソール系で味付け

コンソール系のプラグインはいくつあっても便利です。それぞれのキャラクターが立っているので、それにあったコンソールを挿すだけでだいたい方向性が決まります。あくまでイメージが固まっているのであれば、ですが。

今回は重厚な感じを出したいので、倍音付加は控えめで、重たい感じを醸し出すbx_console Nを使いたいと思います。

詳しくはこちらの記事をどうぞ。

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今回はデフォルトから、右上のVGAINとTHDをイジっただけです。だいたいいつも、THDとか倍音付加系のツマミを目一杯回して、キモチエ~~~~~~~~、ってなって終わりです。微調整?知らんな。

VGAINはお好みで。ノイジーな曲にはうっすら掛けると、濁りの旨味です(?)

比較

コンソール前

コンソール後

MidとSideの調整

この工程はやったりやらなかったりです。全体的に見通しの悪い音源のSideの低域を切ったり、キックが引っ込んでる音源のMidの低域を持ち上げたり、音の広さを演出したいときにSideの高域を持ち上げたり...という感じで使います。

この工程で重宝するのが、Ozoneです。

え?Ozoneは使わないんじゃなかったのかって?はい、Ozoneの力は借りません。じゃあ何に使うのかって?

ココだけ使います。これはMidあるいはSideだけを再生するスイッチです。Midのキャラクターはどんな具合かな~、とか確認するのにとても便利です。

このときEqualizer以外のモジュールは切っておかないと、音に影響が出ますので注意です。ぶっちゃけOzoneはオーバースペックだし重たいので、MSEDとかWaves CenterとかでもぜんぜんOKです。Ozoneをスイッチ代わりに用いるという優越感を味わいたいだけです。何に優越してるのかさっぱり分かんないんですけど...。

まずはMid。今回は重みを持たせつつ、ギラツキを残したいという考えで60Hz付近と4000Hz付近をちょっと持ち上げました。

次にSide。ちょっと低い音がだぶついてるのでゆる~くカット。コントラバス・チェロが引っ込みがちなので200hz付近を持ち上げました。オマケに空気感の負荷を目的に高域をブースト。

この工程で大々的にイコライジングするのはあまり良くないので、自分の中で各ツマミ±1.5dB以内と決めています。プロの解説動画とか見ると、0.5dB以上はダメだ!とか言う人結構いるんですけど、これはあくまでプロが請け負うような質のいい音源の話なので。趣味DTMerの音源だったら±3.0dBくらいぜんぜんOKです。精神衛生的に良くないのでやらないですけど。

比較

EQ前

EQ後

コンプその1

これもやったりやらなかったりです。音にまとまりがないときや、波形が極端に飛び出てるところが多い音源には挿します。

今回は挿さなくてもいいかとも思ったのですが、まぁデモンストレーションですし、まとまりが欲しいっちゃ欲しいので、やってみましょう。

コンプはバス系なら好みで選んで良いのですが、今回はWaves H-COMPbx_townhouse Buss Compressorを使ってみます。townhouseはデモ版を2週間位使っているのですが、完全に依存してます。多分次のセールで買います。ちょっと調整するだけでめちゃくちゃカッコよくなります。

コンプレッサーの機種によらず、いつも以下のように設定しています。

  1. Attack・Release共に最速、Ratio2:1程度にして、Gain Reductionが音のデカイ部分で-3.0dBくらいになるようにThresholdを下げる
  2. キックなどの低いリズム隊のアタックがハッキリするまでAttackを上げる。上げすぎると低域が暴れて意味がなくなるので注意。
  3. もしキックなどのアタックがうまく出ないときは、サイドチェインを試す。スネアのアタックが削れない程度にハイパスしてやると良い。
  4. この段階でGain Reductionが少なすぎるようなら、Thresholdをちょっと下げても良い。
  5. Gain Reductionの針が0dBで休まないように、Releaseを徐々に上げていく。初めて休まなくなった値を覚えて、更に上げていく。音のまとまりが薄れてきたら止めて、その値を覚える。この間でいい感じに音がまとまる値を見つける。
  6. Gain Reductionが最大-1.0dBくらいになるようにThresholdを調整して完成

バスコンプはかなり大味な処理なので、微調整という感覚ではやらなくてOKです。Releaseの調整とかいつも20ms刻みくらいで動かしますし、bx_townhouseみたいなのは100ms以上の刻みでしか調整できません。ザックリでええんやザックリで

最終的なリダクション量ですが、後段にもう1回コンプを挿す場合が多いので、少なめに-1.0dB前後を行ったり来たりするようにします。1段で済ませるならもう少し削ってもいいかと思います。

参考までに今回のセッティングをば。

比較

コンプ前

コンプ後(H-COMP)

コンプ後(bx_townhouse)

H-COMPのほうがスッキリした仕上がりですね。bx_townhouseはずっしりした感じでカッコいいです。以降は後者を採用して続けます。

ダイナミックEQ

ダイナミックEQとは、イコライザのブースト・カットの量を、その帯域の音量に応じて変化させることのできる特殊なイコライザです。と、文章で書いてもよく分からんと思うのでggってください。結果としては、緩やかで自然なブースト感を得られます。

アルバム全体の質感を統一したい時や、お手軽に迫力を出したいときなどにササッと使えて便利です。おすすめはTokyo Dawn LabsのNovaです。無料。

他と比べて一部分だけ高域がうるさいけど、それ以外の場所の高域は持ち上げたい!というときなどに使うんだと思います。マスタリングでは、音源のニュアンスを壊すこと無くイコライジングできるので、最終的なキャラ付けに重宝します。

比較

EQ前

EQ後

コンプその2

コンプその1とやることは同じです。なるべく音質変化の少ない、マスタリングクラスのコンプレッサーを用いましょう。おすすめはTDLのKotelnikov。コレも無料。あるいはIK MultimediaのStealth Limiterなんかもいいでしょう。

比較

コンプ前

コンプ後

リミッティング

最終的な音量アップの段階です。Compressor・Clipper・Peak Limiter・HF Limiterの4つのモジュールから成りますが、コンプレッションは前段で済ませているのでOFFにします。処理の順番はお好みでいいのですが、Peak Limiter、HF Limiter、Clipperの順がお気に入りです。

Peak Limiter

波形の飛び出た部分を削ってくれます。一部だけピョンと飛び出てると、書き出しの時邪魔なので削ります。-1.0dB行かないくらいで調整してください。たまに-2.0dBとか飛び出るのはそういうものなのでOKです。むしろ削ってくれてありがとうという感じです。

HF Limiter

高域成分だけリミッターを掛けます。10kHz以上などの、音楽的と言うよりも空間演出的な成分の突出を防ぎます。これも-1.0dB前後でいいでしょう。これも突発的な過大減衰はOK!

Clipper

わざとクリッピングさせることで、波形の頭をゴリゴリ削ります。すぐ音が変わるので超控えめに掛けます。ジャンルに依っては掛けないという選択肢もあります。ダンスミュージック系とは相性いいんですけどね。

Output

最後に音量をあげます。MLoudnessAnalyzerを見ながら、グイグイDriveをひねっていきましょう。最初に決めたように、今回は一番音のデカイパートで-10.0LUFSくらいになるようにします。Short-termとIntegratedが-10.0±1.0LUに収まるように、Driveさせます。

比較

リミッティング前

リミッティング後

テープシミュレーターで仕上げ

磁気テープに記録したときのような質感を再現するプラグインです。Softube Tapeなんかも有名ですね。

いつもSPEEDは15、BIASはOVERにしますが、アルバムの中で1曲だけキャラが合わないときなどは適宜変えます。

真ん中のメーターの真ん中あたりをゆらゆらするまでRecord Levelを上げ下げすればいいと思います。あんまり突っ込むとバリバリになるので。他のつまみは弄りません。怖いので。

比較

テープ前

テープ後

完成!

それではもう一度ビフォーアフターを比べてみましょう。

Before

After

元の音源の雰囲気を損なうこと無く、厚みがあり、かつスッキリしたサウンドに仕上がったのでは無いでしょうか。

ついでにカシワデ先生がマスタリングしたリリース版とも比べてみましょう

カシワデ版

リキッド版

カシワデ版のほうがより重たいサウンドで、中域の滑らかさが特徴的ですね。リキッド版は特にSideの低域がかなりスッキリしており、高域の伸びがあります。ここらへんは担当者の好みが如実に出ます。

いかがだったでしょうか?

DTMの楽しみは作編曲だけじゃありません。エンジニアリングまで全部自分でやらなきゃいけないからこそ、大変でもあり、楽しくもあります。

ぜひtraPでDTMをしてみませんか?メンバー一同心よりお待ちしています。

あしたは@Inoueさんの記事です。どうぞおたのしみに。

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この記事を書いた人
liquid1224

traPサウンド藩の浪士です。はやく老師になりたい。

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